2023.8.10
# 設計のヒント
電気代の高騰により高まる、
日々の暮らしの省エネニーズ。
省エネだけでなく、
快適な「シンフォニーライティング」を解説!
物価の上昇や電気代の高騰などにより、家計の負担は増大していますよね…。こうした状況で、日々の暮らしにおける省エネのニーズはますます高まっているのではないでしょうか?
家庭内での消費電力の約10%を占めるのが「照明」です。あらためて、照明の使い方を工夫することで、省エネに繋げることができるポイントを、お伝えしていきたいと思います
家庭における家電製品の一日での消費電力割合
世帯当たり電気使用量13.1kWh/日(夏季)(平成30年)
出典:平成30年度電力需給対策広報調査事業の結果より
ZEH基準の照明提案で、ぬかりなく省エネ
住宅での省エネ基準といえば「ZEH」です。つまり、ZEH並みの照明提案ができていれば、照明における省エネはバッチリということですね。
ZEHにおける照明基準とは?
主たる居室において
- 1.全ての照明器具がLEDであること
- 2.「多灯分散照明方式」を採用していること
- 3.調光器具を採用していること
国立研究開発法人 建築研究所 ホームページ
http://house.app.lowenergy.jpシンフォニーライティングで省エネなのに明るく
パナソニックでは、「シンフォニーライティング」という名称で「多灯分散照明方式」を推奨しています。
「シンフォニーライティング」は省エネかつ快適。省エネだけども我慢しなくてよい照明手法です。
まずは、必要なところに、
必要なあかりを配置しましょう。
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リビングテーブルを照らす。
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ダイニングテーブルを照らす。
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壁・天井を照らす。
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低い位置にあかりをつくる。
必要なときに、必要なあかりで
空間を演出できます。
-
リビング中心に集いのあかりを設けて、
全体的に明るめにします。 -
全体の明るさを抑えて、
低い位置のあかりを効かせます。 -
食卓に集いのあかりをつくり、
リビング側は少しあかりを残します。 -
暗めにしつつも、目が疲れにくいように
背面のあかりは残します。
しかし、「多灯分散照明方式」といっても配灯の仕方は様々。配灯によって空間の印象は大きく変わってくるので工夫が必要です。
例えば、配灯パターンとして次の3つをみてみましょう。
まとめ配灯
整列配灯
「まとめ配灯」では、照明器具を一か所に集めて配置をすることで明るさを確保しています。一方で、「整列配灯」では、規則的に距離を保って照明器具を配置しています。
壁面が暗いことで空間全体の明るさ感が物足りない印象です。また、必要な部分しか点灯しないときには、消灯している部分が暗いので空間の奥行き感がなくなりますよね。
一方で、「シンフォニーライティング」で配灯したお部屋は次のような雰囲気です。
中心のあかりとまわりのあかりの組み合わせになるので、手元もお部屋全体もバランス良く明るくすることができます。さらに、シンクロ調色を採用することでシーンに最適な色温度を選択でき、より省エネに!
役割の異なる複数の照明器具が過不足なくお部屋を照らし、生活に必要なだけの明るさを確保しながら、陰影のある空間づくりにも貢献していることが分かります。
もちろん、電気代の面でもシンフォニーライティングはお得な手法です!
1か月の電気代比較
シンフォニーライティングの器具の選び方
電気代を抑えるには、効率の良い配灯手法や低消費電力の器具を採用するのがポイント。「シンフォニーライティング」なら、低めの照度でも明るく感じるので過剰な「明るさ設計」をしなくてもよいため、無駄な電気代をカットできるということです。
効率の良い手法や低消費電力の器具を採用するのがポイント
多灯分散照明方式の適用条件を満たすには、以下の項目について注意が必要です。
- 1.過剰な明るさ設計
※基準となる設計照度は100lx - 2.建築化照明(間接照明)
[一畳あたりの明るさ目安]
ダウンライト :300lm/畳
建築化照明:800lm/畳 ※調光が望ましい
また、ダウンライトも「拡散タイプ」ではなく「集光タイプ」の照明を使用することで、照度をしっかりと確保しながらも、より省エネに。見た目の上でもメリハリの効いた空間に仕上げることができます。「集光タイプ」は、LDKなど特に明るさが必要な「中心のあかり」におすすめです。
拡散タイプ
60形拡散×3台 100形拡散×6台
【拡散100形×3灯】
8.4W×3台(129円/月)
100形相当
拡散マイルド・電球色×3灯
集光タイプ
60形集光×10台
【集光60形×2灯】
5.7W×2台(58円/月)
60形相当・集光・電球色×2灯
複数のあかりをコントロールできるスイッチを
「シンフォニーライティング」とあわせてご提案したいのが、ライトコントロールです。「シンフォニーライティング」では複数の照明器具を使いますが、それらのスイッチも一カ所にまとめることで、お部屋の見た目もすっきりします。
また、点灯パターンを記憶して、お好みのシーンをボタン一つで再現できたり、離れた場所からリモコンで操作できたりと、日々の暮らしにおける便利で快適な機能も搭載しています。
シーン制御をすることで、お部屋の雰囲気がアップするのはもちろんのこと、なんと電気代もお得になります!
シーン制御の節電効果
LDK事例でのシミュレーション
(逆位相2.5Aタイプ)
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だんらん
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食事
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くつろぎ
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シアター
※昼間の点灯は想定せず、夜のシーンのみで算出
また、スマートフォンで簡単に照明をコントロールできる「アドバンスシリーズ リンクプラス」もおすすめです。
リビングライコンと同様、複数のあかりをグループ化してシーン制御ができることに加え、無線アダプタをプラスすれば、家の外からの遠隔操作も可能に。さらに、スマートスピーカーと連動させることで、声でのあかりの操作も可能となります。
ほかにも、お手軽な省エネ手法
部分使いの場合でも、器具の種類や使い方を工夫するだけで省エネになります。
【調光】
同じ明るさの器具でも、調光器具を採用。明るさを適度に抑えることで雰囲気がよくなり、その分だけ省エネに。
【センサ】
消し忘れが多い玄関や廊下、トイレ、ウォークインクローゼットなどの照明にセンサタイプを採用。消し忘れがなくなり省エネに。しかも、ハンズフリーで点灯するので、荷物をいっぱい抱えて出入りする玄関ではとても便利に。
内玄関や廊下などに。
人を検知して自動でON/OFF。
荷物で両手がふさがっていても、自動でON/OFFするので便利。
スイッチに触らないので、衛生的です。
人を検知して
自動で点検。
人がいなくなって
しばらくすると、
自動消灯。
点灯保持時間1分間固定。
周囲の明るさに関係なく、人を検知して点灯。
目立ちにくいけれど、とても大事なあかりの設計
住宅の様々な仕様を決める中で、キッチンなどの水回りなどに比べてあかりは脇役のように思えますが、実はとても重要な要素だということを改めてお伝えします。比較的少ない投資で空間の雰囲気が格段にアップするとともに、省エネというその後のくらしの中で、長くありがたみを実感できる効果も。
「シンフォニーライティング」の提案ノウハウが詰まった「すまいのあかり設計集」もぜひご活用ください。