全ネジボルト の
意味・解説・呼称など
COMMENTARY
職人用語
寸ぎりボルト、全ネジ など
全ネジボルトとは?
全ネジボルトとは、通常のボルトと異なり頭がなく棒状のネジボルトである。
頭部を設けないことにより、長尺のネジボルトが製造できる。
主に、建築部材として用いられる。寸切りボルトとも呼ばれる。
全ネジボルトの仕組み・使い方
【使い方】
使用前にならないとネジの長さが分からない場合や、両側がナット固定でも問題ない場合、長いネジボルトが必要な場合に使用されることが多い。
また、薬剤などにより固定するアンカー用に使用したり、電気盤を抱き合わせで施工する際に使用したりするなど、用途は多彩である。
電気盤をアンカー固定する際は、大きく分けてメカニカルアンカーと薬剤などにより固定するアンカーの2通りの固定パターンがある。
内部コーン打ち込み式や心棒打ち込み式など、多くの種類がある。
一方、薬剤などにより固定するアンカーは薬剤であり、薬剤と寸切りボルトとコンクリートが強力にくっつくことによって重量物を固定できる。
【施工方法】
アンカーとして全ネジボルトを使用する場合、まずコンクリートにドリルで穴を開ける。
穴を開ける際にコンクリートの粉が発生するため、きれいに掃除する。
ブラシと掃除機を交互に使用し、粉が穴の中に残らないようにすることが大切である。
粉が穴に残っている状態で薬剤などにより固定するアンカーを使用してしまうと、固定強度が大幅に減少し、事故のリスクが高くなる。
掃除完了後の穴に薬剤などにより固定するアンカーを入れる。
薬剤などにより固定するアンカーによって開ける穴の深さが異なるため、製品の仕様を確認し、指示通りに施工しなければならない。
薬剤などにより固定した後に全ネジボルトを、ドリルで回しながら穴に挿入する。
そうすることで薬剤が容器から飛び出し、寸切りボルトが固定される。薬剤などにより固定するアンカーは、薬剤が固まって強度が出るまでに時間がかかる。
硬化時間は気温によって変わるため、夏と冬とでは大きな差が出る。
電気盤を抱き合わせで設置する場合(柱に盤を設置する場合など)は、ハンガーで柱を挟み込み、全ネジボルトで挟んでいるハンガーを支持。
支持完了後に、ハンガーに盤を固定する。
全ネジボルトの仕様・スペック
【重量】
長さや材質によりバラバラである。
【サイズ】
長さや材質によりバラバラである。
【太さ】
M3~M36まで幅広い。
【種類】
種類も材質もさまざまなタイプがある。一般的に多く使用される材質は、鉄やステンレスである。
定借は1mだが、要望により長さを変えての製造も可能。
屋内で使用する場合は鉄でもいいが、屋外で使用する場合はサビないステンレスが望ましい。
このほかにも、サビないメッキ塗装もできる。溶融亜鉛メッキ仕上げにすれば、屋内外問わず、サビを気にすることなく使用できる。
全ネジボルトの仕組み・特徴
【仕組み】
全てネジでできているボルトである。
全ネジボルトの廃棄方法
事業者として処分する場合は、鉄くずとして産業廃棄物処理をする。
