2021.12.10
# 商品コラム
配線器具の最上位商品である「EXTRA(エクストラ)」が登場。
無垢の金属板のような格別な質感に隠された、小さなエッジの物語。
「高級感にこだわりたい」「シンプルでシャープなデザインにこだわりたい」「自分らしいスタイルにこだわりたい」。そんな、お施主様が細部までこだわった「憧れの空間」を最後に仕上げるのは、配線器具のデザインの選択ではないでしょうか。
2021年11月、憧れの空間を実現するために、格別な質感とディテールをあわせもつ、配線器具の最上位商品が発売されました※。その名は「EXTRA(エクストラ)」。まるで無垢の金属板のような静かな存在感を持った本物の佇まいが、空間デザインを引き締めます。
※プレートは2021年11月発売。ハンドルは2022年2月発売予定。
今回は、パナソニックが満を持してお届けする「EXTRA(エクストラ)」誕生の裏側をご紹介します。
キッチンにも使われる格調高い表面加工
「EXTRA(エクストラ)」のデザインの特長は大きく3つ。味わい深い表面仕上げと、美しいエッジ加工、そしてカラー展開です。
表面仕上げにおいては、金属表面をランダムに研磨するバイブレーション仕上げを採用。らせん状のランダムな模様を施し金属素材特有の光の反射を抑えます。これはキッチンカウンターにも採用されている表面仕上げで、味わい深い風合いが格調の高さを演出し、洗練された空間を作り出します。
美しいエッジの実現は金型との格闘だった
エッジ加工は、製品化において今回もっともハードルの高いポイントでした。従来、金属系のプレートではR(アール)加工が施されていましたが、今回は近年のトレンドでもある角ばった形状のエッジの実現に挑戦。
樹脂であれば金型に材料を溶かして成形していくのでそれほど難しくはないのですが、金属だとそうはいきません。通常、一枚ものの金属板を成形しようとすると、金型にプレス機械で圧力をかけて成型する絞り加工になります。フライパンやボトル容器の底面をイメージしていただくと分かりやすいのですが、この方法では金型のエッジ部まで材料を押し当てることが難しく、角ばった形状を再現するのは難しいのです。
金属を削って角ばった形状にする切削(せっさく)加工という方法もありますが、この方法だと手間がかかり製造工程としては効率的ではありません。そこで今回は美しいエッジを施すため、様々な検討を行った上で、新たに「閉塞鍛造(へいそくたんぞう)」という加工を採用しました。
一般的な閉塞鍛造構造
閉塞空間で材料を
押し広げることで成形
閉塞鋳造加工によるエッジの成形
型に材料を充填
型を外すと
美しいエッジが完成
※図はイメージです。
この閉塞鍛造(へいそくたんぞう)加工は、金型で密閉空間をつくり、その中で材料を押し広げることで成形する方法です。これにより金型の隅々まで成形をコントロールすることができるようになりました。
エッジを立たせると、金型が割れるという壁
しかし、それだけで美しいエッジを実現できたわけではありません。この閉塞鍛造(へいそくたんぞう)加工は、密閉空間の中で成形するため金型にとても負荷がかかります。開発当初はエッジを立たせようとすると金型が破損してしまい、逆に金型が破損しないようにするとエッジがあまり立たない、というジレンマに陥りました。
このエッジの美しさと、製品化にあたっての金型の耐久性のベストバランスを見つける作業に多くの時間を費やし、ようやく最適解にたどり着くことができたのです。
開発者も「これまで見たことが無い」と語る仕上がりに
「金型の設計段階から多くの苦労をともないながら、他では実現できていないエッジの効いたデザイン・表面仕上げを実現できました。その良さを、くらしの中で味わっていただきたいですね。」と商品設計を担当した多田。
また同じく商品設計の麻生は「商品の設計に携わったのは初めてでしたが、自分1人ではなく多くのメンバーの協力があり、ようやく商品化にたどり着きました。途中どうなることかと思う場面もありましたが、出来上がって改めて、商品の良さを実感しています。きっとお施主様にもご満足して使っていただけると思います。」と語ります。
また、今回最も苦労した部品加工や金型設計を担当した佐藤は「私たち開発メンバーだけでなく、多くの人の知恵を借りながら『小さなエッジ』にこだわり抜いた商品です。私もあまり見たことがない形状を実現することができ、本当に感無量です。」と開発の2年を思い返しながら、これから旅立つ商品に思いをはせます。
3色カラー展開で、様々な空間へ際立つ美しさを提供
カラーは、定番のゴールド・シルバー・ブラウンの3色をラインアップ。コンパクトなミニプレートや細長タイプのSプレートも品揃えします。
壁面に加え、ベッドサイドや造作家具への設置など、細部までこだわりたいとお考えのお施主様に、ぜひご提案ください。コーディネートの幅が広がるはずです。