現場のお役立ちツール
リニューアルコンテスト2022 大賞パナソニック瀬戸工場見学提案が導いた、
お客様の意識向上と脱炭素化への取り組み
- 評価のポイント
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- カーボンニュートラル先行取り組み現場の見学提案により、お客様の脱炭素化意識の向上と自発的な取り組みを支援。
- 自社製作による移動式エネルギーモニタのご提供で、お客様主体での見える化と改善ポイントの抽出をご提案。
- 他のお客様への水平展開と、社内での横展開によるご提案プロセスの共有と活用で、今後も脱炭素化に貢献。
40年以上のおつきあいがあるお客様に電気の見える化をおすすめ。
弊社は、戦後間もない1945年に愛知県高浜市で創業し、今年で78年目を迎えます。現在の従業員数は51名です。リニューアルコンテストにはずっと応募しており、ほぼ毎年入賞してきましたが、このたび、念願の大賞を受賞することができました。
弊社には、電気工事部、装置制御部、機電部、一般住宅部の4部門があり、高浜市および愛知県の地域産業に支えられ、育んできた高いスキルでお客様の信頼をいただいています。機械設備関連のコントロール制御や、天井走行クレーンの設計・製作・施工・メンテナンスなども弊社の得意とするところであり、他社様にはあまりない部門かと思います。また、人材育成の一環として、資格の取得も奨励しています。社員の多くがクレーンや昇降機の資格まで持っていることが、弊社の特徴かと思います。
今回のリニューアル事例のテーマ「パナソニック瀬戸工場見学提案が導いた、お客様の意識向上と脱炭素化への取り組み」についてご紹介させていただきます。
お客様は、愛知県に本社のある輸送機器メーカー様で、弊社とは40年以上ものおつきあいがあります。
今回の納入は、お客様に「カーボンニュートラルのお取り組みについてはどうされていますか?」とご質問してみたことがきっかけです。ちょうどお客様も、カーボンニュートラルに取り組まねばならないと考えておられたタイミングでした。
「どのようなアプローチ方法があるだろうか。ワンランク上の取り組み方法は、どのようなものがあるだろうか」と相談され、まずはじめに、「電気の見える化」をおすすめしました。現状を把握し、省エネ計画を立て、省エネ化を実施し、効果測定をすることが、基本になるからです。
パナソニックの瀬戸工場への見学をお誘いし
カーボンニュートラルに向けた取り組みを共に体感。
ところで愛知県内には、分電盤や計測器を製造しているパナソニ ック スイッチギアシステムズ株式会社の瀬戸工場があるのですが、ちょうどその時、瀬戸工場でカーボンニュートラルへの取り組みを実施しているということをパナソニックから聞きまして、お客様の参考になるのではないかと思い、お客様をお連れして一緒に見学することにしました。
お客様の脱炭素化意識が高まったところへ
お客様ご自身で測定できる移動式のエネルギーモニタをご提案。
瀬戸工場では、カーボンニュートラルへの取り組みについて詳しく説明を受けることができ、お客様は大変興味を示され、意識も高まったご様子で、自社でもいろいろな改善ができるとお感じになられたようでした。
特に瀬戸工場が2030年CO2排出量ゼロ化を掲げ、工場全体で取り組む姿や、ゼロ化実現に向けて設備機械単位で細かく計測して見える化し、問題点を見つけ出したり、エア量を細かく制御することによって、削減量をコツコツ積み上げたりする手法に刺激を受けておられたようでした。私自身も、実物を見る大切さを学びました。
ちょうど、お客様の工場敷地内にある中間検査棟の照明の更新の話が出ていたので、更新前と後のエネルギーを実測して比較すれば、数値で効果も明確にわかり、他の場所への展開につながると考えました。
そこで私が思いついたのが移動式エネルギーモニタの製作です。移動式にすることで、計測したい場所に持っていくことができるため、場所ごとに何台も設置するよりもお客様の費用負担を抑えることができます。
また、お客様ご自身でも計測できるように、手順や方法をお教えして、覚えていただきました。ご自身で計測していただくことで、より省エネに対する意識が強まり、効果も実感できると考えたからです。
高天井照明器具をLED化。
CO2排出量約45トン削減、電気代約83%省エネに。
ちなみに、弊社には装置制御部がありますので、移動式エネルギーモニタは自社で設計しました。 結果、当初のねらい通り、お客様がご自身で測定して問題点を発見されるようになり、次の省エネ改修について相談される、継続的な活動として定着してまいりました。見える化が本当に重要なのだと感じました。 省エネ効果は、CO2排出量が約45トン削減という結果が出ております。エネルギーコストも高騰していますので、電気代においても約83%省エネとなり、大変喜ばれました。
水平展開と横展開でカーボンニュートラルが進めば、三方良しに。
成果ですが、1つめは、お客様から弊社への信頼性がさらにアップし、継続受注につながったことです。
2つめは、他のお客様への水平展開です。既に瀬戸工場へお連れしてより実感していただけるようなご見学を進めています。
3つめは、社内での横展開です。私自身の同僚や部下、後輩をまずは私が瀬戸工場に連れて行きます。そして今度は彼らが、担当しているお客様をお連れする、という流れです。ひとりでも多くのお客様の意識が向上し、省エネ化につながれば、カーボンニュートラルが進み、地球環境にも貢献、弊社の実績も上昇、三方良しになります。
皆様のお客様の中にも、大きな工場、小さな工場、いろいろあると思いますが、いずれの企業も、なかなかカーボンニュートラルやSDGsに取り組めていないのが実情かと思います。どこからどう手を付けていいのかわからない、というお客様も多いと思います。
パナソニックでは全社でグリーンインパクトという活動が行われており、CO2ゼロ工場づくりは瀬戸工場だけでなく全国にも広がっているそうです。お近くのパナソニックの工場でのそういった取り組みを、お客様の意識を高めるきっかけや、信頼関係の構築などに、活用させてもらうのもよいかもしれません。そのきっかけづくりこそ、一番身近なところでご提案ができるわれわれの役目ではないでしょうか。
高浜電工株式会社様のお取り組みについて、リニューアルフォーラムでの
発表のご様子を交えながら、動画でご紹介しています。
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