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スリーブ の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
スリーブとは?
【英語名】
Sleeve(スリーブ)
スリーブとは、鉄筋コンクリート造の床や壁、ハリや基礎部分に給水管や排水管などの各種設備配管用の貫通穴を確保するための筒状の管のことを指す。
建物外から建物内へ給排水管などを敷設する際にスリーブが必要である。
建物外から建物内までの管路の確保だけでなく、貫通穴を通る配管の保護の役割も担っている。
鉄筋コンクリートの建築物を作る際に、あらかじめスリーブを設置し、その後にコンクリート打設を行う。
事前にスリーブを鉄筋に固定することで、コンクリート打設を行っても、スリーブ設置している筒内にはコンクリートは打設されないので、必然的に貫通穴ができる。
【類似部材】
・床スリーブ
・梁スリーブ
・地中梁スリーブ
スリーブの仕組み・使い方
【使い方】
まず、はじめにスリーブを選定する。
スリーブが大きくなればその分強度が弱くなるので補強も必要になる。
スリーブの大きさは大きすぎても小さすぎてもいけないということになる。
スラブの厚さに合ったスリーブを使用することが重要。
【施工方法】
施工方法としては、以下の流れになる。
1)スリーブの選定をする
スラブ厚やスリーブ内へ敷設する配管の大きさを考慮しスリーブを選定する。
2)スリーブの加工をする
注文したスリーブの長さがスラブ厚に合えばいいが、合わない場合はスリーブの加工が必要である。
3)墨出しを行う
スリーブの加工後は、設置する場所の墨出しを行う。
建築や電気などの建設業界では、ミリ単位の精度が求められるため、正確な墨出しが必要である。
スリーブを設置する箇所によっては、あまりスペースを確保できない場合もあるので、ずれたとしても10mm以内には抑えたほうが望ましい。
スリーブを横並びに設置する際は、スリーブ直径の3倍以上の距離を確保しなければならないため、注意する。
4)スリーブの固定を行う
墨出し位置にスリーブを固定する。
建築現場は作業員の出入りが多いので、スリーブが取れないよう固定金具を用いて型枠にスリーブを強固に固定しないといけない。
また、スリーブの設置個所はスリーブの大きさにもよるが、開口ができてしまうので補強用の鉄筋を配筋しなければいけない。
スリーブが大きければ大きいほど、強度が弱くなるので、事前にスリーブの大きさを考慮した鉄筋を用意する。
5)コンクリート打設を行う
コンクリート打設は別業者になることが多いため、打設時はスリーブが飛ばされないよう監視人を配置する。
コンクリート打設後にスリーブを掘り起こして施工完了となる。
スリーブの仕様・スペック
【規格】
さまざまなスリーブ厚や大きさ、材質などが存在する。
防さび効果が大きい亜鉛鋼板やSGP管のような公共工事仕様など、用途や要望に合わせて選定する。
【種類】
スリーブは、主に以下のような種類がある。
1)床スリーブ
床にスリーブで開口を作るためのもの。
1階と2階などのように階層を超えて配管を通さないといけない場合に使用することが多い。
2)梁スリーブ
壁など横の貫通穴を造る際に用いられる。
梁の端部に寄ってしまうと強度が弱くなってしまうため、梁スリーブの場合は、梁の真ん中を狙ってスリーブを設置しないといけない。
3)地中梁スリーブ
地中の梁に貫通穴を造る際に用いられる。
基礎設置工事などで使用されることが多い。
スリーブの仕組み・特徴
【仕組み・特徴】
建築用語のスリーブは、構造体に配管を通すため貫通する穴のことを指す。
コンクリート打設前にスリーブを設置することで、任意の大きさの貫通穴ができる仕組みである。
スリーブの廃棄方法
【産廃方法】
スリーブは鉄製に分類されるものがほとんどなので、処分する際は鉄くずで産業廃棄物処理するのが望ましい。
施工時に余ったスリーブはそのまま分別して産業廃棄物処理をすればいいが、建物の取り壊しなどの場合はごみの仕分けが必要となるので多少の手間がかかる。