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スラブとは?

【英語名】
Slab(スラブ)

スラブとは、一般的に鉄筋コンクリート造(RC造)の建築物の床版や屋根のことを指す。
元々は、平板や石板を意味する言葉で、鉄筋コンクリート造では大ハリや小ハリと一体化して造られる。
内部に網目状に入れられた鉄筋で強度を出している。

床スラブもしくは屋根スラブと呼ばれる。
スラブは強度があるため、木造の床や屋根に比べて騒音や歪みに強いことからマンションや公共施設でよく使用される。
スラブは音を通しにくい性質があり、遮音性が高い。

振動や変形にも強いというメリットもあることから、床や屋根に適している。

スラブの仕組み・使い方

【使い方】
建築物の床や屋根として使用する。
後に説明している2重スラブやフラットなどのように、床や屋根以外にも使用用途は豊富である。

【施工方法】
建築予定地に鉄筋を組んだ後にスラブ張りをし、そこにコンクリートを流すことによって床スラブや屋根スラブが造られる。

スラブの仕様・スペック

【規格】
建築基準法で定められている床版は、構造耐力上主要な部分は8cm以上必要である。
マンションや団地などの集合住宅では、階層の遮音性を高める必要性から20cm以上の厚みが標準とされている。

【種類】
コンクリートで造られたものをコンクリートスラブと呼び、床として造られるものを床スラブと呼ぶ。
上記のほかに、以下のような種類のスラブがある。

1)土間コンクリート
コンクリート製の床の一種だが、スラブと違い人間や物の重量を支える構造ではないため、強度がない。
土間コンクリートは強い地盤の上で造られるが、スラブは弱い地盤の上に造られる。
このことからも土間コンクリートに強度がないことがわかる。
地盤沈下などには耐えられず、破損する可能性がある。

2)構造スラブ
土間コンクリートと違い、柱や大梁、小梁に支えられたコンクリート製の床を構造スラブという。
構造スラブに使用する鉄筋は、土間コンクリートとは違い強固なものである。
理由としては、荷重を構造スラブが受けるためである。
強度があるので、地盤沈下などが起きても比較的強い強度で耐えるとされている。

3)2重スラブ
床スラブが2重で造られているものを2重スラブと呼ぶ。
上下のスラブの間には隙間ができることになる。
この隙間に配水管などの配管を通すことが可能。
これにより露出で配管しなくて済むというメリットがある。

4)フラットスラブ
梁がないスラブで、柱のみで支えられているのがフラットスラブである。
梁がないことから、天井を高くし開放感を出すことができる。
梁がない分、強度はない。
衝撃が加わった際に、柱でしか支えていないため柱がスラブを貫通する「パンチング破壊」という壊れ方をする可能性がある。

5)片持ちスラブ
マンションの雨よけや外窓の庇(ひさし)など片方だけが壁に支持されているスラブを片持ちスラブという。
もう片方は空中に浮いている状態となる。
強度は弱く、建築において注意しなければいけないスラブである。

スラブの仕組み・特徴

【仕組み】
鉄筋を組み、コンクリート打設をすることによってスラブが造られる。
コンクリートには固まるまで時間がかかるため、スラブとして機能するまでに約28~30日間必要とされている。

建築の実務では効果より強度に着目しているため、どれくらいの期間で強度が出るかの規定がある。
最低でもコンクリート打設後3日間~5日間は、コンクリート打設後のスラブ上を歩行しないようにするのが望ましい。

【特徴】
スラブの和訳は平板である。スラブは、鉄筋コンクリートの床に用いられる際は、鉄骨造や木造と比べてデコボコはなく、平らである。
このことから、スラブ=平板となる。

スラブの廃棄方法

【産廃方法】
スラブはコンクリート造のため、建築廃棄物扱いとなる。コンクリートガラおよびがれき類として産業廃棄物処分する必要があるため、自治体のごみ収集では回収できない。
そのため、産業廃棄物処理業者と契約と取り交わし、処分しなければいけない。

例外として、ホームセンターなどでコンクリートブロックを購入した場合は、回収してもらえる可能性や引き取り手に無料で譲渡する方法もある。

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