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2020年8月号 リニューアルコンテスト2019金賞飛び込み営業による新規開拓で将来を見据えた新たな柱づくり
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[広島県広島市]
三和電設株式会社
専務取締役
和田 典久 様
- 評価のポイント
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- 新たな元請工事の柱を創り出すチャレンジとして、ストック需要のLED化提案を切り口に、飛び込み営業を実施。
- ターゲットを絞り込み、パナソニックとのペア営業で、お客様から“全て”任せていただける信頼関係を構築。
- お客様視点で商社とは異なる、リース活用した老健施設へのLED照明器具化のモデル受注に成功。
ガソリンスタンド、公共事業に次ぐ 新たな柱を創出すべく新規開拓へ
弊社は1951年に祖父が創業。来年70周年を迎える社員8名の会社です。近年は元請け工事として60年以上施工実績のあるガソリンスタンドや公共工事が売り上げの約9割を占めております。
私は清水建設の設備部で約9年経験を積み、2017年8月に三和電設に入社。父である社長からやりたいことがあればまずやってみろと言われ、入社した早い段階で新たなチャレンジをさせてもらいました。それが「飛び込み営業による新規開拓」です。ガソリンスタンドと公共工事の継続受注で基盤を築けている状況だからこそ、これから先のことも考えて、新しい顧客を開拓すべきだと飛び込み営業を始めてみようと決意しました。
当時、新築では照明のLED化がかなり加速していましたが、既存の建物ではまだ蛍光灯が大半でしたので、まずLEDの提案から取り組むことにチャレンジすべきと感じました。それがLED化提案の飛び込み営業を始めるきっかけとなりました。
照明のLED化提案で飛び込み営業をスタート
飛び込み営業を始めるにあたり、最初に準備したことは、LEDの実践的な知識を高めること。無電極ランプも含めたすべての省エネ機器を視野に、どのような商品がリニューアル提案に生かせるかを研究しました。次に、訪問時の会話をより深める為に必要なスキルを身につけました。経済産業局主催の「国の方向性や補助金などのマッチングセミナー」、相手をわくわくさせる「話し方セミナー」、電気工事以外のスキルアップセミナーなど幅広くセミナーを受講。また電材卸会社の中国機材設備様に協力いただき、リースについても知識を得るようにしました。3つめは、経営者視点での知識向上です。お客様と経営者視点で話ができるよう、経営者の考え方や売上・利益、リピーターを増やす方法について準備しました。
このような準備で得た知識を持って、いざ飛び込み営業に挑戦しましたが、全くと言っていいほど話を聞いてもらえませんでした。そこで、まずは自分を知ってもらうことが重要と考え、私の経歴や会社概要、事業案内を1枚にまとめ、省エネ提案資料などとご一緒にお渡ししました。しかし残念ながら訪問後の連絡は、一切ありませんでした。厳しい現実を知り大きな壁の前で人知れず孤独感を感じていました。
パナソニックとのペア営業で商材から工事までワンストップ提案
そんな中で、前述の中国機材設備様を通じて、パナソニックのSAT隊※1である柿本さん(柿本綱紀:中四国電材営業部 電材営業開発部)と出会うことになります。飛び込み営業の厳しい状況を柿本さんにお話しすると、なんと柿本さんも飛び込み営業をされていました。色々な体験や苦労話など話が相まって、一緒に飛び込み営業をすることになりました。
柿本さんとのペア営業には、これまで私1人でやっていた時とは異なる点が2つありました。
1つめは、「パナソニック」という誰もが知っている会社との同行であること。間違いなく話を聞いてもらいやすい状況になりました。2つめは、商材と工事の両方の説明・提案を合わせてできること。商材の説明は柿本さんが、工事の説明は私が、さらに見積も一緒にスピーディに提案できるという強みが生まれました。
メーカー+工事店という組み合わせで営業として動くことは、大きな武器になりました。すぐに成果が出たわけではないのですが、確実にお客様との交渉の場が増えました。工場や病院、運送会社、学習塾など多種多様な分野のお客様を訪問しました。特に工場や病院は、既存のメンテナンス工事店と長く深いお付き合いがあるところが多く、その牙城を崩すことの難しさを肌で感じながら次のステップを考え始めました。
老健施設にターゲットを絞り込み見込みを見極め再訪問
飛び込み営業をする中で「老健施設」のスタッフは応対がよかったので調べてみると、広島県に約1,000件、広島市内でも約300件もあり、ターゲットにできないかと考えました。機器更新が求められる築15年以上の施設に絞り、ホームページなどで調べて、営業にまわれる範囲の施設の一覧表を作成。リストアップした施設は約400件。エクセル表で管理し、訪問日時や見込み度、打合せ内容を入力して柿本さんと共有しました。訪問後、見込み度を〇△×で評価し、〇印は再訪問しました。
LED照明の提案に限らずに前職で培った、電気工事以外の空調設備や衛生設備関係のお困りごとのお話をお聞きするなど、さらに踏み込んでヒアリングするように努めました。
この取り組みから受注に至ったのが、ドエル東志和様です。1回目の訪問時は軽く断られた感じで見込み度は高くなかったのですが、施設長が親切で印象が良かったこともあり2ヵ月半後、再度訪問をしました。すると、事務機器をリース提供している某商社が、管球LED化の提案見積書を出している状況であることを知りました。弊社にも見積りをさせてくださいとお願いをした結果、予算管理をしている顧問の方をご紹介いただきました。
その商社はLEDランプ交換のみの提案でしたが、私たちは器具交換で見積書を提出。現場調査を申し出て、その商社との差異を見直しました。そして、その商社では対応できない器具まですべてのLED化をご提案することで、商社は辞退することになり受注に大きく近づきました。しかし、見積金額を調整して欲しいとのご要望があり、器具選定や労務費の見直しを実施して金額を調整し、リースも活用して、549台の受注に至りました。振り返ってみますと、半年間で107件訪問し、現在もお付き合いがあるのはドエル東志和様を含めて3件。成功率は3%ですが、弊社70年の歴史の中で新たな顧客を獲得できたことは大きな財産です。
会社の将来を考え、新たな挑戦をして行こうという気持ちがあるので飛び込み営業に取り組めました。良きパートナーとの出会い、良きタイミングでの訪問、そして大学時代にプロボクシングをしていた経験もあり、常に前向きに考えられたことが継続できたポイントです。弊社は、現在強電工事がメインですが、これからは進化が著しい弱電工事の分野を広げる為の新たなチャレンジを考えています。人柄・会社の取組み・経営内容など、一目置かれる人間、そして会社にしていきたいです。
お施主様の声
ドエル東志和 顧問
須藤 忠顕 様
三和電設さんとパナソニックさんのジョイントによる提案は信頼性が高く、対応も早いのが良かったです。また細部まで気が利き、小回りが利くのも良かったので、他の施設の改修もお願いしたいと思っています。
- LED照明を中心としたパナソニックの商材、最適なソリューションをお客様にご提案させていただく開発部隊。
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