様々な色を彩りながら場所の記憶とメッセージを伝える光
ホワイエ
342本のモニュメントを光で浮かびあがらせ、ガラスのカーテンウォール越しに街へと発信
音楽ホールのホワイエは、ガラスのカーテンウォールになっており屋外からもよく見える空間。このホワイエに建築設計者が自らデザインしたアルミ製の342本のモニュメントを吊り下げ、光で浮かびあがらせることで街へと発信。フルカラーLEDによる様々な光色で緩やかな変化をつくり、ホールで奏でられている音楽が、あたかも視覚となってみえているような美しい演出を実現した。
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58台のカラー投光器を天井スリットに設置し、最適な角度でライティング
長さ9.5m〜3mのモニュメント
様々な長さのアルミ押出材342本で構成断面形状は様々な角度から光を受けて光り輝くように計画。表面仕上げもマット状になっており、光を受けて拡散するように配慮。
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建築で天井を掘り込んで投光器を設置
■リアルCGによる検証
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リアルCG
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竣工写真
照明状態を事前にリアルCGによりシミュレーションを行い検討。
■グレアへの配慮
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投光器(ダイナワン加工品+特注ルーバー)は黒色のスリット内に黒色の特注ルーバーを設置し、通常の目線では光源が目に入らないように配慮。
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ホワイエではグレアレスダウンライトを用いて眩しさを抑え、照度を確保しつつ、モニュメントのライトアップの邪魔にならないように配慮している。
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■現場でのモックアップ実験
事前にモックアップの実験を行い、見え方等について確認。
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■細やかなシューティング設計
シミュレーションソフトを用いて、最適な器具シューティング方向を検討。また、器具58台にそれぞれ器具番号を決めて1台づつ角度を施工者に連絡し、最適なライティングを実現。
■照度の確保
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吹抜エリア上部の天井には、カラー演出用照明器具のみが設置されているが、周囲からの光の回りこみや、モニュメント先端部に設置している超小型DLの光が合わさって、十分な照度を確保している。
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※図をクリックいただくと別ウィンドウで拡大表示されます。
■演出プログラム
季節やイベントに応じた様々な動きのある演出がプログラムされており、自由に再生できるようになっている。
採用照明器具
エントランス・エレベーターホール
光でお客様をお出迎え
天井の間接照明や壁面の光壁(スリット状)で明るさ感のある空間を創り出している。SmartArchiのグレアレスダウンライトを用いて器具自体の存在感を抑制。見せる光と見せない光の使い分けにより、高品位な空間を演出。
採用照明器具
物件情報
所在地 | 横浜市西区 |
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施主 | 横浜市 |
設計 | 株式会社日建設計 |
施工 | 鹿島・NB・石井建設共同企業体 |
竣工 | 2022年10月 |
受賞歴 | 2023 IES Illumination Awards - Award of Merit |
オープンから20年以上経過した、横浜を代表する本格的クラシックコンサートホール「横浜みなとみらいホール」を、バリアフリー対応と長寿命化を目的として大規模改修。街へ発信する光として、天井高さ15メートルのホワイエ空間に新たに設置したモニュメントをライトアップ。フルカラーLEDによる様々な光色で緩やかな変化をつくり、ホールで奏でられている音楽が、あたかも視覚となってみえているような美しい演出を実現した。