人とまちをつなぐ博多港のシンボルタワーを、色鮮やかにライトアップ。

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博多ポートタワー

塔体

光に強弱をつけることで、奥行き感やグラデーションを表現

アジアとの国際交易都市として栄えた歴史を持つ博多の海の玄関口として、現代へ受け継がれてきた歴史を継承しつつ、新たな光と色でライトアップを行い、存在感を鮮明にすることをデザインコンセプトとした。外部フレームと内部シャフトの奥行き感や、垂直方向のグラデーションを創出するために光で強弱をつけて「光と影」、光の色の変化による「静と動」を表現した。これによりポートタワーの夜景に豊かな表情が生まれ、新たなシンボルとしての姿を確立した。

春夏はブルー、秋冬はオレンジを基本パターンとし、自動プログラムにより無人化を図りながら年間を通してイベントごとに多彩な演出を実現。(左からクリスマス:グリーン、バレンタイン:ピンク、どんたく:パープル、博多祇園山笠:ホワイト)

CGシミュレーションにより輝度を確認

  • CG輝度シミュレーション画像

  • 実際のライトアップ

立体感を強調させるために、外側フレームと内部シャフトを分けて照射。輝度シミュレーションを用いた繊細な明るさの検討を行った。
また、安全で演出効果も高い位置に器具を設置することに配慮した。

安全性に配慮し、地上に設置する機器は塔体とは別のポール上に設置。容易に触れられないように配慮した。
また、ポールに取り付けることで器具を塔体に近づけ、演出効果を高めている。

周辺環境に配慮した光環境を創出

光害が生じないようにタワー外への無駄な光を広げない配光計画とし、周辺に配慮した光環境を創出。計画と実際の差異が起きないようにCGシミュレーションや実機による現場実験で確認を行った。

  • グレアを考慮した効果的な照射角度

専用レンズの採用でタワーを象徴する「赤」の色を忠実に再現

  • 一般的に、赤色LEDと緑・青色LEDを同じレンズで制御する場合、LED素子の高さが違うため赤色に滲みが生じる。特徴的な赤い外部フレームをより美しく見せるため、各色に合わせた専用レンズを採用することで、照射面の色味を美しく演出した。

採用照明器具

展望フロア・鉄骨上部

光が回転して「お迎え」「お見送り」。来航者の記憶に残る光の「おもてなし」を演出。

展望フロアの光の動きにより博多港に寄港するクルーズ船の離着岸シーンを演出。展望台のライン照明が灯台のようにゆっくりと回転して「お迎え」と「お見送り」を表現し、来航者の記憶に残る「おもてなし」を演出している。

着岸時は右回り、着岸時は左回りゆっくりと回転

採用照明器具

物件情報

所在地 福岡県福岡市
施主 福岡市
設計 株式会社久米設計九州支社
照明デザイン 株式会社松下美紀照明設計事務所
電気工事 野上電気株式会社
竣工 2020年11月

古くはアジアとの国際交易都市として栄えた歴史を持つ博多。海の玄関口の顔として存在感を放つ博多ポートタワーは、東京タワーや二代目通天閣と同じ設計者である内藤多仲により設計され、 1964年の竣工以降、市民に長く親しまれてきた。
リニューアルに際し、新たな色と光によるライトアップを計画。タワー内部のエレベーターシャフトを下から染め上げるように照射した。春夏は爽やかなブルー、秋冬は温かみのあるオレンジ、博多どんたく港まつりやクリスマスなどのイベントでも色の変化をつけている。

採用照明器具

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