旧石器時代から江戸時代までの日本の歴史を考古遺物でたどる平成館1階の考古展示室。
左ボックスに見える壁の中は、国宝 銀象嵌銘大刀(江田船山古墳出土)が展示されているコーナー

色温度の異なる直管LED2灯用器具で展示物に最適な照明環境を提供

東京国立博物館では、表慶館(1909年開館)、本館(1938年開館)、東洋館(1968年開館)、2代目の法隆寺宝物館(1999年7月)に続いて同年10月に平成館が開館。それまで本館または東洋館地下で特別展が開催される場合は平常展※を縮小せざるを得なかったが、平成館2階全体を特別展専用の展示室とすることで、年間を通して平常展(本館:日本美術の流れ・平成館1階:考古展示室)が観覧できるようになった。
2014年2月から2015年4月まで閉室して、平成館の空調・照明設備を中心とした改修が行われ、東洋館に続いて平成館でも、照明器具にLEDを採用。旧石器時代から江戸時代までの日本の歴史を考古遺物でたどる1階の考古展示室は2015年10月にリニューアルオープンし、展示ケース内の既設照明を、3000K・4000Kの直管LED2灯用器具に一新した。照明器具を展示ケース内天井に設置するとともに、配光制御のため、遮光パネルや場所によってピッチの異なるルーバを装備。ケースの入り隅では対向面の光源がガラスに映り込まないように配慮されている。また、調光装置を導入することで、時代ごとのクロスの色や展示品に合わせて、色温度を3000〜4000Kに変更することが可能となった。

建築設計Report vol.33/2020年5月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

1階考古展示室の周囲全体を占める展示ケース1階考古展示室の周囲全体を占める展示ケース

展示物を照射するとともに壁面照度を明るくフラットにすることで背景をつくり、展示物を際立たせ、見やすい展示環境を実現展示物を照射するとともに壁面照度を明るくフラットにすることで背景をつくり、展示物を際立たせ、見やすい展示環境を実現

展示ケース上部に設置された直管LED2灯用器具展示ケース上部に設置された直管LED2灯用器具

国宝 銀象嵌銘大刀に象嵌された「馬」を、スペースプレーヤーで壁面に照射国宝 銀象嵌銘大刀に象嵌された「馬」を、スペースプレーヤーで壁面に照射

東京国立博物館 平成館

■展示ケース照明設備改修工事
所在地/東京都台東区上野公園
施主/東京国立博物館
電気工事/日本電設工業株式会社
リニューアル竣工/2015年10月

主な設備

● 展示ケース用照明器具(高演色・調光タイプ) ● 調光装置(ライトマネージャーFx) ● スペースプレーヤー

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