ネジ締めデータの見える化により不良の原因を早期に把握、Azelossが信頼性アップの起点に
ネジ締めデータの見える化により
不良の原因を早期に把握、
Azeloss(アゼロス)が信頼性アップの起点に
パナソニック株式会社
くらしアプライアンス社
- 製造品:アルカリイオン整水器
- 導入製品:Azeloss TypeA(5台)
生活家電や電子デバイス製品などの製造点・開発を手掛けるパナソニック株式会社くらしアプライアンス社。東京都品川区に本社を構え、国内外の工場で冷蔵庫、食洗機、調理機器、クリーナー、温水洗浄便座、電気暖房などを製造しています。
同社では、さらなる品質向上に向けて滋賀県彦根市に拠点を構えるビューティ・パーソナルケア事業部でAzelossを導入しました。今回は、同社ビューティ・パーソナルケア事業部アクア商品部の市川龍斗さんにAzelossを導入するに至った背景やその後の変化についてお話を伺いました。
INDEX
記事の概要
ネジ締め忘れによる
品質不良の撲滅に向けて
Azelossを導入する前に抱えていた課題について教えてください。
市川さん:弊社では以前は別の電動ドライバーを使っていたのですが、そのドライバーはカウンター機能がありませんでした。ネジ締め本数をカウントする機能がなかったため、ネジ締め忘れ不良の防止は作業者の力量に頼っていました。
しかし作業者に頼る品質には、教育訓練や体調など人に関わる課題が多く、コスト面では次工程チェックなど工数をかけながら実施していました。
これら作業者に頼る品質は、高品質の安定化、低コスト化に向けて課題と認識し、解決方法を探していた時に出会ったのがAzelossです。
導入の決め手は多彩な機能
どういった経緯でAzelossの導入に至ったのでしょうか?
カウンター機能とトレーサビリティ機能の両方を備えたドライバーAzelossだけだったからです。導入にあたっては他社の電動ドライバーとAzelossを比較検討しました。一番大きかったのは、Azelossは本体にカウンター機能が付いている点です。比較検討したもう一つの製品にはカウンター機能が本体についていなかったため、カウンター機器を別に設置する必要がありました。Azelossであれば本体にカウンター機能が搭載されているため、その必要はありません。また、ソフトスタート機能※1やソフト着座機能※2など幅広い機能を搭載している点も、品質向上に非常に有効だと感じました。
- ネジ締めのスタート時に回転を抑えることで、ななめ締め等によるネジのかじりを抑制する機能
- 締め終りの回転を抑えることで母材の破損を抑制する機能
さらに、耐久性が高い点も魅力に映りました。他社製品はドライバーの中のブラシを1年に1回程度、交換しなければなりません。
Azelossは、ブラシレスモーターのため、使用することによってすり減っていくブラシという部品がありません。ブラシ交換が不要で、メンテナンスの手間やコストが抑えられる点も大きなポイントでした。
Azelossは、Type A、Type B、Type C、Type Dの4種類があります。その中でType Aを選んだのはどのような理由からでしょうか?
トレーサビリティに対応している点です。Type Aは、締め付けデータがリアルタイムで残せます。データとして手元に残せるので、不良が発生したときに、いつ、どの工程で、どのロットで不良が発生したのかをすぐに把握できます。ネジの締め忘れを防止できるのと同時に、不良発生時の検査時間も短縮できるのではとType Aを選びました。
導入にあたって重視したのは
作業員の納得
以前のドライバーからAzelossに切り替えることで苦労した点はありますか?
少し苦労したのは、実際にAzelossを使う従業員に納得してもらう作業です。誰でもそうだと思いますが、やはり使い慣れた道具から新しい道具に切り替えるのは抵抗があるものです。「Azelossにはこういったメリットがあって、作業をするうえでも楽になりますよ」ということを従業員に納得してもらうのに多少の時間はかかりました。
以前のドライバーより軽くなる点(約630g)、ネジ締めデータなどの各種データを残せる点、締付の良否は判定ランプで色別表示される点など「Azelossを導入することで人的ミスを抑制できますよ」といったことをしっかりと説明しました。新しい機器や道具を導入する際に、実際に作業にあたる現場の方にきちんと納得してもらうことはとても重要なことだと考えています。
生産性や作業性も大きく向上
生産性や作業性の面でのプラスはあったのでしょうか?
ドライバーの重量が軽くなったことや良否判定を目視でも行えるようになったことで、作業性は間違いなく上がっています。また、生産性も着実に上がっていると感じでいます。たとえば、これまで残業しなければ生産できなかった台数を定時で実現できた日も少なくありません。ネジを締める作業を1人1日100回以上は行っているので、重量が軽いという点は、生産性の面でも大きな影響があるのだなと感じています。
データを残しておくのは多くの
消費者から信頼してもらうため
Azelossを導入して良かったと思う点を一つ挙げるとすればどのようなものでしょうか?
一番大きいのは、ネジの締め付けデータなどさまざまなデータを手元に残せるようになったことです。AzelossはType A~Dの4種類がありますが、Type Aはネジの締め付けデータ以外にもトルク換算値などのデータも残しておけます。この機能により、ネジ締め不良があったときに品質の証明ができるようになりました。たとえば、「この日の何時にネジ締めをした製品に不良が発生した」ということが履歴で分かります。
これまでは、ネジ締め不良が発生するとその日にネジ締めをした製品のすべてをチェックしなければなりませんでしたが、Azelossの導入によって不良の原因がピンポイントで把握できるようになりました。人がやっている作業だけにどれだけ慎重に作業をしていてもミスは起きてしまいます。データを残すことによって、不良範囲を明確化できる点は非常に大きなポイントです。
適切にデータを管理するということは、消費者から信頼を得るうえで非常に重要なことだと感じています。反対に、トレーサビリティが不十分でデータ管理が不適切だと、不具合やトラブルが起こったときに迅速に対応できません。これでは、自社製品に対する消費者からの信頼を失ってしまうことにもなりかねません。多くの消費者から信頼されるためには、適切なデータ管理はとても大切なことだと考えています。この点において、Azelossが大きく寄与してくれるのではないかと期待しています。
最後に今後、Azelossに導入してもらいたい機能があれば教えてください。
弊社は一つの工場でさまざまな製品を製造しているため、同じ作業台でもネジの種類や本数が異なります。そのため、ドライバー本体でネジの本数や種類を設定できる機能があると、より便利になるのかなと期待しています。
トレーサビリティを実現することで、より多くの消費者の信頼を得たいという熱い思いが伝わってきました。本日は貴重なお話をありがとうございました。
パナソニック株式会社
くらしアプライアンス社
- ビューティ・パーソナルケア事業部
- 市川 龍斗 様
- 導入製品:Azeloss TypeA(5台)
- 製造品:アルカリイオン整水器