現場のお役立ちツール
2021年8月号 「ルミナスプランナー」の新機能「Lumikco」活用術
ライティング事業部 エンジニアリングセンター
中央エンジニアリング部
-
照明環境解析課
平田 -
照明環境解析課
福島 -
ILC企画課
阿部 -
ILC企画課
佐々木 -
ILC企画課
池田
マーケティング本部
綜合営業企画部
-
電材営業企画グループ
松本
照度分布計算ソフト「ルミナスプランナー」に照明器具配置プラン機能「Lumikco(ルミッコ)」が融合。
照明器具の配置プラン作成と明細見積のアウトプットが可能になりました。
その開発の経緯と、活用方法についてご紹介いたします。
住宅・非住宅の垣根を越えて照明提案を行うエンジニアリングセンター
―エンジニアリングセンターの主な事業を教えてください。
エンジニアリングセンター(以下EC)は、主に設計者様の照明設計のお手伝いをさせていただいている部署です。照明の空間シミュレーションを行うためのソフトウェアを自部門で開発することも担当しております。「ルミナスプランナー」もその中のひとつです。
ECの中で、一般住宅の照明設計を担当するのが、インテリアライティングセンター(ILC)です。今回 「ルミナスプランナー」に、住宅やサ高住、店舗向けに見栄えの良いプラン作成ができ、見積書が作成できる、「Lumikco」機能を融合いたしました。
照度分布計算ソフト「ルミナスプランナー」誕生の背景
―ルミナスプランナーの歴史と、開発の背景について、教えてください。
最適なあかり環境を実現するためには最善の照明器具の選定と目的の空間への配置設計が必要で、そのためには平均照度、照度分布などの計算が不可欠です。
これらの計算は配光データなどの多量のデータを使用するため、ルミナスプランナーの前身となる照度分布図の自動計算ソフトの開発が1960年代の後半から始まりました。1970年代半ばにはデータ入力装置として大望の専用コンピュータが門真の本社に導入(下記写真)されましたが、非常に高価だったため1台だけ。1日5~6件の処理が限界でしたので、大規模の施設案件のご要望にしか対応できませんでした。
1980年代には本社の大型コンピュータと全国7か所のECに設置されたパーソナルコンピュータが専用回線でつながり、照度分布計算の処理件数が格段に上昇しました。
1990年代には、営業所の前線で活用できる照度計算ソフトが開発され、社外の設備設計事務所様などに有償提供が開始されました。
そして、ついに1996年(平成9年)に、Windows95版として、屋内外での照度分布計算ができCADとの連携機能を持った初代ルミナスプランナーが完成、EC、営業所に普及していきました。
2015年には「ルミナスプランナー7」を公開しました。開発から20年が経過し、ダウンロード数は6万件に達していましたが、常時ご使用いただいている社外ユーザー様はわずか数%にとどまっていました。そこでヒアリングを行った結果を踏まえ、初めてご使用いただくユーザー様でも使いやすいように全面的に操作性を改善したことで、常時ご使用いただくユーザー様は結果的に倍増しました。
ルミナスプランナーに照明器具の配灯プラン作成が可能な機能「Lumikco」が融合
―ルミナスプランナーの新機能「Lumikco」機能を追加された背景と、特長について詳しくお聞かせください。
お施主様に照明器具を取り付けた新居をイメージいただくために、住宅の平面図に照明器具の配灯提案サービスを始めたのはメーカーでは当社が初めてで、約30年の歴史があります。デジタル化したのは約20年前からです。
当初は「あかりプランシステム(APS)」と言い、照明器具の提案だけだったのですが、のちに配線設備、電気設備全般についても提案できるようになり、名称を「電材プランシステム(DPS)」に変更しました。
この「電材プランシステム(DPS)」のサポート機能終了に伴い、ルミナスプランナー上でさらなる高機能化とシステム融合を目指して開発した機能が「Lumikco」で、2020年に「Lumikco」機能を融合した「ルミナスプランナー7.4」を公開しました。※2 住宅照明の配灯や電気設備のプラン作成として、従来のDPS以上に使いやすいと、住宅会社様や電気工事会社様でのご利用が増えております。
「Lumikco」機能の特長を2点ご紹介します。
1つめは、一般のお施主様にわかりやすくお伝えするために、写真やイメージ画像を多用した提案プランを作れる機能です。レイアウトを自動的に整頓する機能や、光の色が一目でわかるプランを簡単に作成する機能なども備わっており、照明設計の専門家の方でなくとも住宅会社様や電気工事会社様、電材代理店様にも幅広く使っていただけるよう操作面を配慮しております。照明だけでなく、配線設備を含めた電気設備のプランが作成できますので、設備全体の設計に近い電気設備プランの仕様確認や施工打ち合わせなどにもご使用いただいています。また、事前に給湯設備、エアコン、換気扇などの機種選定が必要なZEHプランとしてもご活用いただけます。
2つめは、クラウドで管理することにより、関係者全員で進捗状況の共有やプラン作成作業の連携ができるようになっていることです。プラン依頼も見積り作成も、すべてがクラウド上で操作可能です。
近年では住宅会社様も高齢者向け施設や店舗併用住宅など、非住宅の建築分野にも力を入れておられます。「Lumikco」では屋外照明や非常灯などの防災照明のプラン作成はもちろん、200灯~300灯ぐらいまで配置できますので、住宅以外の照明プラン作成にもご活用いただけます。
また、光源がLEDとなり、器具の光束や色温度が多様化してきたことや、ご自身でインターネットなどでお調べになる照明に関心の高いお施主様が増えてきたこともあり、これまでは感覚的にご理解いただいていたことが、数値で示さなければいけない時代になっていくかもしれません。
そういった住宅と非住宅の垣根のない照明提案が必要となってきておりますので、住宅会社様が今後手掛けていかれる様々な建築分野でご使用いただけると感じております。「Lumikco」が融合した「ルミナスプランナー7.5」を、お施主様に近い営業前線でご活用いただけますと幸いです。
―ルミナスプランナーはどなたでもダウンロードできるのでしょうか。
ご要望がございましたら、弊社営業までご相談ください。
- Lumikco(ルミッコ)は「 Luminous Planner くらしコーディネート( coordinate )」の略として命名されました。
- 最新の「ルミナスプランナー7.5」では「ルミナスプランナー」ライト版も統合して無償とし、一部の機能のみを有償としています。
リニューアルのご提案にご利用いただくと提案書の作成や修正がスピーディに
電気工事会社様にとっては、住宅の新築・リフォームはもちろん、非住宅のリニューアルのご提案にもご活用いただけるのではないかと思っております。新築住宅は当社とプラン連携して質の高い提案を実施、リフォームはスピード対応で、その場でプラン作成・見積提出をすることもできます。またリニューアルでも高齢者向け施設向けに共用部と居室部をまとめて提案できたり、スピード対応を武器に現場に則してご提案できることは大きな強みともなります。
現在、「Lumikco」をダウンロードしていただているお客様の3分の1は電気工事会社様です。多くの電気工事会社様にご愛用いただき様々なお声も頂戴し大変好評です。まだご利用いただいていない電気工事会社様には、業務の効率化にぜひご活用いただきたいと思っております。
「プロジェクト編集」と「ドキュメント作成」、2つのモードを切り替えながらプラン作成が実施可能
プロジェクト編集画面
①モード切替:「プロジェクト編集」「ドキュメント作成」の2つのモードを切り替えます。
②ツリー:フロアごとに、図面やプロットした器具を表示します。
③プロジェクトボード:間取り図の編集や、配置点の挿入・位置編集を行います。
④プロパティ:選択しているオブジェクトの詳細を表示します。
⑤明細表:プロットした器具の一覧を表示します。
ドキュメント作成画面
⑥ドキュメント作成ツール:レイアウトの調整や画像の追加など、提案書を作成するのに必要なツールが並んでいます。
⑦プロパティ:提案書の用紙設定の詳細を表示します。
⑧提案書ボード:レイアウトの調整や画像の挿入・位置調整を行います。
ルミナスプランナー「Lumikco」の主なアウトプット事例と機能
ルミナスプランナーはこちらからダウンロードいただけます。(Lumikcoのご利用は弊社営業までご相談ください。)
https://www2.panasonic.biz/jp/cec/lp/lp7.html
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