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硬質ビニル電線管 の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
VE管 など
硬質ビニル電線管とは?
【英語名】
Vinyl electric(ビニール エレクトリック)
硬質ビニル電線管は、電線の保護を目的として使用される電線管である。
一般的にはVE管とも呼ばれる。
同じく合成樹脂管として区分されているPF管やCD管には可とう性があるが、VE管には可とう性がなく直線であることが特徴的である。
硬質ビニル電線管は、その名の通り硬質塩化ビニルを主材として製造されている。
耐水性や耐油性があるため腐食にも強く、金属製の電線管と比べて扱いやすいという特徴があるが、衝撃性に対する耐久性はないという欠点がある。
そのため、施工現場の特性に合わせた最適な電線管を選定しなければならない。
また、硬質ビニル電線管を接続する際には、カップリングを使用して接続する方法と、熱を利用して接続する方法の2種類がある。
硬質ビニル電線管の仕組み・使い方
【施工方法】
硬質ビニル電線管を接続施工する際には、合成樹脂管用カッター、ガストーチランプ、合成樹脂管用面取り器(リーマ)の3つの道具を主に使用する。
接続方法としては、以下2種類の方法がある。
・熱加工をして接続する方法
ガストーチで硬質ビニル電線管の先端を温めて軟化させ、接続相手の硬質ビニル電線を差し込む。
まっすぐ結合できるように、しばらく手で固定して接続完了。
・2号ボックスコネクタを使用して接続する方法
アウトレットボックスなどに硬質ビニル電線管を接続する場合は、2号ボックスコネクタを使用する。
なお、硬質ビニル電線管を相互接続する場合は、TSカップリングと呼ばれる部材を使用して接続する。
接着剤ありでは差し込み深さが管外径の0.8倍以上、接着剤なしでは差し込み深さが菅外径の1.2倍以上であることが定められているので注意が必要である。
硬質ビニル電線管の仕様・スペック
【サイズ】
全長2~4m、外径14~114mm程度
【材質】
硬質塩化ビニル
【種類】
硬質塩化ビニル電線管は、合成樹脂管の中の1種。
合成樹脂管全体としては以下の種類がある。
・VE管(硬質塩化ビニル電線管)
屋外の露出配管として広く使用されている。
PF管やCD管とは違い、可とう性がない。
しかし、VE管フレキという部材は手での屈曲が可能なので、施工場所の段差などから逃す際に便利である。
・PF管(合成樹脂可とう電線管)
コンクリート埋設や、露出配管など幅広い場面で使用されている。
・CD管(合成樹脂可とう電線管)
オレンジ色が特徴的な電線管。
コンクリート埋設に使用されている。保護管として使用する意味合いが強い。
・HIVE管(耐衝撃性硬質ビニル管)
VE管よりも耐衝撃性に優れている特性を持つ電線管。
硬質ビニル電線管の仕組み・特徴
【特徴】
硬質ビニル電線管の大きな特徴は、熱による加工が容易ということである。
そのため、金属製の電線管であればパイプベンダーを用いた変形やボックスでの経路変更が必要となるが、硬質塩化ビニル電線管は熱加工で簡単に曲げることができる。
ただし、金属管、合成樹脂管を問わず、電線管を使用した電気工事を行う際は、規定されたルールに従わなければならない。
まず、電線管内での配線の中継接続は禁止されている。
そのため、必ずボックス内部などで電線を接続する必要がある。
また、硬質塩化ビニル電線管を屈曲させる際には、屈曲部内側の半径を管内径の6倍以上確保しなければならないことにも留意しなければならない。
なお、これらの電気的な工事を実施するにあたっては、電気工事士の資格が必須である。
硬質ビニル電線管の廃棄方法
・自治体の回収ルールに従って廃棄する
各自治体で規定されている回収ルールに従い、硬質ビニル電線管を廃棄することが可能である。
実際に廃棄できるか、どの分類で廃棄するかなどの事前確認は必須。
ただし、事業者が排出した廃棄物は一般ごみとしては廃棄できないので注意しなければならない。
・産業廃棄物として廃棄する
産業廃棄物処理業の許可が出ている業者に、硬質ビニル電線管の廃棄を依頼する。
処分の際は費用が掛かるため、注意が必要である。
・リサイクル業者に依頼して廃棄する
リサイクル業者に依頼して、硬質ビニル電線管を廃棄することも可能である。
なお、産業廃棄物やリサイクル業者に依頼する際には、硬質ビニル電線管に含まれる塩素濃度が高いため、まれに取り扱いができない場合もあるので事前確認は必須である。