ロードサイドに立地し、車でのアクセスも便利なKFC南鹿児島店。テクノビームで無柱空間、高い天井高となった店内は
居心地の良い空間で、充電可能なUSBコンセントを備えた客席がある

高強度の木・鉄複合梁が実現した
スマートな次世代型店舗

株式会社Misumiは石油販売で創業。LPガスや家庭用水廻り商品の販売にも参入し、1965年には松下電器産業株式会社※1と代理店契約した。1970年、木造注文住宅の建設を開始。その後、パナソニック ビルダーズ グループに加盟し、2017年からはホームライフ事業部を立ち上げて新築、リフォーム事業を推進。テクノストラクチャー工法では住宅約50棟の建築実績をもつ。外食産業進出の一環として日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社(KFC)とフランチャイズ契約を締結し、現在44店を運営している。
KFC南鹿児島店はMisumi自身がテクノストラクチャー工法で新築。高強度の木・鉄の複合梁「テクノビーム」はモノトーンが基調のスマートな店内を無柱空間にし、ドライブスルーの商品受け渡し口の2mの庇も支柱無しで設置可能にした。ホームライフ事業部事業部長の髙柳氏は、「一般的な木造ではクリープ現象※2によりハネ出しの庇は下がる可能性が高い。当初からテクノビームでなければ実現できないと考えていた。当地の地盤は脆弱だが、テクノストラクチャー工法は鉄骨造よりも軽量で、木造の基礎工事で対応可能。地盤改良のコスト削減や工期短縮も実現した。今後カーボンニュートラルの観点からも、同工法で店舗建設を進める上でKFC南鹿児島店は重要な第1号店」と語る。

  • 1 現パナソニック株式会社
  • 2 材料のひずみが時間とともに増大する現象

建築設計Report vol.44/2023年2月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

SDGsにより木造建築への関心が高まるなか、木と鉄の良さを併せ持つテクノストラクチャー工法で建設。ドライブスルー部分にもテクノビームが伸びる。Misumiはすでに次の店舗建設を進めている
SDGsにより木造建築への関心が高まるなか、木と鉄の良さを併せ持つテクノストラクチャー工法で建設。
ドライブスルー部分にもテクノビームが伸びる。Misumiはすでに次の店舗建設を進めている

(左)ドライブスルーに伸びる2mのテクノビーム庇。支柱が無いため、車でスムーズに進入して商品を受け取れる(右)当地は桜島からの降灰があることから光触媒で汚れを分解する外壁材を採用
(左)ドライブスルーに伸びる2mのテクノビーム庇。支柱が無いため、車でスムーズに進入して商品を受け取れる
(右)当地は桜島からの降灰があることから光触媒で汚れを分解する外壁材を採用

特注塗装のテクノビームを現しにした天井が洗練された雰囲気を演出し、広さも感じさせる
特注塗装のテクノビームを現しにした天井が
洗練された雰囲気を演出し、広さも感じさせる

おそうじ機能や衛生面に配慮した機能も搭載するアラウーノ
おそうじ機能や衛生面に配慮した
機能も搭載するアラウーノ

ケンタッキーフライドチキン南鹿児島店

所在地/鹿児島県鹿児島市新栄町
事業主/株式会社Misumi
設計・施工/株式会社Misumi
竣工/2022年9月
建築工法/テクノストラクチャー工法

主な設備

● トイレ「アラウーノ」 ● POSレジ ● 外壁材 ネオロック・光セラ16(ケイミュー株式会社製)

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