はじめてのLED照明提案【明るさシミュレーション編】
1.部屋の用途を確認しておく
部屋の用途によって、必要な明るさ(照度)が異なります。例えば、執務室なら照度750lx、会議室なら500lx、食堂なら300lx。詳しくは以下の表よりご確認ください。
■用途別の推奨照度
建物分類 | 用途 (部屋分類) | 推奨照度 |
---|---|---|
オフィス | 執務室・設計室 | 750lx (作業面) |
ロビー・ホール | 750lx (床面) | |
会議室・応接室 | 500lx (作業面) | |
パウダールーム (化粧室) | 300lx (作業面) | |
エレベーターホール・食堂 | 300lx (床面) | |
トイレ・更衣室 | 200lx (床面) | |
廊下 | 100lx (床面) | |
エントランス | 100lx (床面) | |
工場・倉庫 | 製造ライン | 500lx (作業面) |
トラックヤード | 150lx (床面) | |
倉庫 | 100lx (床面) | |
店舗 | 生鮮食品・グロサリー店 | 1000lx (作業面) |
平台周辺 (食品売場) | 1000lx (作業面) | |
紳士服・日用品・書店 | 700lx (作業面) | |
婦人服・子供服・宝飾店 | 500lx (作業面) | |
冷蔵倉庫 | 100lx (床面) | |
バックヤード | 100lx (床面) | |
マンション | 集会室 | 300lx (作業面) |
共用廊下 | 20lx (床面) | |
地下駐車場 | 10lx (床面) |
2.現場で部屋の情報を集める
このステップの主な方法・ツール
次に、部屋の間口・奥行・天井面高さ・作業面高さを確認します。提案先の部屋の図面がお手元にあれば、測定する必要はありません。作業面高さは、執務室などの机の高さです。一般的には約0.7mです。
次に、既設器具の設置台数と配置を確認します。
以上の情報と【コスト比較編】で調べた従来器具条件を用いて、明るさシミュレーションが可能です。
現調ツールのご紹介
3.明るさシミュレーションを実施する
このステップの主な方法・ツール
LEDに置き換えた場合の部屋の明るさ(平均照度)は、次の式で求めることができます。
E=平均照度または所要照度(lx)
照度基準(JIS Z 9110-2010照明基準総則)参照
A=床面積(㎡)=間口(m)×奥行(m)
F=光源光束(lm)
N=光源個数…2灯用器具の場合は、器具台数×2が光源個数
U=照明率
M=保守率…各照明器具の保守率(JIEG-001(2005))
照明設計の保守率と保守計画 第3版参照1)
LEDマイページなら
照明率や保守率などの照度計算に必要な詳細条件がデフォルトで選択されているので、従来器具情報と部屋情報などの基本条件だけで明るさシミュレーションが実施できます。
照明率とは
光束の何%が作業面に達するかを示す割合が照明率です。
照明率は「天井・壁・床の反射率」と「室指数」を用いて求められます。
※室指数Kr=X×Y/(X+Y)×H
X:室の間口
Y:室の奥行
H:作業面より光源までの高さ
反射率は、天井・壁・床面それぞれの材質によって判断できます。
保守率とは
点灯時間に応じて、光束低下、照明器具や内装の汚れなどにより、室内の照度は下がります。そのため、初期状態の明るさに対する、器具清掃前かつ寿命末期の状態での明るさを示したのが保守率です。
保守率の値は、各器具の配光データと実際の設置場所の周囲環境から読み取ることができます。