新人からベテランまで作業品質が一定に!
「回転自動停止」と女性でも扱いやすい「高いグリップ力」で作業効率が飛躍的に向上

新人からベテランまで作業品質が一定に!「回転自動停止」と女性でも扱いやすい「高いグリップ力」で作業効率が飛躍的に向上 新人からベテランまで作業品質が一定に!「回転自動停止」と女性でも扱いやすい「高いグリップ力」で作業効率が飛躍的に向上

肥田電器株式会社は、1938年の創業以来、射出成形を基軸に家電製品、OA関連機器、自動車部品など幅広い製品分野の一貫生産をしています。石川県に本社を構え、静岡袋井や大阪茨木、滋賀東近江のほか、さらには中国東莞にも製造拠点を設け、それぞれを事業や製品に特化した拠点とすることで、高品質で顧客ニーズに沿った製品の生産と提供を実現しています。
今回、同社にて「Azeloss(アゼロス) TypeC(EYADA212XC)」を2台導入いただきました。本記事では導入前の課題や切り替えの決め手、今後期待する点や展望などをうかがいました。

肥田電器株式会社
取材協力

肥田電器株式会社電材事業部:宮下様

製造品:
ブレーカ、分電盤の組み立て
導入製品:
ACスクリュードライバー EYADA212XC
導入台数:
2台

課題

  • ネジを着座させずに途中で止める作業における、作業員の技量差や確認作業の負担
  • 電動ドライバーの重さや滑りやすさから、作業員の手首や肘に負担がかかっていた
  • 定期的なブラシモーターの摩耗へのメンテナンス費用

解決策

  • 回転自動停止機能の搭載を提案
  • 握りやすく、グリップ性の高いドライバーへの切り替え

効果

  • 誰が作業しても一定のネジ高さになり、作業品質が安定。(脱属人化)
  • 初心者もスムーズに作業でき、ネジ締めに自信がついた
  • 締め付け時の木ネジの傾きがなくなり、調整作業が不要になった

Azeloss(アゼロス)導入に至った経緯について教えてください。

当部門は住宅用分電盤を取り扱い、全社の中でも珍しく、完成品の組み立てに特化した生産拠点です。設備による締め付け・管理だけでなく、電動ドライバーを使って「人の手」で作業することも多いですが、ここで難しいのがネジを着座させず途中で止める必要があることです。製品の設計上、ネジが緩むことはもちろん、過度に締め付けることも避けなければなりません。以前は他社製の電動ドライバーを使用していましたが、作業者ごとに締め具合が異なり、仕上がり(ネジの高さ)にバラつきが生じていました。

さらに人の手作業であるからこそ、ネジ締め後には貫通していないことの確認が必須です。これに関しても製品の裏面に触れるというアナログ作業のため、十分な時間と人員を要していました。木ネジ1本のために製品が台無しになるリスクがあるため、正確な作業が求められますが、程よい締め具合の習得には経験と技量が不可欠です。教育に数週間かかる場合もあり、新人作業員の中にはネジ締めに苦手意識を持つ人も少なくありませんでした。

さらに、回転スピードが速いために挿入時にネジが傾きやすいことや、ブラシモーターの月に1回の定期メンテナンスや修繕の負担も課題でした。加えて、ドライバーの滑りやすさやパワーに押される感覚があり、女性が多い当工場でも扱いやすい電動ドライバーが長年求められていたのです。

このような課題を抱える中、今後発売予定の電動ドライバーとして紹介されたのが「Azeloss(アゼロス)」でした。まだ開発段階だったため、打ち合わせの際に当社から営業担当者に回転自動停止機能や負担軽減策について要望を伝えました。回転自動停止機能はもともと仕様には含まれていませんでしたが、当社の作業形態を知った営業担当者がすぐに企画にインプットしてくださったようです。完成後、「(肥田電器さまからのご要望のおかげで)製品がさらに良くなりました」との言葉をいただいたとき、「Azeloss(アゼロス)」への情熱とこだわりを強く感じました。

率直に申し上げると、これまで電動ドライバーの選定ではコストを最重視していたため、既存で使用しているドライバーの約2倍になる「Azeloss(アゼロス)」の価格は慎重に検討すべきポイントでした。それでも導入を決めたのは、約20年前に販売停止になるまで使用していたパナソニック製電動ドライバーの質の高さが今でも社内で評価されているからです。回転自動停止機能の搭載と、実際にデモ機を使用した作業員からの高い評価が最大の決め手でしたが、パナソニック製品への信頼も後押しとなりました。

Azeloss(アゼロス)導入によるメリットについて詳しくお聞かせください。

「Azeloss(アゼロス)」を実際に使用してみると、当初期待していた回転自動停止による貫通防止以外にも、多くのメリットがあることがわかりました。以前の電動ドライバーではネジが傾くことが多くありましたが、ソフトスタート/ソフト着座機能を使用してからは、傾きもゼロになったのです。また、38mm径のグリップは女性の手にもフィットし滑りにくく、これまで装着していたグリップテープなしでも手首や肘、肩に負担がかかりにくくなりました。

とりわけ大きく変化したのが、教育(訓練)にかかる時間で、従来、新入社員は1週間ほど熟練者のチェックを受けていましたが、「Azeloss(アゼロス)」を導入してからは「すぐに自信をもって作業できるようになった」と喜ばしい声が聞かれました。また、回転自動停止をはじめとする各種ポカヨケ機能によって、誰が作業しても一定の品質を担保することができるようになりました。熟練の作業員からも「点灯ランプで作業OK/NGが一目瞭然」「扱いやすく、体への負担が大分軽減された」と好評です。

扱いやすく、体への負担が大分軽減された

今朝、メンテナンスのためにドライバーを現場から外した際、作業員たちが「え、今日はアゼロスを使えないの?」と残念そうにしていました。この光景から、「Azeloss(アゼロス)」が当工場でいかに重要な存在になっているかを改めて実感しました。

Azeloss(アゼロス)に対する改善を希望する点や、
今後の展望について教えてください。

今後、当社では新機種の製造ラインにおいてネジ締め工程が増加する予定です。現在は木ネジの締め付け工程のみで限定的に使用していますが、追加導入することで、締め付け本数をカウンターで管理し、ネジの締め忘れを防ぐ「カウント機能」も活用していきたいと考えています。また、現在使用中の他社製電動ドライバーも、交換やメンテナンスの手間を削減するために、ブラシレスモーター搭載の「Azeloss(アゼロス)」へ順次切り替える予定です。

「Azeloss(アゼロス)」は総じてパフォーマンスが高い製品ですが、強いトルクがかかる作業についてはさらなる対策強化をお願いしたいところです。反力緩和につながるグリップアタッチメントが付属されていますが、作業員の不安を完全に払拭するためにも、ぜひ反力低減アームなどをラインアップに加えていただければと思います。

また、スイッチが小さいので、度重なる操作の過程で接触不良や埋没などの不具合が生じないかと懸念しています。ただ、この2点については、担当者の方に相談しています。「ボタンの形状変更や高強度化などを企画にインプットして進めたい」とお返事いただいているので、今後のアップデートに期待したいです。

これまで当社にとって電動ドライバーは「ネジを締めるだけの道具」でしたが、「Azeloss(アゼロス)」を導入し、実際に使うことで、工具の力によって現場の課題を解決できると実感しています。作業者の高齢化が進む中、回転自動停止機能や高度な良否判定、負担のかからない本体設計や操作性などを強みとする本機は、今後ますます当工場において重要な役割を果たすでしょう。引き続き活用し、作業品質の安定化と、より豊かで安全な工場環境を目指していきたいと思います。

PICK UP

  • ACスクリュードライバー Azeloss(アゼロス)
  • 充電インパクトレンチ「トレースインパクト」 トルク値・締付角度・波形などのデータが残せる
  • トレースインパクトが北米最大の展示会“Assembly Show”で大賞受賞

Panasonic工場設計のプロが、
最適な工具をご提案いたします。

パナソニックの電気設備のSNSアカウント