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かご形誘導電動機とは?

【英語名】
Squirrel-cage induction motor(スクワーレルケージインダクションモーター)

形状がリスなどが使う回し車に似ていることから「Squirrel-cage」と呼ばれ、英語名称を略して「SCIM」という。

かご型の回転子を持つ誘導電動機で、電動機のなかでも簡単な構造で、安定性と耐久性に優れており、三相電力を供給することにより大きな回転力を得られる。

そのためビルなどの設備用ファンや、電車・ハンドドリル・工場の運転動力など、壊れにくい特徴から電動機が要されるさまざまな場所でその力を発揮している。

特に設備用のファンでは、インバータの普及によって周波数の制御が容易になったため、今や国内で使われているファンのほとんどにこの電動機が用いられている。

【類似材料】
巻線型誘導電動機

かご形誘導電動機の仕組み・使い方

【使い方】
かご型誘導電動機は、定格電流を流すと電圧印加→定格速度に至るまでおよそ5~8倍ほどの電流が発生するなど始動時の電流が大きく、巻線の損焼や大容量電動機では周辺機器に悪影響を及ぼすことがある。
そのため始動器の使用や始動時の電圧を低下させる調整など対応が必要となる。

始動方法として、以下のような始動方法がある。
1)全電圧始動
7.5kW程の小容量機種の場合に使用され、定格の電圧を始動時から印加。

2)スターデルタ(Y-Δ)始動
現電圧始動と呼ばれる一次巻線をY(スター)結線として始動、始動電流が減少したとき、Δ(デルタ)結線に変更する。

3)リアクトル始動法
電動機の一次巻線の間にリアクトルを接続、定格の速度になれば短絡する。

4)コンドルファ始動
始動変圧器を用いて始動し、中性点を切り離して始動電流を制限する。

かご形誘導電動機の仕組み・特徴

【仕組み】
主にコイルでできた巻線がある「固定子(ステーター)」と「回転子(ローター)」といった2つの部品で構成されている。
ローターにはコアと呼ばれる鉄心に、かごのような形で銅線が配置されたシンプルな造りになっている。
ステーターに交流電源が入力されるとステーターとローターの間に回転磁界という現象が発生、その現象によりすべりが生じてローターが回転する仕組みとなっている。

【特徴】
比較的安価で効率もよく高い安定性と耐久性を持ち、上述のように構造が簡単で他の電動機に用いられるブラシや整流子といった部品が不要であり、メンテナンス性能も高い。

一方、始動時の電力が大きいわりに始動トルクが大きくならず、始動電流によって巻線が焼けてしまう可能性もあるため、対応が必要などの難点も持つ。

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