配光分類
配光曲線とは
照明計画の際、照明器具を選定するに当って、その光学的特性を知っておくことは重要なことです。光学的特性を示すものとしては、配光、遮光角、器具効率、上向光束、下向光束、器具間隔最大限、輝度、照明率など種々にわたりますが、最も基本的な特性は配光です。
これは、照明器具から出ている光がどの方向に、どれ程の光が出ているかを示すもので、各方向の光度について示したものが配光曲線です。配光の分類については種々の方法がありますが、ここでは屋内用照明器具について紹介します。
国際分類
これは、照明器具より出る光のうち、照明器具より上の方へ出る上向光束と、下の方へ出る下向光束の割合で分類します。
表1:国際分類
国際分類 | 上向光束(%) | 下向光束(%) |
---|---|---|
直接照明形 | 0 ~ 10 | 100 ~ 90 |
半直接照明形 | 10 ~ 40 | 90 ~ 60 |
全般拡散照明形 | 40 ~ 60 | 60 ~ 40 |
半間接照明形 | 60 ~ 90 | 40 ~ 10 |
間接照明形 | 90 ~ 100 | 10 ~ 0 |
BZ分類
英国の照明学会では、照明器具より下方に出る配光を10種類に分類し、BZ分類(British Zonal Classification)としています。
これは、照明器具より上方に出る配光については、その形状が種々の特性に余り影響せず、上方光束何%とその量のみを規定すればよいのに反し、下方の配光についてはその形状が種々の特性に影響しますので、詳しく10分類したものです。このBZ分類では、各々の配光が数式で表わされているため、電子計算機などによる数値的処理に非常に都合よくなっています。
一般的にいって、BZ番号の小さい配光ほど、真下の方へ出る光が多く、照明の効率(固有照明率)が高くなり、かつ横の方へ出る光が少なく、不快なグレアは少なくなります。
表2:配光のBZ分類
BZ分類 | 配光の式 |
---|---|
BZ 1 | 1∝cos4θ |
BZ 2 | 1∝cos3θ |
BZ 3 | 1∝cos2θ |
BZ 4 | 1∝cos1.5θ |
BZ 5 | 1∝cosθ |
BZ 6 | 1∝(1+2cosθ) |
BZ 7 | 1∝(2+cosθ) |
BZ 8 | 1=constant |
BZ 9 | 1∝(1+sinθ) |
BZ 10 | 1∝sinθ |
図1:BZ分類の配光曲線
(注)BZ分類は配光の下半球についてのものです。
この配光曲線は下半球が1,000 lm になるように描いてあります。