太陽光発電+純水素型燃料電池により再エネ100%工場を実現。
水素社会の到来に備えて、知見と経験を蓄積。五洋建設株式会社 室蘭製作所 様[北海道 室蘭市]

五洋建設株式会社 室蘭製作所(工場棟+事務所棟)

  • 金子 潤一 様

    五洋建設株式会社
    札幌支店 シニアエキスパート
    室蘭製作所長
    金子 潤一

2022年10月、再エネ100%利用の室蘭製作所を稼働開始。
建物のZEB化や再エネ利用のお取り組みをご紹介します。

パナソニックの5kW純水素型燃料電池を6台連結。
悪天候時にも安定して電力を供給。

室蘭製作所様は、1930年創業の前身企業と1970年に合併、五洋建設株式会社様が橋梁製作事業などに活用、継続し、2022年10月に、洋上風力建設の仮設鋼構造物の製作などを行う工場として建て替えられ、「再エネ100%工場」に生まれ変わりました。
同社ではまず建物のZEB化を目指し、新しい事務所棟の外皮性能を高め、Low-Eの複層ガラスや樹脂サッシ、採光フィルムなどを採用。寒冷地の北海道でありながら、65%の省エネ率を持つBELSの『ZEB』認証を取得されました。
さらに製作所全体の電力を自前で賄うため、670kWの太陽光発電に加えて水素発電も検討し、パナソニック製純水素型燃料電池30kWを導入。太陽光発電で創った電力を利用して水電解装置でグリーン水素を製造。水素吸蔵合金に貯蔵し、燃料電池で発電するシステムを運用されています。
純水素型燃料電池を選ばれる際は年間の発電量を複数メーカーで比較。パナソニックの5kW燃料電池を複数台連結させることで、同社の計画容量に合致したこと、さらに他社製品に比べて発電効率がよく、機器寿命が長い(90,000h)ことから選択されました。稼働開始から約1年が経過しましたが、発電量は順調に推移し、期待どおりの性能を発揮しているそうです。
同社の主力事業のひとつである洋上風力発電施設では天候などの影響を受けるため、そう遠くない将来、全体発電量が増加すれば必ず余剰電力が生まれます。そこで同社では洋上風力での発電量をベースとし、不足する時間帯を純水素型燃料電池の電力で賄う図式を想定されています。さらに水素を発電だけでなくエネルギーとしても期待されており、将来は作業船などへの活用も想定し、室蘭でさまざまな試みを展開されています。

再生可能エネルギー100%利用計画

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