JR西日本宝塚駅/兵庫県宝塚市
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建物種別:
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交通施設
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竣工:
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2010年2月
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地域:
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関西
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所在地:
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兵庫県
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施主:
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西日本旅客鉄道
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設計:
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ジェイアール西日本コンサルタンツ
Cross Talk/対談:ジェイアール西日本コンサルタンツ小川氏×西日本旅客鉄道株式会社石田氏×EC竹村博行
小川 敏明様
ジェイアール西日本
コンサルタンツ株式会社
建築設計部
鉄道設計G 主任
石田 正紀様
西日本旅客鉄道株式会社
大阪電気工事事務所
設計課(電灯電力)
駅橋上化の基本的な考え方
バリアフリー化をはじめ、より便利で快適な駅づくり
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小川様
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JR宝塚駅は1日の乗降数は約62,000人、JR西日本では23番目の規模を持つ、アーバンネットワークの主要駅です。大阪方面への通勤駅プラス全国的な観光地の玄関口としての役割を果たしています。駅中商業施設との複合施設でもあるため、導線をシンプルに、感覚的に位置関係が把握できるよう、サイン計画に頼らない導線計画を目指しました。
橋上化は駅前再開発と連動したバリアフリー化、一層の利便性の向上などが目的でした。先行していた自由通路の利用が7割以上あるので、これを主導線として建築及び照明計画を作っていきました。
自由通路と商業施設との関連で、中廊下型の閉じた空間になりがちなので、高天井で吹抜けのような明るいイメージを構想しました。
照明計画のポイント
高天井の空間を活かす模索からFeuを検討し導入
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小川様
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設計途中段階から照明計画を立てていき、ダウンライトによる当初案を作成したのですが、高天井だとメンテナンス面で課題が残りました。JRは駅の数も多く、営業時間も長いので維持管理のしやすさは重要な要素です。ランプ交換もお客様のじゃまになる導線上に足場を組むのは避けたい。オートリフターだと取り付けに水平面がいるので、すっきりした天井面で軸線を顕在化させるという建築方針とマッチしません。
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石田様
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駅照明の指標としては床面照度の確保しか基準がないのが現実です。駅の規模、乗降数などによって照度を決めています。宝塚駅は200〜500lxが基準範囲。床面の最小基準200lxをクリアするのは当然の前提として、いかに明るさ感を上げていくことができるのか、パナソニック株式会社と相談し、そこでFeuの考え方を取り入れることにしたのです。
折り上げ天井の側面上部から三角屋根に光を当て、間接光で床を照らす。周りの明るさ感を高めることで、安全面でも有効だと考えました。
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小川様
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JRのFeu値基準はないので、仮想で床281lxとしてシミュレーションすると、当初ダウンライト案ではFeu値7.73でした。これを間接照明に変えた場合と比較すると、結果Feu値10.2、照度も301lxの明るさを確保できることが分かりました。
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竹村
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シミュレーションの段階でかなり検討を重ねました。壁面にスリット状の光窓をつける案や、光源、器具も多種検討し、出来る限りの範囲の中で可能性を一緒に追求した結果、その中で総合的な判断をされました。
快適な駅のための照明計画
環境への配慮を進め、今の時代にふさわしい駅へ
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石田様
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天井を照らす照明器具は省エネ性能の面から高出力のWエコを採用。影になる壁際を補完するダウンライトはLEDとし、宝塚にふさわしいグレード感を出すとともに、時代性の観点から環境への配慮を重視しました。
竹村:蛍光灯は光が均一で明暗のむらがなく、ラインで照らすので、スポット的でない明るさ感が得られます。最終仕上げの床材壁材サンプルでシミュレーションした結果も踏まえ、Wエコは長寿命で維持管理の点でもメリットがあり、省エネ効果もあってご採用に至りました。
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小川様
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社内でも注目度が高い駅なので、工事中から視察があって高評価をもらっています。
JR宝塚駅は構造上自然光が入りにくいのですが、Feuの考え方をプラットホームにも広げ、ホームの床面を白くして反射率を上げることにより明るさ感の向上を目指しています。実測では従来のアスファルト床面ではFeu値は7.8ですが、床を白くすると照度はほぼ同じでFeu値は約2倍の14.1となっています。今後さらに明るい駅を目指す方策として、実際の効果を経過を見ながら検証を続けています。
ディテール紹介
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コンコース・自由通路
最大高さ約7mの三角屋根を、折り上げ天井上部から高出力のWエコ蛍光ランプで照らし上げることで空間の明るさ感を得ている。通路端下部はLEDダウンライトで照度を補完する。
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コンコース・自由通路
最大高さ約7mの三角屋根を、折り上げ天井上部から高出力のWエコ蛍光ランプで照らし上げることで空間の明るさ感を得ている。通路端下部はLEDダウンライトで照度を補完する。
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シンボル・シャンデリア
自由通路、コンコース、店舗の軸線の交わる部分に、シンボルとなるシャンデリアを設置。ロータリー交差点のような内観の印象付けを図っている。宝塚らしさを表すデザインで特注。電球色蛍光灯で暖かみを出し、たまりとなる場をイメージさせている。
Lighting Data
ダウンライトで床面を照らす当初案と、間接照明で天井を照らすFeuの考え方を取り入れた照明案を比較検討するため、シミュレーションを行った。これによりFeu設計案では明るさ感が増加し床面照度基準もクリアできることが実証された。
さらに比較的安価な器具を使用するためイニシャルコストが削減できる、ランプ交換などメンテナンス性の向上が図れることなどが確認された。
標準設計案とFeu設計案の比較
Feu設計案バリエーション
施工後のFeu実測
開業後、Feu値の測定を行った。Feu値平均16.49、床面照度平均250lxの結果が得られた。
納入商品