R型防災システム FR10AP / FR50AP
信頼性
システム停止を防いで火災警戒の信頼性アップ。高性能の感知器で火災の早期発見と非火災報の低減を図ります。
煙感知器による火災検出の信頼性を大幅に高めました。
パナソニックの煙感知器シリーズ「煙サイバーセンサ」は、3つの先進機能が連動。さまざまな設置環境の中で、火災の早期発見と非火災報の低減を図ります。
早期発見
煙・熱複合判断で煙感知の発報レベルをコントロール
(熱検知機能付のみ)。
熱検知(温度変化)によって煙感知の発報レベルをコントロールする新方式。
温度上昇がある場合は煙濃度を敏感にし、火災の早期発見を図ります。
従来の煙感知器では感知しにくい「黒い煙」や「煙が少ない火災」でも、この機能によりいち早く発見できます。
早期発見
非火災報低減
学習機能を搭載し自動的に最適化。
感知器が設置環境を1カ月間学習します。煙や温度変化に合わせて、煙感度と蓄積時間を自動的に最適化。
早期発見
非火災報低減
火災か非火災かを判断し、蓄積時間をコントロール(AI判断)。
煙濃度の変化を分析して、発報原因が「火災」かタバコ・水蒸気などの「非火災」かを判断し蓄積時間をコントロール。「火災」の場合は蓄積時間を短縮していち早く警報。「非火災」の場合は蓄積時間を長めに設定して推移を監視。
9パルスカウント方式により非火災報を低減。
約1秒に一度のタイミングで行われる検知に、連続9回以上感知しない限り発報しません(従来は連続3回以上感知で発報)。ホコリや水蒸気など、単発的な外部要因による非火災報がより一層少なくなりました。
感知性能向上のために検知部形状を最適化。
煙のスムーズな流入性を確保しながら、投光部からの光が検知部の内壁に反射して起こる「迷光」を最小化。ガソリン燃焼時などに発生する黒煙に対する感知性能を約20%向上しました(当社従来品比)。
安全性
自動試験機能を搭載。システムの安全性を高めます。
システムの安全性、信頼性を向上。
故障発生を常時監視しているため、機器のトラブルが早期発見できます。
また、人手より精度の高い点検ができ、システム維持管理レベルが向上します。
メンテナンスコストを低減
定期試験項目の数々の点検項目が免除されるため、維持管理コストの低減が図れます。
試験・点検作業を大幅に省力化
自動またはワンタッチで、立ち入りが困難な手術室などの点検も極めて簡単に行えます。
機能点検の一部は、異常がないことをプリンタで確認するだけ。施工完了時の検査も省力化できます。
免除される点検・試験項目(記録確認で代替)
機器点検(6ヵ月ごと)
予備電源 非常電源 |
全項目 |
---|---|
受信機 中継器 |
スイッチ類・ヒューズ類・継電器・ |
感知器 | 加熱試験・加煙試験 |
総合点検(1年ごと)
煙感知器の感度試験、総合動作試験 |
施工完了時の検査
配線 | 共通線試験・送り配線試験 |
---|---|
受信機 | 火災表示・回路導通・同時作動・ |
中継器 | 回路導通・予備電源 |
感知器 | 作動試験 |
プリンタの印字内容
異常時 | 正常時 | |
---|---|---|
常時試験 |
異常発生日時、 |
印字しない |
感知器配線のトラブル時にも、
システム全体のダウンを最小限に抑えます。
感知器配線が短絡すると、システム全体がダウンしてしまいます。FRアイソレータを設置することで、2次側の感知器配線が短絡しても、2次側を切り離してシステム全体のダウンを防ぎます。短絡した場合は、FRアイソレータごとに自動検出します。
断線した場合は、断線発生箇所以降の感知器が伝送不良となります。
- FRアイソレータを接続しなくてもシステムは機能しますが、
各フロアごとの設置をおすすめします。
メンテナンス性
メンテナンス性を高める数々の機能を煙感知器に搭載し、
システムの適切な維持・管理が容易に行えるようになりました。
感度補償機能により火災判断レベルを補正。
光学系の汚れや電子部品の経年劣化に対して、自動的に火災判断レベルの補正(※)を行い、感度を一定に保ちます。
- 汚れに対して、約9%の補正を行います。
汚れ警報により感知器の点検・交換を要求。
検知IC内の増幅回路で火災信号が増幅できないくらいまで汚れが限界に達すると、受信機に汚れ警報を発信します。
点検モード切替により加煙試験時間を短縮。
点検時に受信機で「試験復旧」操作をすれば、感知器発報までに要するパルス信号を9パルス(約8秒)から3パルス(約2秒)に切り替え。加煙試験時間を大幅に短縮します。
- 感知器内部に、光を反射するようなホコリ(糸ホコリなど)が付着した場合は、感知器の感度が敏感になるため、検知レベルを上げて対応します。
一方、光を吸収するようなホコリ(ススなど)が付着した場合は、感度が鈍感になるため、検知レベルを下げて対応します。
警報履歴を基に、感知器の感度や設置場所を見直すことができます。(FRセンター表示装置接続時のみ)
火災やガス漏れなどの発報信号を、FRセンター表示装置で過去5,000報分を記録すると同時に、FRアナログ感知器の注意報・ 火災発報時のトレンドグラフも記録します。これにより感知器の感度が適正か、感知器が適正な場所に設置されているか、あるいは感知器の交換時期などの判断が的確に行えます。
設計・施工性
フレキシブルな設計とスピーディな施工を支援します。
当社独自の多重伝送の採用により、幹線から感知器配線まですべて2線式。配線設計がシンプルな上、施工も大幅に省力化できます。また、将来の間仕切り変更や増改築にも柔軟に対応できます。
さまざまな感知器が接続できる混在型
FR感知器なら、煙感知器も熱感知器も混在して接続できます。このため、用途の異なる部屋をひとつの伝送線で結んだ上、それぞれ最適な感知器によって警戒することができます。また、アドレスアダプタを使用すれば一般感知器(P型用)も接続できます。
1系統当たりの感知器接続数がアップ
感知器は1系統当たり254アドレスまで接続でき(従来の【FR10】【FR50】受信機は127アドレスまで)、1フロアの面積が広い建物でも柔軟な設計が可能です。
多棟管理に対応(オプション対応)
1台の受信機で複数棟の管理が可能。万一、複数棟から同時に火災警報が入っても、地区音響の拡大警報や各種連動・移報が「棟」単位で行え、所轄消防の指導にも柔軟に対応することができます。
導通チェックがスピーディ
感知器取り付け時に確認灯を瞬間的(0.05秒)に点灯させ、受信機から感知器ベースまでの通電を知らせます。
リニューアル対応がスムーズ
当社IFSESシステムからのリニューアル時でも、リニューアル用中継器を利用することで既設設備を活用しながら効率的、段階的なリニューアルが可能です。
- 注)リニューアル推進の際には、既設設備の詳細仕様を確認する必要があります。当社営業所までお問い合わせください。
システム容量
【FR10AP】/【FR10】 |
【FR50AP】/【FR50】 |
|||||
(382アドレス) |
(636アドレス) |
(1018アドレス) |
(1272アドレス) |
(1908アドレス) |
(2544アドレス) |
|
感知器 接続数 |
254アドレスまで |
508アドレスまで |
762アドレスまで |
1016アドレスまで |
1524アドレスまで |
2032アドレスまで |
中継器 接続数 |
256回線まで |
512回線まで |
768回線まで |
1024回線まで |
||
感知器 伝送線 系統数 |
1 |
2 |
3 |
4 |
6 |
8 |
中継器 伝送線 系統数 |
1 |
2 |
3 |
4 |
中継器接続数
【FR10AP】/【FR10】 |
【FR50AP】/【FR50】 |
|||||
(382アドレス) |
(636アドレス) |
(1018アドレス) |
(1272アドレス) |
(1908アドレス) |
(2544アドレス) |
|
防排煙 (監視) 中継器 |
256回線まで |
512回線まで |
768回線まで |
1024回線まで |
||
移信 中継器 |
256回線まで |
512回線まで |
768回線まで |
1024回線まで |
||
地区音響 中継器 |
80回線まで |
160回線まで |
||||
防排煙 (監視) 中継器 |
160回線まで |
320回線まで |
480回線まで |
640回線まで |
端末接続数・一般感知器接続数
【FR】端末接続数 (1系統当たり) | A:アドレス付感知器:254個/1系統 ・左記が混在する時は次の5つの式を満足すること B:光電分離型感知器: 30個/1系統A+B+C+D+E≦254個/感知器伝送線 C:アドレス付発信機:254個/1系統A+5B+C+3D+5E ≦300個/感知器伝送線 D:アドレスアダプタ:100個/1系統B≦30個/感知器伝送線 E:アイソレータ: 25個/1系統D≦100個/感知器伝送線 E≦25個/感知器伝送線 |
---|---|
一般感知器接続数 (1系統当たり トータル接続数) | A 熱サイバーセンサ:2,000個まで B 煙感知器:500個まで C 光電式分離型感知器:20セットまで D 炎感知器:500個まで いずれも当社製感知器で同一系統内に同一種別の感知器のみの場合の接続数です。 同一系統内での複数種別混在については以下の数式を適用してください。 |
地区音響接続数
|
【FR10】 |
|
【FR50】 |
【FR50】 |
|
【FR50】 |
|
防排煙 (監視) 中継器 |
DC27V 800mA |
DC27V 800mA × 2 |
拡張性
FRセンター表示装置
センター表示装置の視認性・操作性・運用性を向上しました。システム拡張が容易で、防災管理機能が一段と強化できます。
FRセンター表示装置
モニタは標準タイプとフルハイビジョンタイプ(オプション)をラインアップ。
警報ピクト表示
警報発生時には遠くからでも目立つ警報ピクト表示でフリッカーしてお知らせします。また、音声警報に合わせて発報ガイダンス表示も行います。
感知器予約登録機能と連動
受信機の感知器予約登録機能と連動した表示が行えます。
- 予約登録した感知器の機能制限について
- 感知器のシンボルは表示できません※1
- 感知器の種別は表示できません
- アナログ感知器のトレンドグラフは表示できません
消防活動をサポート
消防支援機能の標準装備で、消防隊員の方々の消防活動をサポートします。
豊富な画面操作機能
拡大/縮小表示(5段階)、画面サイズ変更(大、中、小)、画面分割表示(2画面、4画面)、マルチウィンドウ操作などの豊富な画面操作機能により、システムの快適な運用をサポートします。
履歴の保存
過去に発生した履歴(操作情報を含む)を逐次保存※2し、各種検索条件で自在に検索可能です。
- AP端末機器は表示しません。
(警戒区域を表示)
- ※1)警戒区域の表示を行います。
- ※2)1カ月あたり10万件まで保存可能。外付けハードディスク(オプション)を接続することにより、自動的に履歴データのバックアップも可能です。
FRセンター表示装置 標準タイプ
サイズ | 17型 |
19型 |
---|---|---|
表示文字 | 漢字・平仮名・カタカナ・英数字 |
|
接続機器 (オプション) |
|
FRセンター表示装置 フルハイビジョンタイプ※3
サイズ | 23型 |
27型 |
---|---|---|
表示文字 | 漢字・平仮名・カタカナ・英数字 |
|
接続機器 (オプション) |
|
- ※3)フルハイビジョンタイプの時は、自立盤収納はできません。
FR副表示機
副表示機の接続で、建物の要所要所で火災情報を確認できます。
タッチパネルで簡単操作
鮮明な画面(7.5型TFTカラー液晶)と、見やすく大きな文字(24ドットのPUDフォント※4)で、火災発報や機器の作動状況などをわかりやすくメッセージを表示します。最新警報も「最新報」ボタンをワンタッチするだけで表示し、緊急時のスピーディな対応をサポートします。
最大15台まで個別呼び出しが可能
受信機の操作で、FR副表示機のトラブル確認や個別呼び出し※5が可能です。
感知器予約登録機能と連動
予備電源を内蔵し、停電時でも表示・記憶機能を維持します。壁面への埋込み、自立盤などへの組み込みも可能です。
- AP端末機器は表示しません。
(警戒区域を表示)
- ※4)PUDフォントは、パナソニックグループが株式会社イワタ様と共同開発した、読みやすさに配慮したユニバーサルデザイン仕様の書体です。
- ※5)受信機からの個別呼び出しは最大15台まで可能です。
FR副表示機 仕様
常用電源 | AC100V 50/60Hz 25VA |
---|---|
予備電源 | DC24V 450mAh ニッケルカドミウム蓄電池 |
同時発報信号記憶点数 | 最大396点(経過画面記憶点数最大8点) |
接続台数 | 最大31台※6 |
配線距離 | 総配線長2km 最遠長500m |
主音響装置 | 再鳴動方式(音響完全停止可能) |
シリアルインターフェース | RS-485 |
伝送速度 | 9600bps |
移信接点(増設ブザー用) | 無電圧a接点 1点 |
使用周囲温度 | 0℃~+40℃ |
使用周囲湿度 | 10~85%RH(ただし結露しないこと) |
寸法 | タテ400mm×ヨコ300mm×奥行126mm※7 |
質量 | 8.2kg |
FR副表示機 表示部仕様
有効表示画面寸法 | タテ115mm×ヨコ153mm |
---|---|
表示画面 | 7.5型TFTカラーLCD(タッチパネル付)、表示色 16色 |
最大文字数 | 26字×20行 |
表示文字数 | 漢字・平仮名・カタカナ・英数字 |
- 注1)警戒区域画面は表示できません。
- 注2)FR10AP、FR50AP受信機との接続には、伝送線(ツイストペアシールド付1ペア線Φ0.9以上)とは別に、電話線(HP1.2×2C)が必要です。
- ※6)FR副表示機が32台以上接続される場合は、当社営業所までお問い合わせください。
- ※7)壁面への埋め込み、自立盤などへの組み込みも可能です。当社営業所までお問い合わせください。