電気自動車(EV)の電気代はいくら?ガソリン車との比較や充電料金を抑える方法を解説


電気自動車(EV)は燃料代ではなく、電気代がかかります。電気代といっても、どの程度の費用がかかるのでしょうか。本記事では、電気自動車(EV)の充電料金に関する基本情報をはじめ、ガソリン車との比較、充電料金を抑える方法などを紹介します。
電気自動車(EV)の
充電料金はいくら?
電気自動車(EV)の充電料金を考える場合、まずは普通充電と急速充電の2種類があることを押さえておきましょう。
種類 | 方式 | 主な特長 |
---|---|---|
普通充電 |
交流 (AC100V/200V) |
|
急速充電 |
直流 (DC300V~500V) |
|
充電料金を管理する場合、自宅に充電設備があるかないかで大きく2つに考え方がわかれます。自宅に充電設備があれば、自分で充電料金を管理できますが、ない場合は外出先の充電スタンドを利用することになるため、充電料金の管理は難しくなります。
電気自動車(EV)の詳細はこちらから
電気自動車(EV)保有者の「おうち充電」と「外充電」の回数比率
当社が「充電場所とおうち充電の回数比率」を調査した結果では、電気自動車(EV)を自宅で充電している方は86%に上りました。さらに、自宅以外でも充電するが、自宅で充電する回数比率は76%を占めていました。

自宅で満充電する場合、1回あたりの充電料金はおよそ600~2,900円
電気自動車(EV)の充電料金を計算する場合、2つの方法があります。電気代、走行距離、車両の電費、充電した電力量があれば、どちらの方法でも充電料金を割り出せます。
1. 走行距離から充電料金を計算する方法
(走行距離)÷(車両の電費)×(kWhあたりの単価)=充電料金
2. 充電した電力量から充電料金を計算する方法
(充電した電力量)×(kWhあたりの単価)=充電料金
※本記事では、以下の想定で計算します
- 電気自動車(EV)のバッテリー容量の想定:40kWh
- 電気自動車(EV)の電費の想定:7km/kWh
- 電気代(kWhあたりの単価)の想定:31円/kWh(令和4年7月22日改訂/公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会が「電力取引報」(「経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会」公表)における全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などに基づき、目安単価を算出したもの)
例えば、走行距離がわかる場合は「1」の計算式を適用します。仮に、200km走った場合の計算は以下になります。
200km÷7km/kWh×31円/kWh=885.71…円
自宅で充電した電力量がわかる場合は「2」の計算式を適用します。例えば、おうち充電1回にかかる充電料金を求める計算を実践してみます。仮に、おうち充電開始前には電気自動車(EV)のバッテリーの残量が20%だったとします。100%まで充電したい場合、80%分を充電することになります。
電気自動車(EV)のバッテリー容量が40kWhの場合、20%から100%までの充電容量は「40kWh×(1-0.2)=32kWh」になります。つまり、1回にかかった充電料金の計算は、以下になります。
32 kWh×31円/kWh=992円
「国産電気自動車(EV)の充電料金の目安を一覧で紹介」の項目にて後述しますが、これらの計算式を用いて一般的な国産電気自動車(EV)の1回あたりにかかる充電料金を計算すると、大体600~2,900円となります。
外充電の場合は数千円の月会費+使用料
外充電するためには、充電サービス事業者などが発行する充電カード、あるいはアプリを使って充電します。これらを利用する場合、さまざまな料金体系があります。
ここからは、国内に急速充電器9,000口以上、普通充電器で13,000口以上を持つ「e-Mobility Power(eMP)」が設定する料金プランを参考にします。

外充電の急速充電を使用する場合、1分ごとに課金される仕組みになっています。例えば、30分充電する場合は「27.5円/分×30分=825円」の使用料がかかります。つまり、外充電には月額料金とは別に充電するたびに使用料が必要になります。
この料金システムは、ほかの充電サービス事業者も大きく変わりません。そのため、外充電の料金を計算する場合、数千円の月額料金(月会費)に加えて使用料がかかるのが一般的です。どのような充電サービス事業者があるかは「外充電には『充電カード』が必要」にて紹介します。
また、それぞれの充電スタンドは電気自動車(EV)に充電できる電力量が異なるため、使用料はさまざまです。例えば、e-Mobility Powerをビジターで利用したとします。高速道路に多い50kW超の急速充電器を使用する場合は30分で「385円(5分)+77円/分×25分=2310円」かかり、道の駅など公共施設に多い25kW機の急速充電器を使用する場合は「275円(5分)+55円/分×25分=1650円」かかります。
このように外充電は充電スタンドによって使用料が異なるため、充電料金を管理することが難しいことがわかります。
おうち充電にかかる
電気代の目安はいくら?
次に、電気自動車(EV)のおうち充電にかかる電気代について考えてみましょう。電気自動車(EV)に買い替えた場合、基本的に自宅の電気代は上がります。
電気自動車(EV)の場合、充電した分の電気代が上乗せされる
電気自動車(EV)にした場合、自宅の電気代はこれまで支払っていた電気代に加え、電気自動車(EV)に充電した分の電気代が上乗せされることになります。つまり、毎月の電気代は「その月にどの程度充電したか」によって変動します。
仮に、おうち充電に月3,000円かかったとすると、これまで支払っていた電気代に「電気自動車(EV)に充電した分の電気代3,000円」が加わった金額が請求されることになります。
・電気自動車(EV)購入後に電気代が上がることに気づいていない方がいる
電気自動車(EV)はガソリン代がかかりませんが、電気を充電するコストがかかります。多くの方はまだ電気自動車(EV)を所有した経験がないため、購入時点では電気代が上がることを想定できていません。
また、電気自動車(EV)のバッテリー容量が50kWhを超えるような場合、契約している自宅の電気料金プランの容量を上げる必要があるかもしれません。その場合は、契約している電気料金プランを変更することになるため、基本料金がアップすることになります。
電気自動車(EV)に買い替える際には、おうち充電設備を整えるための初期費用がかかることも想定しておく必要があります。
・おうち充電設備を導入した場合、電気代は約1.24倍になる
当社で「充電設備導入による電気代の上昇幅」を調査するため、「電気自動車(EV)を自宅で充電するようになってから電気代がどのくらい上がりましたか」と聞いたところ、1.2倍以下と答えた方が61%、1.3倍以上と答えた方が27%でした。また、平均すると「1.24倍の上昇」という結果になりました。
平均を超える1.3倍以上を答えた方(1.3~2倍)の平均をとると、1.55倍という数値が出ています。電気自動車(EV)を購入する前に「電気代が現状の1.55倍程度増えるかもしれない」と心構えをしていれば、電気代の請求書を見て驚くようなことは防げるでしょう。

現状もガソリン車を保有する方は燃料費がかかっており、電気自動車(EV)にしたとしてもメリットとデメリットがあるため、事前に比較しておくことをおすすめします。
電気自動車(EV)のメリットとデメリットの詳細はこちらから
国産電気自動車(EV)の充電料金の目安を一覧で紹介
おうち充電の充電料金の目安として、国内の主要な電気自動車(EV)の満充電に必要な充電料金の概算を示します。計算式は「2」を適用しました。
2. 充電した電力量から充電料金を計算する方法
(バッテリー容量kWh)×(kWhあたりの単価)=充電料金
国産の主要な車種 | バッテリー容量(kWh) | 充電料金(円) |
---|---|---|
スバル ソルテラ | 71.4 | 2213.4 |
トヨタbZ4X | 71.4 | 2213.4 |
日産アリア(B6型/B9型) | 66/91 | 2046/2821 |
日産サクラ | 20 | 620 |
日産リーフ | 40/60 | 1240/1860 |
マツダMX-30EV | 35.5 | 1100.5 |
三菱ekクロス | 20 | 620 |
レクサスRZ(450e・300e) | 71.4 | 2213.4 |
レクサスUX300e | 72.8 | 2256.8 |
※本記事では、以下の想定で計算します
- ・電気代(kWhあたりの単価)の想定:31円/kWh(令和4年7月22日改訂/公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会が「電力取引報」(「経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会」公表)における全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などに基づき、目安単価を算出したもの)
外充電の利用料金の
目安はいくら?
外充電は充電サービス事業者や自動車メーカーなどの有料サービスを利用することになります。ここでは、充電カードに関する情報と利用料金について説明します。
外充電には「充電カード」が必要
国内の主な充電サービス事業者は、以下のとおりです。また、自動車のディーラーやメーカーが提供する充電サービスもあります。それぞれ利用する際は、充電カードが必要です。料金プランも多岐にわたるため、詳細はそれぞれのサイトをチェックしましょう。なお、テスラは独自の充電規格があり、自社の充電スタンド網を整備・管理しています。
■国内の事業者が取り扱う主な充電サービス
- WeCharge
- エコQ電
- ENEOS Charge Plus
- エネチェンジ
- DMM EV Charge
- TeraCharge
- PLUGOなど
■自動車のメーカーなどが提供する主な充電サービス
- EV・PHV充電サポート(トヨタ)
- ZESP3(日産)
- BMW ChargeNow(BMW)
- BYD e-Charging(BYD)
- Premium Charge Alliance(アウディ/フォルクスワーゲン)
- 三菱自動車電動車両サポート(三菱自動車)
- Mercedes Me Charge(メルセデス・ベンツ)など
外充電は充電時間に応じて加算される「時間課金制」
外充電で注意したいのは、充電時間に応じて加算される時間課金制であることです。電気自動車(EV)は充電に時間がかかるため、外出先の充電スタンドについては時間課金制が多く、最大30分などのルールが設けられている場合もあります。
充電サービスの月額利用料の例を紹介
充電料金については、日産自動車が提供する充電サービス「ZESP3」を例に取り上げます。

ZESP3には、急速充電の利用頻度に応じたプランが3つあります。日本自動車工業会の「2023年度乗用車市場動向調査 報告書」によると、乗用車保有者の58%が走行距離300km以下を示しており、全体平均の月間走行距離は362kmとなっています。
このデータをもとにすると、多くの場合は月間走行距離600km以内を想定した「プレミアム100」を契約すれば、毎月問題なく電気自動車(EV)を利用できると考えられます。
電気自動車(EV)の
電気代とガソリン代を比較
電気自動車(EV)の電気代とガソリン車などの燃料代を比較すると、一般的には電気代の方が安く抑えられます。その根拠を紹介します。
電気自動車(EV)とガソリン車で100km走行した場合のコストを比較
2024年3月に発表された国土交通省の「2023年度乗用車市場動向調査 報告書」によると「ガソリン車のJC08モード平均燃費(2022年度)」は24.3km/Lです。100km走行するためには「100km÷24.3km/L=約4.1L」のガソリンを消費することになります。
レギュラーガソリンの全国平均は174.5円/L(2024年9月11日時点)なので、ガソリン車は「174.5円/L×約4.1L=715.45円」で100kmほど走行できる計算になります。
ガソリン車100km走行にかかるガソリン代=715.45円
電気自動車(EV)の電費については、本記事では7km/kWhを想定しており、電気代(kWhあたりの単価)の想定31円/kWhと仮定して100km走行するための計算式を立てると、次のような計算「100km÷7km/kWh×31円/kWh=442.85…円」になります。
電気自動車(EV)100km走行にかかる電気代=442.85…円
これらの計算から、100km走行した場合は電気自動車(EV)の方がガソリン車より約310円安くコストを抑えることができます。
電気自動車(EV)とガソリン車で1年間走った場合のコストを比較
日本自動車工業会の「2023年度乗用車市場動向調査 報告書」によると、全体平均の月間走行距離は362kmという結果が示されています。年間の走行距離に換算すると4,344kmになります。そこで、電気自動車(EV)とガソリン車で1年間走った場合のコストを計算してみます。
・年間走行距離4,344kmに対する電気代
4,344km÷7km/kWh×31円/kWh=19,237.71…円
・年間走行距離4,344kmに対するガソリン代
4,344km÷24.3km/L×174.5円/L=31,194.56…円
年間走行距離に対するコストの差額は11,956円ほどです。つまり、電気自動車(EV)の方がガソリン車より年間約11,956円節約できる計算になります。
電気自動車(EV)の
充電料金を
安く抑えるポイント
電気自動車(EV)の充電料金を安く抑えるには、ポイントがあります。1つは、電気代や充電した電力量を把握できるおうち充電をベースに充電コストを管理することです。外充電については使用料が充電スタンドによってさまざまに設定されているため、充電コストを管理することが難しいためです。
もし外充電を含めて充電コストを管理する場合は、自分に適切な充電サービスプランを選ぶことが重要です。もう1つのポイントは電費を抑えることです。エコドライブを心がけ、走行中の消費電力を抑えることは充電料金の節約につながります。
1. おうち充電を安く抑えるため、電気料金プランを調整する
電気料金プランは1kWhあたりの単価が安いものを選ぶことが基本ですが、この場合では基本料金が高く設定されることもあります。そこで、電気自動車(EV)の使用状況を考慮すると、一般的に夜充電する場合が多いため、夜間電力プランが安いものをおすすめします。
ただし、夜間電力プランの中にも昼間の電気代を高く設定している場合もあるので注意が必要です。
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2. 外充電の料金を最適化するため、自分に合った充電カードを選ぶ
外充電用の充電カードの選び方は、日常的な車の使い方次第で変わります。例えば、長距離の外出が多い場合は、月額の固定金額に充電回数が含まれるプランがおすすめです。月額料金(月会費)が高いほど、一般的に充電単価は安く設定されています。
また、車の航続距離を超えるような外出がめったになく、近所の買い物や送迎としての利用が中心の場合は充電カードを持たず、おうち充電だけで済ませる方法もあります。通勤が中心の場合も往復の距離が航続距離以下であればおうち充電で運用可能なので、充電カードを持たない方が節約になります。
ただし、充電カードを持たずに外充電する場合はビジター利用になるため、使用料が割高になる上、ゲストとしてのアプリ操作やクレジットカードなどの支払いが必要になります。その点は会員ではないので、充電サービスを利用する際に手間や時間がかかります。
3. エコドライブを意識して電費をよくする
電気自動車(EV)のエコドライブは、ガソリン車と大きく変わりません。急ブレーキや急加速、急ハンドルに気をつけて運転することは電費効率を高めることにつながります。ガソリン車と同様、安全運転はコストの節約になります。
電気自動車(EV)はバッテリーという重量物を積むため、ガソリン車より速度維持を意識することをおすすめします。発進加速に時間をかけるよりは、素早く流れに乗って無駄な加減速は控えるのがポイントです。