2022年12月号 高齢者が沖縄の夏を快適に過ごせるZEB。
避難所として地域防災にも貢献。社会福祉法人 美健会 特別養護老人ホーム 久辺の里様[沖縄県名護市]

  • 黒川 満様

    社会福祉法人 美健会
    特別養護老人ホーム 久辺の里
    理事
    黒川 満

  • 与那国 かおり様

    社会福祉法人 美健会
    特別養護老人ホーム 久辺の里
    理事・施設長
    与那国 かおり

沖縄県名護市の地域密着型特別養護老人ホーム「久辺の里」様は、地球温暖化対策の一環として、省エネルギー化・CO2排出量の削減を行うべく、ZEBにて施設を建築。ZEBReadyも取得され、ZEBリーディング・オーナーにも登録されました。

沖縄特有の「赤瓦」と「花ブロック」が印象的なデザイン。屋根の上には魔よけのシーサー。

補助金の活用で蓄電池も導入。脱炭素化に加えレジリエンスにも貢献。

久辺の里様は2021年6月に開所された地上3階建、約3,000㎡のRC造の特別養護老人ホームです。入所定員は特養29床、ショートステイ20床、デイサービス定員30名。5.76kWの太陽光発電、22.4kWhの蓄電システム、エマネージ、LED照明、高効率エアコン等を採用し、一次エネルギー削減率54%を達成したZEBReady施設となっています。辺野古の湾を臨む、地域で最も高台に位置していることから、市と防災協定を締結し、災害時は地域の人々を受け入れる避難所としての役割も担っています。
理事の黒川様は、施設をZEB化された理由をこう語ります。「地球温暖化対策として脱炭素化に貢献でき、光熱費も抑制できるというメリットはもちろんなのですが、その上、沖縄という地域において暑くて長い夏を快適に過ごすことができるのであれば、利用者の皆様の快適性や健康につながり、何よりの魅力であると感じたからです。
さらに、補助金を活用できたおかげで蓄電池も導入でき、災害時の避難所として地域に貢献できることもうれしいです」。

沖縄では例年、3月または4月から10月までの長期にわたり冷房を使用し、暖房の使用期間は1月~2月の間に1ヶ月程度です。いかに冷房の消費電力を抑えるかが、電気代を抑える鍵となります。黒川様は「開所から1年が経ちましたが、一次エネルギー消費量はほぼ試算どおり」とおっしゃいます。
断熱性と機密性が高いZEBは、エアコンの効きがよいのも特長のひとつです。施設長の与那国様は、「今はコロナ禍のため窓を開けていることが多いのですが、ほぼ試算通りの数値が出ているということでホッとしました。社会情勢の影響で電気料金が上がっていますので、今後、窓を開けて換気することがなくなれば、冬場の暖房使用も最小限になり、とてもありがたいですね」とお話しくださいました。また、「基地が近くにあり、ヘリコプターの騒音がひどいのですが、ペアガラスのおかげで遮音されるのもうれしいですね」とお喜びの様子でした。

ZEBプランナーとしてパナソニックが設備機器の選定等をサポート

ZEB化にあたっては、パナソニックがZEBプランナーとして参画。設備機器の選定や、補助金申請のサポートをさせていただきました。「ZEB関連の電気設備はすべてパナソニック製です。設備機器の選定や、補助金申請用資料作成などもパナソニックにサポートしてもらいました。おかげさまで無事補助金申請が採択されました」。
久辺の里様では、入所者様の居室にはルームエアコンを、共有スペースにはパッケージエアコンを採用されています。高齢者がご自身でリモコンの操作をするのは難しいため、インテリジェントコントローラーで職員の方が集中管理をされています。「1台ですべての空調をコントロールできるシステムなので安心ですね」。

職員の省エネ意識・防災意識向上にもZEBがお役立ち

沖縄は台風の多い地域です。名護市にも3年前に台風が直撃し、3日間の停電を経験されています。与那国様は「当施設は創蓄連携システムで、停電しても3日間は電力が賄えると聞いています。防災意識は時間がたつにつれて薄れていきますので、ZEBであることを常に意識しながら、省エネ意識はもちろん、防災意識を持ち続けたいです。そのため、職員全員に当施設がZEBであることを伝え、ZEBについてのレクチャーをしています」とおっしゃいます。
職員の皆様の省エネ意識や防災意識の向上などにも、ZEBが貢献することを期待されているご様子でした。

久辺の里様にて採用されているパナソニック製品

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