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サーマルリレー の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
サーマル など
サーマルリレーとは?
【英語名】
Thermal relay(サーマルリレー)
熱によって動作するため、別名「熱動継電器」とも呼ばれている。
バイメタルとヒートエレメントが内蔵された保護継電器である。
電動機に電気を供給する動力制御盤を計画する際、電動機の保護は「サーマルリレー」と「配線用遮断機」「モータブレーカ」を組み合わせて使用するのが一般的である。
【代用】
「サーマルリレーつき電磁開閉器」サーマルリレーの付いている「電磁開閉器」は「モータブレーカ」とほぼ同じく過負荷から電路を守る働きをするが、モータブレーカーは遮断容量が大きいため、電動機自体に対しての焼損を防止する役割も兼ねている。配線遮断機の役割も兼ねている。
サーマルリレーの仕組み・使い方
【原理】
サーマルリレー内部の回路にはバイメタルなどの金属が採用されている。
バイメタルは温度が上昇すると、熱膨張係数の違いによる影響で一方に反る性質があるため、それを利用し一定以上の温度に達した場合、回路が遮断されて電路を保護するように回路が接地する。
一度遮断側の接点に達した回路は、物理的なバネなどの機構で強制的に反りを維持することで、リセットするまでは回路は遮断されたままになり、どのサーマルリレーが検知したのか原因を探ることが可能。
【安全】
サーマルリレーの交換推奨期間は一般的に約10年と言われている。
主な劣化原因は、電気的要因・機械的要因・熱的要因・環境要因。
安全に使用するためには劣化の際には交換が必要。
サーマルリレーの仕様・スペック
【種類】
バイメタル式と電子式の2種類に分類される。
バイメタル式は、熱膨張によりリレーを動作させる仕組みとなる。
設定用ツマミを回転させることにより±20%ほどの電流値設定が可能となる。
電子式はインバータなどの装置を保護する場合に使用する。
回路に流れる電流値を電子回路で読み取り、負荷特性曲線を外れた場合に動作する。
メーカーにより異なるが、下限電流値はバイメタル式よりも幅広く設定が可能。
サーマルリレーの接点は、モニター用と通常時開接点(a接点)と回路遮断用の通常時閉接点(b接点)がある。
バイメタル式は接点に流れる定格電流値がリレーによって決められているので、購入の段階でどちらを使うか選ぶ必要がある。
通常は2A程度である。
電子式のサーマルリレーは、どちらの接点をいくつ使うか設定で選ぶことが可能なものが多い。
ただし、電子式サーマルリレーの場合にリレー接点でなく、トランジスタ接点も可能であるので、事前に確認が必要である。