2025.7.10
# 商品コラム
薄型でフラットな形状の分電盤「FLEXIID(フレキシード)」。
空間の背景に「美しく溶け込む」秘密は、施工性の向上にもあった。
これまで住宅分電盤といえば、機能性重視のデザインなこともあり、なるべく目につかない場所に設置されることが一般的でした。
この度パナソニックは、そんな常識を覆す住宅分電盤の新商品「FLEXIID(フレキシード)」を発売。まるで収納家具のように空間に溶け込み、リビングやキッチンといった「見せる空間」にも自然に調和する洗練された佇まいが特長です。
それは、プロダクトとしてのシンプルな美しさに加え、商品の取り付け構造や設置方法を根本的に見直すことで実現しました。空間の可能性を広げる新しい分電盤の施工性の秘密を、詳しく見ていきましょう!


▼ 目次
突き詰めた、
100mmの薄型でフラットな形状
まずは、見た目。プロダクトデザインの革新です。
FLEXIIDは、分電盤として業界最薄※1クラスとなる奥行き100mmのスリム設計を実現し、圧迫感をできるだけ抑えました。また、外形四辺を完全な90°形状に仕上げ、直線的でフラットなフォルムに。限りなくシンプルな白い長方形という表現が分かりやすいかもしれません。質感もマットなシボ加工を施すことで、光沢感を抑え、壁紙やインテリアともよくなじみます。
「分電盤は隠すもの」から「空間に調和させるもの」へ。設置場所の自由度を大きく広げる発想の転換を支えるのが、 FLEXIIDのプロダクトデザインなのです。
- ※1 ドア付きタイプにおいて。2024年4月時点 パナソニック調べ。



天井・壁面にぴったり設置できる
ここからは、施工性についての工夫をご紹介していきます。 FLEXIIDは、外形四辺を完全な90°形状にすることで、天井面や壁面、収納キャビネットにぴったり設置することが可能です。
また従来品では、カバーを上部から引っかける構造だったため、施工の際に「左右15mm、上60mm、下30mm」のスペースを空けることが必要でした。FLEXIIDでは、カバーを水平に脱着できるよう刷新。すき間は不要になり、ぴったりと壁面に沿わせて「突き付け設置」ができるようになったのです。
天井や壁に美しくなじみ、狭い空間でも作業がしやすい秘密は、「カバーの水平脱着構造」への刷新にありました。

狭い空間の作業でもカバーの脱着が可能
カバーを水平に脱着することができるので、狭い空間でもスムーズにカバーの脱着作業が可能です。

カバーが自由な角度で開ける
カバーの開閉構造にも工夫が詰まっています。従来品では全開と45度の2段階の開閉に限られていたところを、 FLEXIIDは0度から90度までの間で、自由な角度で止まるよう改良しました。ブレーカの設置や確認作業など、細かな施工作業の際に、最適な角度でカバーを開くことができます。
また、カバーを開く際に、従来品では天井面に干渉したのですが、ヒンジの位置を変えることで、 FLEXIIDはヒンジも躯体に干渉しません。
突き付け設置ができる秘密は、「カバー開閉構造」の改良もあったのです。
ちなみに、この発想のヒントとなったのは、パナソニックのノートパソコン「レッツノート」のディスプレイ開閉構造。その技術を応用し、作業がしやすい新たなカバー構造が生まれました。
カバーは躯体に干渉しないよう開閉が可能
連結設置時に配線が見えない
FLEXIIDでは、デザインを揃えた専用のオプションボックスもご用意しています。これは、太陽光発電やEV充電用のブレーカ、インターネットや電話線といった弱電設備などの機器類を美しく納めるためのもの。
注目したいのは、オプションボックスを連結設置する際に、上下左右※2を問わず、すき間なく並べて設置できるため、室内に配線が露出することが無いという点です。
- ※2 連接の際、キャビネットまたは天井・壁面が隣接しない面を必ず一つ以上確保してください。

従来品では、前出のとおり、分電盤とオプションボックスの間にスペースが必要だったため、リフォームで壁裏配線がしづらい環境ではどうしても配線が露出する場合がありました。その配線を隠すために、モールや壁裏配線などの処理をするケースも多かったかと思います。
FLEXIIDでは、隣接する分電盤の配線を側面で接続できるよう全周に「ノックアウト」構造を採用しました。ノックアウトとは、オプションボックス等の側面や背面に設けられている、電線接続用の打ち抜き孔(あな)のことを指します。これにより、電源線を分電盤内部で接続できるため、室内に配線が露出することがありません。配線を隠すための施工作業が不要になることも、省施工につながりますよね。
連結設置の仕上がりの美しさの秘密は、配線の収まりまで意識し、全周に「ノックアウト構造」を採用したことにありました。
連接設置時、配線が室内に露出しない。
分電盤背面で接する側面のノックアウトを用いて電源線を送ることができます。

建築設計になじむ、
50mmピッチのサイズバリエーション
さらに、 FLEXIIDは、幅350mm〜800mmの間で10種類のサイズ展開をラインアップしています。建築モジュールに沿った50mmピッチで設計されており、設置場所に応じて美しく納まるサイズを選ぶことができます。
従来品では、ブレーカのサイズをもとにした34mmピッチの寸法設計でした。そのため、住宅や店舗で使用される家具や内装材のモジュールと合っていませんでした。
FLEXIIDではこの点に着目し、リビングやパウダールームなどにも違和感なく納まる50mmピッチ寸法設計に見直しました。建築図面との相性もよく、空間デザインと設備機器が調和した納め方ができます。

また、これまでの分電盤は、カバーの固定構造が横向きの設置を想定していたため、縦方向での設置ができませんでしたが、FLEXIIDでは前出のカバー取り付け構造を見直したことで、縦向きにも設置ができます。収納と壁のすき間に縦に設置するなど、空間に合わせた自由なプランニングが可能になりました。
限られたスペースでも設置できるよう横・縦設置が可能

横設置

縦設置


