シルエットの美を
際立たせる「黒」と
広葉樹系の「赤茶」を合わせる

ミズタニデザインスタジオ
一級建築士事務所さま
建築家自邸兼オフィス
（東京都・小平市）

レストランなどの店舗設計を多数手掛けてこられた、ミズタニデザインスタジオの水谷さん。特に食の空間の照明設計については、独自のこだわりをお持ちです。今回「ブラックデザインシリーズ」を採用した自宅兼オフィスについて、光が生み出す心地のよい空間という視点も合わせて、お話を伺いました。

5.5ｍのカウンターに4つの光
ブラック色が空間を
リズミカルに照らす

以前、学習塾として使われていたビルの2室をリノベーションし、
ご自宅兼オフィスとして活用。

「ブラックデザインシリーズ」は、「スタディルーム」と名付けた、オフィスとダイニングキッチンを兼ねた空間に採用した。
内装はブラック色とレッドブラウンがテーマ。「赤茶っぽい広葉樹系のブラウンは、黒によく映えるので好き」と話す。

特徴的なのはシンメトリーのデザインと、壁・通路は極力避け、壁は収納に、通路は動線にとアクティブに活用できるように考えられた設計。
これは水谷さんのすべての設計につながる重要なコンセプト。

ダイニングと打合せテーブルを兼ねた5.5ｍもの長さを持つ印象的なカウンターに「ブラックデザインシリーズ」の照明器具を4灯、連続配置した。
低めに設定した4つの灯りが、空間にリズムを生み出している。

ダイニングキッチン

ダイニングには、低い位置に
ほどよいサイズの光で親密感を

「居心地のよい空間には、ヒューマンスケールという考え方が大事」と水谷さん。

たとえば、ダイニングの照明器具は椅子に腰かけた時、視線の少し上あたりに配置すると、その光のもとで過ごす人の親密度を高める効果があるという。
アトリウムのような天井が高い大規模な空間でも、ベンチのそばにヒューマンスケールのスタンドなどを置くと、ちょうど光が照らす範囲に、落ち着いて心地よく過ごせる「居場所ができる」。

リラックスして食事を楽しむためにも、ダイニングにはヒューマンスケールの光を取り入れてほしいという。様々なレストランのデザインをしてきたからこその実感。

「照明器具が届いた時は、思っていたより少しサイズが小さい印象を受けたけれど、実際に設置してみると、目線に近いこの高さに合う絶妙なサイズなように思う」。

ペンダント：: LGB16461 ※

ブラックメッシュカバーが、人の顔に近い低い位置でも、眩しさを和らげて柔らかく空間を照らす。メッシュ越しに見えるランプがとても美しい。

「黒く塗られた剥き出しのコンクリートの天井に、ブラックデザインシリーズのこのペンダントは相性がとても良い」。

スタディルーム

メッシュからこぼれる光
シルエットを美しく魅せるブラック色

「驚いたのは、コンパクトなサイズである割に想像以上に明るいこと。日中の打合せにはこれくらいの明るさがいい」。

明るさもありながら、クリアな電球の光をメッシュのカバーで和らげる。
「青や赤など、ビビットな色はインパクトがあるのだが、繊細なフォルムを際立たせるには黒が良い。ブラック色はシルエットを美しく魅せる効果がある」。

ちなみにプライベート空間は、スタディルームと一転して、ホワイト色と白木の設え。
「フォルムを際立たせる黒と違って、白はやさしく柔らかい印象を空間に与える」。

スイッチについては「指なじみがとても良い。つい何度も押したくなってしまう、そんな感触だ」と笑う。
「シーソースイッチのストローク、強さなど非常に研究されている。スイッチのように毎日何度も触れるものは、触り心地という要素も非常に重要。優れた機能とデザインを持った道具は、日々の生活を豊かにしてくれるから」。