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リングスリーブ の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
スリーブ、リンスリ など
リングスリーブとは?
【英語名】
Ring sleeve(リング スリーブ)
リングスリーブ(別名:終端重ね合せ用スリーブ)とは、電線同士を接続させるときに使用する、接続用部材。電線の接続用部材には、圧着スリーブと差し込みコネクタがある。
リングスリーブは圧着スリーブに属し、さらにB形(付き合わせ用)・P形(重ね合わせ用)とリングスリーブのE形に分類される。
B形とP形は直接接続に使用され、E形のリングスリーブは終端接続に使用する。
リングスリーブには、確実に接続できること、電線の抜けがないこと、差し込みコネクタよりもコストを抑えられるなどのメリットがある。
ただし、工事においては、圧着ペンチを使用し圧着後にビニルテープ巻きが必要なので、差し込みコネクタよりも時間がかかる。
リングスリーブの仕組み・使い方
【使い方】
リングスリーブの圧着方法は、以下の通りである。
1.電線の外側を覆うシースを剥ぎ、次に芯線の絶縁被覆(白と黒)を剥く(芯線の長さをスリーブ長より1.5~3.5mmに剥く)
2.電線の種類と本数に合うリングスリーブは決まっているので、それぞれに適したリングスリーブを用いて、芯線を挿入
3.圧着するリングスリーブのサイズに、適合する圧着ペンチのダイスで圧着する
4.圧着後、正しい刻印が入っているかを確認する(サイズが小なら小と刻印)
5.はみ出した電線をペンチで切断し整え、引っ張ってしっかり圧着できているか確認
6.仕上げに、ビニルテープもしくは絶縁キャップで絶縁処理をする
使用する圧着ペンチはリングスリーブ用の黄色の柄を使用し、小・中・大サイズでそれぞれ決まっている電線の直径・本数を守ってリングスリーブを結線する。
リングスリーブの仕様・スペック
【サイズ】
・小
外径:5mm、内径:4mm、長さ:10mm以上
・中
外径:6.9mm、内径:5.3mm、長さ:10mm以上
・大
外径:7.7mm、内径:6.1mm、長さ:10mm以上
【最大使用電流と使用可能な電線の組み合せと刻印】
リングスリーブのサイズごとで、挿入できる芯線の種類と本数は以下の通りである。
小 最大使用電流(A)20A
・0.75mm(1~2本)と1.6mm(1本)― 刻印:〇
・0.75mm(1~2本)と1.6mm(2本)― 刻印:〇
・1.6mm(2本)― 刻印:〇
・1.6mm(3~4本)― 刻印:小
・2.0mm(2本)― 刻印:小
・1.6mm(1~2本)と2.0mm(1本)― 刻印:小
中 最大使用電流(A)30A
・1.6mm(5~6本)― 刻印:中
・2.0mm(3~4本)― 刻印:中
・2.6mm(2本)― 刻印:中
・1.6mm(3~5本)と2.0mm(1本)― 刻印:中
・1.6mm(1~3本)と2.0mm(2本)― 刻印:中
・1.6mm(1本)と2.0mm(3本)― 刻印:中
・1.6mm(1~3本)と2.6mm(1本)― 刻印:中
・2.0mm(1~2本)と2.6mm(1本)― 刻印:中
・1.6mm(1本)と2.6mm(2本)― 刻印:中
・1.6mm(1~2本)と2.0mm(1本)と2.6mm(1本)― 刻印:中
大 最大使用電流(A)30A
・1.6mm(7本)― 刻印:大
・2.0mm(5本)― 刻印:大
・1.6mm(6本)と2.0mm(1本)― 刻印:大
・1.6mm(4本)と2.0mm(2本)― 刻印:大
・1.6mm(2本)と2.0mm(3本)― 刻印:大
・1.6mm(1本)と2.0mm(4本)― 刻印:大
・2.0mm(3本)と2.6mm(1本)― 刻印:大
・1.6mm(2本)と2.6mm(2本)― 刻印:大
・2.0mm(1本)と2.6mm(2本)― 刻印:大
・1.6mm(1本)と2.0mm(2本)と2.6mm(1本)― 刻印:大
リングスリーブの仕組み・特徴
【仕組み】
リングスリーブの形状は円筒で、主に無酸素銅管(電気すずめっき)である。
柔らかく、変形させやすいため、銅製の芯線の圧着結線に適している。
リングスリーブは、電線やケーブルの分岐で設置されるプルボックスで行う結線に使用する。
リングスリーブは円筒になっているため、その中に電線のシースと被覆を向いて露出した芯線を挿入して、圧着ペンチで圧着して電線同士を結線する仕組みである。
リングスリーブの廃棄方法
【廃棄方法】
使用済みのリングスリーブは、該当する各市町村のルールに従い廃棄する。もしくは産業廃棄物処理業者に依頼して、適切に廃棄処理する。
リングスリーブなど、電気工事で使用する機器や部品、電線などを電材という。一般に電材は、次のように区分されている。
・a材・・・照明器具、インターフォン・分電盤・配電盤など
・b材・・・電線・ケーブル・ボックス・付属品など
・c材・・・リングスリーブ・絶縁テープ・ネジ類など
これら電材は、金属やプラスチックなどのさまざまな素材で作られている。そのため、素材によって廃棄方法も異なる。
リングスリーブを廃棄する際は、絶縁処理している絶縁テープや絶縁キャップを取り外し、リングスリーブと電線を切り離す。
これは、ごみの分別目的と廃棄とリサイクルできるものを分けるためである。
また、リングスリーブと絶縁テープや絶縁キャップは廃棄になるが、電線の芯線は銅製なのでリサイクルも可能。