トレーサビリティの観点から高まる「ポカヨケツール」需要
ヘルツ電子様とのコラボでユーザー様のさらなる生産性向上に貢献

トレーサビリティの観点から高まる「ポカヨケツール」需要 ヘルツ電子様とのコラボでユーザー様のさらなる生産性向上に貢献 トレーサビリティの観点から高まる「ポカヨケツール」需要 ヘルツ電子様とのコラボでユーザー様のさらなる生産性向上に貢献

ヘルツ電子株式会社様は、創業50年を機に「ワイヤレス・テクノロジーで制約を解き放ち、幸せを分かち合う礎となる。」をパーパスに掲げる産業用ワイヤレス製品のメーカーです。本社を静岡県浜松市に構え、最先端ワイヤレス製品の開発・生産を通じて、幅広い専業分野で価値創造を行っており、特にポカヨケツールの第一人者として業界をリードされています。
この度、ヘルツ電子株式会社様と当社がタッグを組み、需要に応えたポカヨケの仕組みを作り上げました。今回、現場で直面する課題やポカヨケの必要性や今求められるものなど、今回の開発にあたってのポイントなど詳しくお話を伺いました。

対談者

  • 営業部 次長
    藤田 譲 様

  • 営業部 1課 課長
    寺田 将典 様

聞き手
パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
電材&くらしエネルギー事業部 
パワーツールSBU マーケティング部
吉川 祐司

高まる業界からのポカヨケ実現のために

吉川:生産工程における作業者のミスの防止のための「ポカヨケ」について、現在どんな現場で導入されることが多いのでしょうか。

藤田様:当社で開発しているポカヨケツールは、国内・海外の自動車、自動車部品、二輪車、空調、建材など幅広い業界の工場で導入いただいています。

吉川:様々な業界の工場において、ポカヨケの必要性は高まっていると感じられていますか?

藤田様:熟練の作業者が減っていることで、作業の均一性が担保できなくなってきたという話をよく耳にします。今まで属人的であった品質管理が難しくなってしまったため、別の方法で作業者のミスを素早く検知し作業モレを防ぐことが必要になります。作業モレを防ぐことが生産性の向上にもつながりますので、どの業界でもポカヨケ対策の必要性を強く感じているのだと思います。

吉川:現場で求められているのは、ネジ・ボルト締結作業のポカヨケが多いのでしょうか?

藤田様:従来からのネジ・ボルト締結作業のポカヨケも多いのですが、EVや電子機器が増加している現状においては、コネクタやケーブルにかかる作業のポカヨケに対するニーズもかなり増えています。

吉川:時代の進化に合わせて求められるものにも変化があるのですね。そういった変化に合わせて、何か取り組まれていることはあるのでしょうか?

藤田様:当社はポカヨケツールの品質として、「作業性」×「作業完了の確実な検知(センサリング技術)」×「作業実績の確実な伝達(無線通信技術)」の3点を重視しています。ネジ・ボルト締結作業とコネクタやケーブルにかかる作業では作業者や作業方法が異なりますので、各作業に求められる「作業性」や「作業完了の確実な検知(センサリング技術)」を意識した製品設計をしています。また、昨今ではWi-FiやBluetooth®などが工場内で飛び交っており、お客様の無線環境に変化が生じています。そういった変化の中でもポカヨケツールの無線通信を確実に行えるよう、「作業実績の確実な伝達(無線通信技術)」の品質を向上させることに力をいれています。

吉川:実際に導入するまでにはどのように調整されるのですか?

藤田様:初めての導入の際は無線通信という部分に不安をもたれるケースが多いので、まずはデモ機で約2週間トライアルをしていただいています。また、導入する生産工程のお客様の設備に合わせられるよう受信機にも多くのバリエーションを取り揃え、どのようなパターンにも対応できるように準備しております。さらに、当社においては無線通信の信頼性こそが重要だと考えていますので、必要に応じて訪問し不安や疑問点を解消したうえで、安心して利用いただくことを心掛けています。

高まる業界からのポカヨケ実現のために

トレーサビリティの観点からも注目

吉川:コネクタやケーブルにかかる作業のポカヨケの需要以外にも、求められることが変わってきていると感じられることはありますか?

寺田様:前は単純にポカヨケのためにポカヨケツールを求められることが多かったのですが、最近は「トレーサビリティ」のために、というご相談を受けることが多くなってきました。製造のDX化が進んでいることから、生産工程において作業実績を残すことができる工具の使用が増えていることもその理由の一つだと考えています。お客様に営業をしていく中で、日本のみならず世界中で電動工具を用いた作業のポカヨケのニーズが高まっているのを感じています。

吉川:これまでの目視や紙記録では難しいですが、ポカヨケツールを使い電子で記録することができれば確実にトレーサビリティできますし、さらに分析なども可能になりますね。

藤田様:そうなんです。世の中的にエビデンスを残すことが求められていますし、それに伴いより意識される企業様が増えてきているのです。さらにエビデンスを残す範囲を広げたいというご相談も増えています。記録を電子で残すことで、単なる記録だけでなく分析などにも活用いただけるようになります。このようなトレーサビリティの裾野の広がりに応えるためにも、作業性を損なわないポカヨケツールが求められていることをひしひしと感じます。世界中で求められている電動工具を用いた作業のポカヨケのニーズに応えるために、パナソニック様とのコラボが実現したと考えています。

トレーサビリティの観点からも注目

各業界からの要望により実現したコラボ

吉川:今回は、各メーカーの皆様に橋渡ししていただき実現したコラボでした。

藤田様:自動車メーカー、建機メーカー、農機メーカーなどのユーザー様から、当社受信機の通信安定性などにご満足をいただいていており、パナソニック様の電動工具と受信機を共用できるようにならないかという相談をいただいたことがきっかけでした。

吉川:当社にも多くの要望をいただいており、ヘルツ電子様にお声がけさせていただきました。

藤田様:もともと、パナソニック様でも同様の無線通信可能なツールのラインナップをお持ちでしたので、ユーザー様がそのツール自体の使い方や無線のペアリングの方法などの使用感が変わらないようにすることがポイントだと考えていました。

吉川:こちらの要望にも真摯に向き合っていただき、とても助かりました。

藤田様:できるだけユーザー様のご要望にも、パナソニック様のご要望にも応えたかったので色々と検討しました。その結果、パナソニック様にヘルツ電子の受信機と通信可能な無線ユニットを提供させていただくことにしたのです。もともと、当社の受信機はトルクレンチ、マーキングペン、プライヤーレンチ等の様々なポカヨケツールと連携することができましたが、それに加えてパナソニック様の得意とする低トルクの充電ドリルドライバーでポカヨケができるようになりました。ヘルツ電子の受信機を共用受信機として利用することができるようになり、ユーザー様から喜ばれています。

吉川:コラボしたことによる効果などについてもユーザー様から何かお話はございましたか?

寺田様:ポカヨケという内容もあって、ユーザー様からその具体的な数値を教えていただくことは難しいのですが、ミスが減り生産性向上には貢献できているのではないでしょうか。実際に日本で導入いただいているユーザー様から海外の工場への導入を相談されるなど、リピートしていただくケースも多く、効果を感じていただいているからこそだと考えています。

藤田様:今回のコラボにより、高トルク締結箇所のポカヨケが可能になったことから、エアツールから切り替えることができCO₂削減の観点からも助かったという話も聞きました。ユーザー様に喜んでいただいていることを実感しています。

各業界からの要望により実現したコラボ

今後の展望

吉川:今後、トレーサビリティの観点から作業実績のエビデンスをデータとして残すことがより重要になってくるかと思いますが、何か新しく取り組まれていることはありますか?

藤田様:作業実績のエビデンスを残していくために、新たなセンサーの使用や無線通信の信頼性向上のための無線デバイスの開発を進めています。さらに、これまでのポカヨケツールに加えて、危険な現場で働く作業者の安全を確保するためにヘルメットの着用や顎ひもを締めているかの確認ができる仕組みや、ガス検知器でガス漏れ等を確認した際に機械からアラートがでるだけでなく無線で管理者へ通知されるといったような「安全のポカヨケ」についての製品も拡充する予定です。

吉川:さすがポカヨケの第一人者のヘルツ電子様ですね。

藤田様:今回のパナソニック様とのコラボによって、作業者のミスをなくしどの企業様においてもますます生産性が向上することを願っています。

今後の展望

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