2025.11.11
# 商品コラム
設計者との対話から生まれた間接照明、HomeArchi ラインライト。
新開発のスクエアスタイルは、配光バリエーションが充実。
近年、住宅空間における照明のあり方が大きく変化しています。中でも「間接照明」は、空間に奥行きややわらかさをもたらす手法として、ますます注目を集めています。
ニーズが高まる中、パナソニックでは、設計者や住宅会社様との対話を重ね、現場のリアルな声に耳を傾けながら
間接照明に改めて向き合い、新たな開発に着手しました。
それが、「HomeArchi」シリーズ ラインライトの新商品「スクエアスタイル」です。

▼ 目次
間接照明をもっと手軽に取り入れたい
間接照明で美しい仕上がりを実現するためには、設計初期段階から造作位置を計画する必要があり、間取りや構造に応じた制約や高度なプランニングが求められてきました。
ところが最近では、リフォームや後付けで間接照明を取り入れたいというニーズが増えています。お施主様自身が、あかりにこだわりを持つ時代になり、空間の雰囲気を後からでも整えたいという声が高まっているようです。
こうした背景を踏まえ、今、求められているのは「造作なしでも楽しめる間接照明」だと改めて実感しました。

見せても美しい
「HomeArchi ラインライト」の原点
そもそも間接照明とは、造作で隠して使用することが前提で、一般的な間接照明の多くは部材としての器具仕様になっているものがほとんどです。
2016年5月に発売された「HomeArchi ラインライト」は、間接照明の可能性を広げたロングラン商品です。

このラインライトとは、器具の端まで美しく発光し、LEDの粒感を抑えた光が特長でした。「見せても美しい間接照明」として、設計者の皆さまから高い評価をいただき、空間演出の自由度を高める存在として、今なお多くの現場でご採用いただいています。
近年では「スリット天井などの住宅トレンドに合う、スクエア形状が欲しい」という声をいただくようになり、新たな形へと進化させたのが「HomeArchi ラインライト スクエアスタイル」です。




無駄をそぎ落とした美しい器具デザイン
「スクエアスタイル」は、空間の一部として露出しても美しく見えることを前提に設計された間接照明です。
ネジなどの要素を表に出さず、構成を極限までそぎ落とし、ミニマルなフォルムに仕上げています。さらに、LEDの粒感を抑えた滑らかな発光面により、光そのものが建築の一部となるような上質さを実現しました。
設計の自由度を高める施工性
これまでの間接照明では、たとえばコーブ照明やコーニス照明で使用する際、側面に10mm、両端に100mmのスペースが必要でした。
今回の新商品では、天井や壁への埋め込み時にも、側面は片側わずか1mm、両端も(単体取付の場合で)片側3mmもう片側6mmのスペースを空けるだけで納まる設計を実現しました。
施工の自由度と効率が大きく向上するだけでなく、器具と建築の隙間を最小限に抑えた構造により、空間に自然に溶け込みます。
現行品(最小施工寸法)
スクエアスタイル(最小施工寸法)
こうした今までにない施工性の高さを実現したのが、新たに採用した構造方式です。
本体兼用取付板をあらかじめネジ止めし、そこに光源ユニットをバネ式で押し込むだけというシンプルな施工方法のため、現場での作業効率アップにも大きく貢献します。

同サイズで、豊富な配光バリエーション
これまでのラインライトの配光は、基本となる拡散タイプと、片側遮光タイプの2タイプでした。
新商品では、「拡散・片面配光・両面配光・集光」の4種類を、全て同一のスクエア形状で展開。配光が異なる器具を一つの空間内で組み合わせて使っても、器具の形状や意匠にばらつきが出ないため、空間全体に高い統一感が生まれます。

拡散
広範囲に光を届け、ベースのあかりとして使用できます。

ダイニング


- ダイニング上:
- SLB55014 LB1×4(L1500タイプ)、
SLB55011 LB1×2(L1200タイプ)[テーブル面より1800]/ - コーニス照明:
- SLB55011 LB1×2(L1200タイプ)、
SLB55008 LB1(L900タイプ)

寝室


- ベッドヘッド:
- SLB55014 LB1×2(L1500タイプ)
タスクライト SLB71591 LE1×2、ダウンライト SLD1030L LB1
拡散 使用用途例


片面配光
発光部を一面だけ残し、造作がなくても、コーブ照明やコーニス照明を空間に取り入れられます。ワークスペースの壁面に直付け取付することで、タスク照明にも。

ワークスペース
カウンター W1420 D500 H750
- タスクライト(直付):
- SLB55106 LB1(L900タイプ)
片面配光 使用用途例


両面配光
器具正面を遮光。まぶしさに配慮しながら、設置した天井や壁面に光を広げ、明るさ感を確保します。吹抜空間が印象的なリビングの事例では、天井高さが切り替わる角に合わせて直付け施工。上方へのあかりは「アッパーライト」として上部壁面を照らすことで吹き抜けの高さ感をだし、下方へのあかりは、「リビング空間の明るさ」を確保。天井のダウンライトの数を減らしすっきりとまとまった空間になります。

吹き抜けリビング

- 吹き抜け部(直付):
- SLB55213 LB1×2(L1500タイプ)、
ダウンライト SLD1033L LB1
両面配光 使用用途例


集光
光を直下へとしっかりと届けます。人が集まる場所へのあかりとしてはもちろん、壁面などを照らすあかりとしてもおすすめです。

リビング

- コーニス照明:
- SLB55314 LB1×2(L1500タイプ)、
ダウンライト SLD3034L LB1×6
集光 使用用途例


なかでも、特に注目を集めているのが「集光タイプ」。住宅会社様との対話の中で、近年増えているダークトーンの壁紙では、拡散光が壁面で吸収されやすく、光が床まで届きにくいという課題がありました。
集光タイプであれば、光をしっかりと下方向に届けることができ、ダーク系壁紙でも明るさの実感を得やすい間接照明として期待されています。
配光・照度分布
[単位:lx][照度分布試算条件] 天井高さ:3m 幅:3.6m 反射率:10/10/10 保守率:0.63
拡散タイプ L1500タイプ×2

集光タイプ L1500タイプ×2
通常天井はもちろん、高天井でも床や壁を明るく照らします。
テクスチャのある壁の凹凸も美しく演出します。
多様な取り付け方への対応で、
設計の自由度を高める
間接照明では、同じシリーズ内でも、「直付け用」「連結用」と品番が分かれているものもあり、選定や設計に手間がかかるというお声もありました。
「スクエアスタイル」では、一つの品番で縦使い・横使い・壁・天井への取り付けに対応。設計の自由度が高まり、空間演出の幅も大きく広がります。
たとえば、リビングに大胆にL字で仕込んだり、縦付けのブラケットとして壁にアクセントを加えたりと、設計者の自由な発想をそのまま形にすることが可能です。


連結しても、隙間なく美しいラインを
専用の連結用パーツ(同梱)でつなげば、ズレのない、美しい光のラインを実現できます。
温度変化による発光部の微細な材料伸縮を吸収する安心設計により、美しいラインを保ち、空間全体に一体感のある、なめらかな光の演出が実現します。
- ※乳白素材は、拡散タイプと集光タイプの場合のみ
建築家と共に作り上げた、
空間とあかりの対話
「スクエアスタイル」の世界観を最大限に表現するため、今回の撮影では藤原・室建築設計事務所様と一緒に、1/1スケールの本格的な建築セットを制作しました。
藤原・室建築設計事務所

藤原 慎太郎
- 1974年
- 大阪生まれ
- 1997年
- 近畿大学理工学部建築学科卒業
- 1999年
- 近畿大学大学院工学科建築科卒業
- 2002年
- 藤原・室 建築設計事務所設立
- 2002年~
- 大阪を拠点に、全国に活躍の場を広げている。住宅設計だけでなく、オフィスビルや集合住宅、店舗、民泊なども手掛ける。近年はデザインブランディングの事業も手掛けはじめている。
- 2020年~
- 近畿大学建築学部非常勤講師

室 喜夫
- 1974年
- 愛知県名古屋生まれ
- 1999年
- 近畿大学理工学部建築学科卒業
- 2002年
- 藤原・室 建築設計事務所設立
- 2002年~
- 大阪を拠点に、全国に活動を広げてきた。趣味を活かした空間の提案をはじめ、高級住宅も増えて来ており、民泊などの収益物件、オフィスなど住宅設計以外の物件も多数実施。専門家への設計指導やセミナーにも力を入れ始めている。
- 2020年~
- 近畿大学建築学部非常勤講師




これからも、「灯りが建築と共鳴する」というHomeArchiの思想をベースに、建築を想像する人が自由に使える「あかり」のあり方を、空間づくりの視点から提案し続けていきます。
パナソニックの公式Instagramでも、「スクエアスタイル」をご紹介しています。ぜひチェックしてください。


