風になびく帆の光が、横浜の街に新しい賑わいをもたらす

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横浜BUNTAI

横浜開港100年祭の記念事業として1962年5月に誕生し、58年にわたって「文体」の愛称で市民に親しまれてきた横浜文化体育館。2024年4月に「横浜BUNTAI」として生まれ変わった。約5千人が観戦できるメインアリーナには、21種類の競技に対応した、国際大会の設計基準を満たすLED高天井用照明器具(Ra83)を採用。また、スポーツだけでなくコンサートやイベントにも利用できるよう、舞台演出照明に対応した設備を整備するなど、多目的利用にも対応している。

ファサード・外構

ファサード:港町横浜を象徴する船の帆のような外観を、たなびく光の波でライトアップ

建物外観は横浜の浜風を受けて進む船の帆をコンセプトとして、曲線を取り入れたデザインに。風にゆらぐ帆をイメージした二層の外装はアルミ板に80mmの穴を開けることでモアレ効果を生み出し、視点が動くことで表情を変える。夜景の演出性と合わせ新たな街の景観を創出した。

季節やイベントごとに色を変える演出を、遠隔制御により短時間での現場調整が可能に

外装板の裏側にライトアップ演出用照明器具「アーキライン」を組み込み、四季やイベントによりカラー演出を実施。リアルタイム照明シミュレーション「ライトニングフロー」を用いて照明演出を作成し、ライトアップ演出用「コントローラーAREAS」を手元のPCから遠隔制御することで、演出を確認しながら短時間で現場調整が可能に。これにより、屋外における調整作業の負担軽減が期待できるようになった。

ライトニングフローによる演出イメージと照度検証

場所により照明設置位置から天井までの高さが変わるため、各位置からの照度を検証。検証結果に基づき、ライトニングフローを用いて演出イメージを設計した。高さのある外装に対して光の伸び方を調整し、ライトアップ演出用照明器具「アーキライン」のもつ色ムラのない美しい混色で外装を彩った。

ライトニングフローを用いたカラー演出ワークフローによる現場調整

ライトニングフローを用いて演出設計をまとめ、現場でLIVE再生をしながら建物への演出効果を確認し、光色やタイミングの最終調整を行う。修正調整が後日(数日~数週間)になることが常であった現場調整が当日数十分で完了。変更前後の比較もしやすくなった。

外構:光害に配慮しながら明るさを確保し、滞留空間を創出する夜のあかり

ベンチを併設した樹木には、エクステリアスポットライトを採用。樹木をライトアップするとともに、ベンチのパンチングメタルから光と影が美しく足元を照らし、滞留を促す空間を創出。

駐輪場にはSmartArchiのブロードウォッシャーローポールライトを採用。導光板を用いた超ワイド配光により、少ない設置台数でも適切な明るさを確保。地面のみを照らす下方配光で光害にも配慮している。

採用照明器具

コート

「競技」にも「演出」にもフレキシブルに対応する調光ネットワークを構築

競技用と舞台用のどちらにも使用できる照明設備を備えたメインアリーナ。プロバスケットボールチームの横浜ビー・コルセアーズが横浜BUNTAIを拠点としているため、Bリーグ仕様の基準を満たす照度を確保しているのはもちろん、14パターンの競技用照明シーン設定を用意。使用が想定される競技に必要な照度を確保している。また舞台としての使用も想定し、0~100%の調光が可能となっている。

調光卓から切り替え操作もできるアリーナ天井照明の動作システム

システム系統図

メインアリーナ天井照明のシステムは、DMX信号を通して2階放送室の調光卓からの調整が可能。動作システムにより、1階事務室だけでなく2階放送室からも「競技」「演出」の切り替えが可能となり、照明切り替え調整時の作業を短縮した。

採用照明器具

館内

メリハリをつけることで、明るさを確保しながらイベントに没入できる空間を作る

館内の照明は通路の照度を確保しつつ、競技観戦や公演などに集中できるようなメリハリを付けている。天井は帆をイメージした外装からデザインを引き継ぎ、アルミ板の間に小型シーリングライトを設置。業界最小クラスのコンパクトサイズで空間意匠性に配慮しながらグレアカット30°でまぶしさを抑え、快適な空間を演出している。

VIPルーム

天井にはシームレス建築部材用照明を用いたコーブ照明を採用。上質感を演出するとともに、観戦時に競技が見えにくくならないよう、輝度を抑えたやわらかな光で空間を包み込み、ガラスへの映り込みを抑えている。

ラウンジ

黒い天井になじむ、黒枠のTOLSOダウンライトを採用。グレアカットタイプでまぶしさを抑え、落ち着いた空間を演出。

採用照明器具

物件情報

所在地 神奈川県横浜市中区不老町
事業主 横浜市
管理運営 株式会社YOKOHAMA文体
設計 梓設計・アーキボックス・大成建設設計共同企業体
ランドスケープ・ファサードモアレグラフィックデザイン監修 株式会社スタジオ ゲンクマガイ
外装照明デザイン監修 LIGHTDESIGN INC.
施工 大成建設・渡辺組建設共同企業体
電気工事 株式会社関電工
開館 2024年4月

採用照明器具

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