充電時間を最適・柔軟にコントロール
脱炭素を見据えたEV 導入で顕在化した課題。
2 つのシステム連携での対応を検討
長野県では、2050年ゼロカーボン社会の実現に向けて、公用車のEV化を重要施策の1つに掲げ、段階的に導入。環境配慮型の車両運用が庁内に広がる一方で、運用面における新たな課題が顕在化してきました。具体的には、夕方など決まった時間に充電が集中することで電力使用量のピークが発生し、電気料金が上昇する問題。そしてガソリン車とEVが混在するなかで車両予約や配車管理が複雑化するという課題も浮上しました。
こうした状況を受け、長野県では、パナソニックのEV充電インフラソリューション「Charge-ment:チャージメント」と、丸紅株式会社が提供する車両管理システム「おまかせEV」の両システムを連携させることで最適な運用改善が図れると考えられました。
「Charge-ment:チャージメント」 でEVの充電タイミングを最適化するとともに、 「おまかせEV」でクラウド上で車両の予約管理を一元化することで、管理業務の効率化と電力使用量の平準化を図りました。これにより、環境負荷低減だけでなく、コストや業務効率の面でも多面的な効果を生むことが期待されています。
コスト削減はもちろん管理業務のデジタル化を評価
「Charge-ment:チャージメント」と「おまかせEV」の連携と効果検証を行うため、松本合同庁舎において、2023年7月から8月にかけて、EVを配置または配置予定の15部署469人が参加され、EV21台とガソリン車48台の計69台の公用車を対象に実証実験が行われました。
その結果、「Charge-ment:チャージメント」による消費電力のピークカットの効果が確認でき、EV1台あたり年間で最大58,440円の電気料金削減が試算されるなど、大きな効果が見込まれました。
また、 「おまかせEV」による集中管理と配車制御でさらなる費用削減と車両管理の効率化が可能となりました。長野県企画振興部 DX推進課の相田様は、管理業務がデジタル化されることで運用状況が「見える化」される効果を評価されています。また、デジタル化で明らかになる実際のデータは、今後の一元管理への移行や運用業務改革に向けた重要なデータになるとお考えです。充電サポートなどの成果もあって、EV活用に対する不安もある程度解消された、とも話されます。
部署の垣根を越えた全庁での
一括管理でさらなる効果が望まれる
今回の実証実験を経て、両システムの本格導入が進められました。公用車管理も部署単位から一括管理への移行に向けて検討が進められています。今後はEV活用をより一層促進しながら、運用の効率化、さらには公用車台数の最適化につなげていきたいとお考えです。




