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幹線とは?

【英語名】
Trunk line(トランクライン)

幹線(かんせん)とは、変電所や電気室の配電盤から、制御盤もしくは分電盤へと至る配線部分を指す。それらの設備をまとめて、幹線設備と呼ぶこともある。

幹線設備に関する工事は電気設備の基準となる重要な工事であり、工事項目の割合としても大部分を占める。例えば、工事対象の施設によっては、1本の太い幹線で多数ある分電盤への供給電力を賄う場合もある。分電盤へ分配する必要電力を事前にしっかりと計算した上での、計画的な電気工事が必須となる。

また、一般に幹線は大きな電力供給の役割を担っており、ケーブルサイズが大きなものになりやすい。

なお、ケーブル以外にバスダクトと呼ばれる銅やアルミニウムの帯状導体を使用した電線路も、幹線として区分される。

幹線の仕組み・使い方

【施工方法】
幹線の施工方法は、主に以下の4種類がある。

・枝状方式
幹線を枝のように割り振り、盤を接続する方法。
コストは安価だが、幹線1本に対して複数の盤が接続されているため、修理や改修工事をする際に停電範囲が広くなる点がデメリットである。

・ブロック枝状方式
枝状方式よりもさらに細分化・ブロック化した方法。
枝状方式で発生する広範囲の停電というデメリットは、このブロック枝状方式で解消できる。

・単独方式
一つ一つの盤に対して、単独幹線を接続する方法。
4つの施工方法の中では最もコストが高くなるが、部分的な停電が可能というメリットがある。

・ループ方式
幹線をループ状に盤へと接続する方法。
ループ内に開閉器を設置することで、停電時の範囲を限定できるというメリットがある。
ただし、実質的には幹線を2本供給しているのと変わらないため、枝状方式の倍近くのコストがかかる。

また、幹線の工事には、主に以下の3種類がある。
・交換・増設・撤去工事
・地中埋設工事
・架空配線工事

幹線の仕様・スペック

【サイズ】
・最大使用電流が20Aの幹線:最小太さが3.5sq
・最大使用電流が400Aの幹線:最小太さが250sq

【材質】
・ケーブル:銅、アルミ、ポリエチレンなど
・バスダクト:銅、アルミなど

【種類】
・ケーブル方式
幹線設備における主流の方式。1本の幹線で500~600A程度までの電流供給が可能である。
CVケーブルやCVDケーブル、CVTケーブルが使用される。

長尺の敷設となることも多く、幹線用のケーブルを選定する際は、電圧降下を考慮したサイズ選定が大切。

・バスダクト方式
バスダクトは最大でケーブルの十数倍程度の電流を供給できるのが特徴。
電圧降下が小さいため、長距離の電線路にも重宝する。

工場生産の時期によって必要な電力容量が変動する場合でも、バスダクト方式であればケーブルと比べて容量変化が容易といったメリットがある。

幹線の仕組み・特徴

【仕組み】
幹線は、受変電設備から分電盤や制御盤までの電力供給を行い、以降の電線路はそれぞれの盤を経由して各機器への電力供給を行う仕組み。
昇降機や給水ポンプなど、大きな負荷容量が必要な設備に対しては、幹線を直接供給する場合もある。

また、幹線を選定する場合は、必ず電圧降下と許容電流を考慮した上での選定を実施する。

幹線の施工経路に関しては、施設の特性に合わせた工事が必須である。
例えば、幹線を埋め込む地中埋設工事や架台を使用して天面に幹線を這わせる架空配線工事などがある。

設計時に示される方針によって工事コストが大きく左右されるため、最適な幹線設備の設計は、電気設計における重要ポイントとなる。

既存の施設に関しても、規模の変化に応じて幹線の増設・撤去工事を行うことで、効率的なエネルギーコストでの運営が可能となる。

幹線の廃棄方法

・産業廃棄物として廃棄する
産業廃棄物処理業の許可が出ている業者に、幹線として使用したケーブルやバスダクトの廃棄を依頼する。
処分の際は費用がかかるため、注意が必要である。

・リサイクルショップで買い取ってもらう
幹線として使用したケーブルやバスダクトを、リサイクルショップで買い取ってもらうことも可能。

・廃電線リサイクルとして廃棄する
電線の被覆廃材を有効活用することに特化した廃電線専門のリサイクル業者に依頼して廃棄することも可能。
リサイクルに至るルートがきちんと可視化された業者へ依頼することで、環境保護に対しても貢献できる。

幹線設備として使用したケーブルやバスダクトは大規模なものとなるため、基本的に専門の業者へ依頼することが推奨される。
また、電線が太く銅部分が多いことから、買い取りの際は高値でのやり取りとなる可能性もある。

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