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ビニルテープ の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
ビニテ など
ビニルテープとは?
ビニルテープとは、絶縁性をもったテープのことであり、電気工事士必携の材料である。
用途は多岐にわたり、以下のようにさまざまな役割を果たす。
・圧着部分や接続部分などの絶縁処理
・通線時においてスチールワイヤーや呼び線に対して電線を固定する
・配線時にバラバラになっている電線やケーブル類をまとめて景観をよくする
・配線を綺麗にするなど
粘着性があり、夏場などの暑い時期にはビニルテープが溶けてしまう可能性があるほか、腰袋などの中に入れておくとごみなどが付着することもある。
そのまま絶縁処理に使用してしまうと、ほこりやごみなどが電気導通部分に触れて出火の一因にもなるため、保管の際には注意が必要である。
ビニルテープの仕組み・使い方
【使い方】
基本的な使い方として、絶縁処理するものに対して巻きつける。
内線規程においてはビニルテープを半幅以上重ねて(半掛け)2回以上巻くと規定されている。
しかし、各々の電気工事会社や職人によって解釈の仕方が違うためなのか、巻き方に統一性がない部分があるのも事実であるため、施工する環境によって確認することが必要である。
一般的には、2往復半以上ビニルテープを巻きつけておけば、間違いが発生したり指摘されたりすることは少ない。
指でその都度ビニルテープをはがしていると時間的なロスが発生するため、歯を使ってはがして使用することもある。
ビニルテープの仕様・スペック
種類
ビニルテープにはメーカーごとに巻き数(長さ)の違いや粘着性の違いなどが存在するが、基本的な役割としてはすべて同一である。
そのためビニルテープ同士の違いとしては色分けのみになる。以下にビニルテープの各色分けの役割を記載する。
・黒ビニルテープ
主に使われる色。黒相の電線に対し相確認のため巻きつける時もある。
・白ビニルテープ
電線、ケーブルに対し名称を書き込む際などに使用。白相の相確認のため巻きつける時もある。
・青ビニルテープ
主に青相の確認のため巻きつける。名称書きにも使用。
・赤ビニルテープ
主に赤相の確認のため巻きつける。名称書き、非常用回路などの電線への巻きつけにも使用。
・緑ビニルテープ
主にアース線の接続、相確認のために使用。名称書きにも使用。
・透明ビニルテープ
名称書きを行ったビニルテープを保護するために使用。文字が薄れて読めなくなるといった事態から保護する。
ビニルテープの仕組み・特徴
【特徴】
ビニルテープ自体には電気を流さないという絶縁能力があるため、使用により電線圧着部や接続部分を保護し、電気が誤って外部へ流れることを防ぐ。
また、ほこりなどの外的要因から守り、出火、発火を防ぐ役割も担っている。
また、粘着性があり、ビニルテープ自体を少し引き伸ばして巻きつけて使用すれば、数十年程度しっかりと粘着が保たれる。
ただし、高温の環境下などに施工された場合はこの限りではない。
高温環境下では粘着力が著しく損なわれるため、ビニルテープの劣化、はがれなどに繋がってくる。
その場合には、自己融着性テープとビニルテープを同時利用し、しっかりと絶縁処理を施す必要がある。
ビニルテープの廃棄方法
【廃棄方法】
ビニルテープの廃棄方法としては、廃プラスチックや燃えるごみなどとして、各工事現場内や自宅で処分しても特に問題はない。
各工事現場内ではビニルテープの切れ端や、内部の紙部分などが散乱している光景がまれに見受けられる。
ビニルテープの切れ端が腰袋から落下したり、施工中に落としたりすることはあるが、そのままにしておくと現場内の景観を著しく損ねる上に、お客様からの印象も悪くなるため、しっかりとごみの後片付けを行うことが大切である。
また、圧着部分、接続部分のビニルテープ切断時に付着している電線くずに関しては、廃プラスチック、燃えるごみとして処分できない。しっかりと分別を行い、電線くずは専門の処理業者に依頼して処分する必要がある。