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I'm home が考える、住まいのあかり I'm home が考える、住まいのあかり

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美しい暮らしとあかりへのヒント美しい暮らしとあかりへのヒント

『I'm home.』の考えをもとに
パナソニックが提案する
「あかりプラン」事例をダウンロードできます。

INTERVIEW

『I’m home.』編集長
大南 真理子さん

“温かみ”の感じられるシーンを
照明がつくる

『I’m home.』は、2000年に創刊された住宅デザインを中心にしたライフスタイル誌です。時代に流されない「タイムレスな住宅」をテーマとして、建築・インテリアが中心にはなりますが、暮らしにまつわるいろいろなカテゴリーのものも紹介しています。

住宅は、建築家の作品で留まるのではなく、住み手が育てていくものだと思います。『I’m home.』でも、住み手の個性が表れた、住まいづくりを楽しんでいる住宅を掲載していることが多いですね。

そのときに、プロとのコラボレーション—建築家やインテリアデザイナー、照明デザイナーなどとの協働ができると、住まいづくりをレベルアップできます。その魅力も紹介できたらと思っていまして、現実に読者層もエンドユーザーとプロフェッショナルの方の両方にまたがっています。男女比も若干女性が多いかな、くらいで様々な方に読んでいただいてるという実感があります。

『I’m home.』 no.119

オーナーの個性と、建築家やデザイナーなどプロの仕事によって、美しい住まいが完成します。読者の皆さんには、心地良いと感じる理由や素敵だと感じる理由を考えながら、“分析上手”になって本誌を楽しんでもらいたいと思っています。「S邸」設計/GA設計事務所(『I’m home.』no.106に掲載)

今回は「照明」というテーマになりますが、店舗やオフィスなどと異なり、住宅では安らぎや心地良さみたいなことがまずキーワードになると思います。皆さんが帰ってくる場所として、“温かみ”を感じられるようなあかり、が理想とするシーンと言えるでしょうか。

最近では、お子さんがダイニングで勉強をしたいとか、リモートワークの普及で大人も家で仕事をしなくてはとか、タスク向けのあかりも求められています。その場合は居心地や雰囲気だけでなく、より意識的に照明を考える必要がありますね。〈談〉

『I'm home.』の考えをもとに
パナソニックが提案する
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DIALOGUE

GUEST

ライティングデザイナー
早川 亜紀さん

聞き手

『I’m home.』編集長
大南 真理子さん

意匠照明をサポートする
機能のあかりも

大南さん: 読者の方が、家のものを選ばれる基準はどうしても最初は見た目になります。家具やインテリアをどうコーディネイトするか、設えていくかというのが興味としては大きいと思います。そのときに照明が環境として、どう機能するかまではなかなか考えられていないかもしれません。

早川さん: 意匠照明と機能照明という言い方もしますが、インテリアとして器具自体が見えてくるものと、それを邪魔しない黒子としての照明と考えるといいと思います。意匠照明だけでオールマイティーに光をまかなうことはなかなか難しい。機能照明はダウンライトが代表的ですが、その存在感が出すぎると、ペンダントやシャンデリアのデザインを相殺してしまう。またシャンデリアのような中からの光で美しく見えているものは、外から別の光で照らされてしまうと美しく見えないんですね。その辺りは緻密に図面で配置しないとうまくいかないところです。

ライティングデザイナーの早川亜紀さん

『I’m home.』では2年に一度、照明特集を掲載しています。2021年11月発売号(no.115)では、食事がおいしく見えるあかりのデザインをテーマに、照明計画を解説。早川さんと共にダイニングキッチンのあかりを提案しています。

大南さん: 『I’m home.』では、建築としての美しさにもみなさん関心が高い。例えば天井にしても、綺麗に仕上っていないと雰囲気を大きく損ねますし、照明の点いていない昼間の見え方も大事。ですから器具の位置や数、素材感など気になることは多いと思います。

早川さん: そうですね。最小限に機能照明を留めるという工夫は、だからこそ必要です。意匠と機能がそれぞれバランス良く、昼も夜もインテリアとして綺麗なシーンをつくり出せるかどうかがポイントですね。

『I'm home.』の考えをもとに
パナソニックが提案する
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あかりのシーンを意図する

早川さん: 『I’m home.』で私がお話ししているのは、あかりを小さく分けて、それをダイニングテーブルなら「食事のあかり」、リビングソファなら「団らんのあかり」とかシーン毎に設えていくイメージです。多灯分散というやり方ですね。天井の大きな照明一つだけで満たそうとするとどうしても常に大きなパワーが必要で、あかりの分散は美しさだけでなく省エネにもつながります。場の行為に合わせて照明を設えることで、暮らしや生活の楽しみ方にあかりが寄り添っていけると考えています。

大南さん: 誌面でも“適光適所”という言い方をするんですが、行為とセットで設えるというのは重要なことだと思います。部屋全体が明るい光だと、どうも落ち着かないって感じます。

早川さん: 全体を照らすとそこに人の意図がなくなってしまうんですね。人工照明は、人がここは見せたい、明るくしたいという思いを反映できます。光をこうしたいという人の思いは、くつろぎやおもてなしにもつながります。

大南さん: あかりで人の気配とか温かみみたいなものが感じられるというのは、そういう部分もあるのかもしれませんね。

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まぶしさと明るさ感を意識する

大南さん: 天井を綺麗に見せる機能照明だと、グレアレスダウンライトというものもありますね。

早川さん: 多種多様なダウンライトがありますが、グレアレスというのは光源が奥まっていることで、煌々としたまぶしさを感じにくいんですね。一般的な光の拡散するダウンライトだとカーテンでもエアコンでも全部に光が当たってしまい、先ほどの意図した光をつくりにくい。ただ、光が広がらない分、インテリアの素材が暗めの色だと明るさを感じにくかったりしますので、全体は他の照明で柔らかく照らしてあげたり、光が回りやすい明るめのインテリアにすると効果的です。

早川さんが照明計画を行った住まい。夕刻、照明のあかりが灯ると昼間とは違った住まいの表情を楽しめます。灯りを点在させることで、空間に奥行きが生まれます。「H邸」設計/スターパイロッツ 照明設計/灯デザイン(『I’m home.』no.91に掲載)

大南さん: 美しさの部分と照明としての機能、特に明るさって両立しないように思いがちですが、器具の選び方次第でどちらも兼ね備えられるんですね。

早川さん: 器具と同時に照明計画でも大きく変わります。また、手元の明るさだけでなく、視線の先にちょっとした光があることで、人はより明るさを感じることができます。その時間を過ごすときにどこを見ているかが大事で、例えば、お庭に面したリビングでも、ちょっとガラスの向こうにあかりを置くことで、室内だけではない奥行きが生まれます。あるいは天井を間接照明で明るくすると、部屋が高く感じられます。明るさ感があると、メインの意匠照明を頑張って明るくしなくて済むんですね。見ていて心地良い、ちょうどいい明るさにしておくことができます。

H邸初期のコンセプトプラン

光と影で空間にメリハリをつくる
パナソニックのグレアレスダウンライト

Home Archi Soft Glareless Down Light

人のそばにあるあかり

『I’m home.』編集長の大南真理子さん

大南さん: 読者には、やっぱり家具を選ぶように、あるいは家具とセットで照明器具も選んでほしいんですね。

早川さん: 家具とセットに考えてもらうというのはとても大事です。日本だと照明は天井に付いているものだと思いがちで、ペンダント照明でもちょっと高い位置にあります。実はペンダントってテーブルとセットで、きちんとした高さにするとテーブルを囲んだときの親密感とか料理の見え方がかなり変わります。ペンダントだけでなく、照明を家具と一体に考えると、そのときの人の振る舞いに合わせたあかりを選ぶことができるのかなと思います。

大南さん: 家具とあかりをセットで考えるとシーンとしても美しくなるように思いますし、ペンダントは下げると高さのメリハリも付くのかなって。

早川さん: 平面的な位置だけでなく、高さのバランスを意識すると雰囲気がよくなります。低い位置に照明を置くということも必要ですね。人がその空間をどう見せたいか、何をしていて、どこを見ているか。あかりはそれに寄り添って考えると、快適で美しい環境づくりに必ず役立ちます。

大南さん: ちょっと照明ってまだ“遠いところ”に感じていることも多くて、本当はもっと身近にあるべきですよね。住まいでの心地良さとか温かみに直結する部分もありますし、「人のそばにあかりがある」ということの大事さを『I’m home.』でももっと伝えていけたらと思います。

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グレアレスダウンライトで、空間にメリハリを。
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  • ライティングデザイナー

    早川亜紀 Aki Hayakawa

    1976年・埼玉県生まれ。'98年・日本女子大学家政学部住居学科修了。2001~'05年・ライティング プランナーズ アソシエーツ勤務。'06〜'13年・サワダライティングデザイン&アナリシス勤務を経て、'13年・灯デザイン設立。

  • 編集長

    大南真理子 Mariko Ominami

    1985年・徳島県生まれ。2008年・鹿児島大学工学部建築学科卒業。'08〜'11年・イタリア留学を経て、'12年〜・商店建築社 隔月刊『I’m home.』編集部所属。'21年より編集長を務める。

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