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薄鋼電線管 の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
薄鋼、C管 など
薄鋼電線管とは?
【英語名】
Thin steel conduit tube(シン・スティール・コンデュート・チューブ)
薄鋼電線管(うすこうでんせんかん)は、主に屋内の直天部分の天井や壁配管などに用いられる電線管。
その名の通り、肉薄な点が特徴の一つであり、電気設備の図面においては「C管」と表記されるのが一般的である。
電線管を用いる意味として、主に以下の点が挙げられる。
・電線類の物理的な保護
・電線類の漏電防止
・電線類を隠すことによる美観の確保
・電磁遮蔽効果による、周囲の磁界強度の減少
・電線類からの火災拡大の防止
・メンテナンス性の向上
薄鋼電線管は、G管とも表記される「厚鋼電線管」(あつこうでんせんかん)と比べて耐候性に乏しいため、屋外使用は推奨されていない。そのため、屋内は薄鋼電線管、屋外は厚鋼電線管といったように使い分けることが、安全性の観点から大切である。
薄鋼電線管の仕組み・使い方
【施工方法】
薄鋼電線管内に複数本の素線をより合わせた「より線」、もしくは直径3.2mm以下の「単線」を通して使用する。
施工場所に応じて金属管を曲げる必要がある。その際、屈曲部の内側半径は管内径の6倍以上とすることが定められているため注意する。
金属管の固定には、サドルなどを用いる。
支持点間は2m以下の間隔とし、安定性の高い固定とすることが望ましい。
漏電防止の観点から、薄鋼電線管の接地工事が義務付けられている。
使用電圧が300V以下ではD種接地工事、300Vを超える場合はC種接地工事にて、電線管を接地する。
ただし、接触防止措置を施せば、300Vを超える場合でも例外的にD種接地工事での施工が可能である。
【注意点】
電線管内では、電線の中継接続をしてはならない。必ずボックス内で接続する。
また、木造建築物の屋側電線路の電線管工事は内線規程3605-2(分岐回路の種類)により禁止されている(合成樹脂管なら可)。
薄鋼電線管の仕様・スペック
【サイズ】
標準長さ 3,660mm、外径 19~φ76、肉厚 1.6mm・2.0mm。
【材質】
鋼管、溶融亜鉛めっきなど。
【種類】
薄鋼電線管は鋼製電線管の中の1種類である。
そのほか、鋼製の電線管としては以下の種類がある。
・ねじなし電線管(E管)
ねじなし工法専用として開発された電線管。
ねじ切りをしていないため、ねじ山の厚さ分、薄鋼電線管よりも厚みを薄くできる。
・厚鋼電線管(G管)
薄鋼電線管と比べて肉厚な電線管。
一般的には肉厚が2.3mm以上のものを指し、屋外工事や防爆工事に使用されている。
・厚鋼電線管(Z管)
内面と外面を溶融亜鉛めっきで仕上げており、従来の厚鋼電線管と比べて耐食性を強化した電線管。
薄鋼電線管の仕組み・特徴
【仕組み】
電線管の両端には雄ねじが切られており、そのねじ山を利用して各部品と中継する仕組み。
組み合わせ例は以下の通りである。
・電線管 + 電線管
電線管同士を接続する場合は、どちらも雄ねじであるため、雌ねじで仕上げている専用のカップリングで中継させて接続する。
・電線管 + 露出スイッチボックス、丸形露出ボックス
露出スイッチボックスや丸形露出ボックスの接続部は雌ねじ加工となっているため、電線管と直に接続できる。
・電線管 + 分電盤、プルボックス、アウトレットボックスなど
分電盤、プルボックス、アウトレットボックスと電線管を接続する際は、ロックナットを使用する。
なお、薄鋼電線管と厚鋼電線管では、ねじ山の形状が同一ではないため、併用することはできない。
薄鋼電線管の廃棄方法
・産業廃棄物として廃棄する
産業廃棄物処理業の許可が出ている業者に、薄鋼電線管の廃棄を依頼する。
(廃棄の際には費用が発生する。)
・金属スクラップ専門の業者に買い取ってもらう
金属スクラップ専門の業者に買い取ってもらうこともできる。
大量にある場合は、事前に日時を決めて出張買取サービスを利用するとよい。
・リサイクルショップに売却
未使用のきれいな薄鋼電線管であればリサイクルショップへの売却も可能。
近年はDIYブームで金属管の需要が高まっており、一般的な鉄くずよりも倍近く高い価格で買い取ってもらえる傾向にある。
大量にある場合は、出張買取出張サービスを利用するとよい。