2025年12月公開

東京都担当者が徹底解説!EV設備補助金の使い方!EV設備費・工事費の全額助成も!? 東京都担当者が徹底解説!EV設備補助金の使い方!EV設備費・工事費の全額助成も!?
本記事の概要

東京都では、電気自動車(EV)等の普及を後押しするため、戸建住宅やマンションなどに設置するEV充電設備に対して様々な支援策が用意されています。本記事では、東京都環境局の安達氏へのインタビューをもとに、最新の補助制度の仕組みと活用ポイントを詳しく解説。集合住宅・戸建て住宅それぞれの補助金や申請の流れ、さらに通信機能付き充電器(IoT対応)を選ぶメリットまで、専門的かつ実践的に紹介します。これからEVを購入する方、自宅充電を検討中の方は必見の内容です。

安達 紀子

東京都EV充電設備
補助金の専門家
安達 紀子

東京都 環境局 総務部
広報担当課長

小澤 瞳

おうちEVチャンネル MC
小澤 瞳

静岡県出身のフリーアナウンサー。

神谷 崇

おうちEVチャンネル編集長
神谷 崇

パナソニック株式会社
エレクトリックワークス社
新規ソリューションセンター

EV充電器が
「当たり前」になる未来へ
東京都環境局の取り組み

東京都の「ゼロエミッション東京戦略」では、CO2排出実質ゼロを実現するための取組等をまとめており、その取組の一つとして、2030年までに都内で販売される新車の100%非ガソリン化(EV・燃料電池車・ハイブリッド車等)を目標に掲げています。
また、車両と併せて、「EV充電設備の普及」も促進しています。
ポイントは以下の3つに整理できます。

  1. 1.都民のEV充電設備導入を支援する経済的な後押し
  2. 2.集合住宅など充電設備の設置に課題がある環境への支援強化
  3. 3.再生可能エネルギーとの連携による都市の脱炭素化

環境局によると、EVが普及した国では自宅充電の利用率が8割程度となっており、EVの普及には、自宅充電ができる環境が重要だといいます。
補助金制度は、その社会インフラを作るために機能しているのです。

集合住宅・戸建て住宅別の
補助内容と対象条件

集合住宅向け補助制度

東京都内の世帯の約7割が集合住宅に居住しています。
そのため、マンションや賃貸住宅へのEV充電設備導入が普及のカギを握ります。
しかし、集合住宅への充電設備設置には課題がいくつかあり、都の支援策はこうした課題を乗り越えるための一助として設計されています。

環境局では、集合住宅に対して特に手厚い支援策を用意しています。※国補助金との併用可

  • 対象者充電設備の所有者(管理組合、賃貸オーナー等)
  • 対象設備国の認定を受けたEV充電器
  • 対象経費設備購入費+設置工事費
    • 補助率
      (設備購入費)
      超急速・急速充電設備 10/10、普通充電設備等 1/2
    • (設置工事費)10/10

この他、通信機能付き充電設備の上乗せ補助や、設置後の運用経費(電気代基本料金)等も支援あり

  • 機種ごとの上限、助成対象経費等の条件あり
  • 支援体制「東京都マンションEV充電器情報ポータル」での情報提供、マンションアドバイザー無料派遣、無料オンラインセミナー開催、充電サービス事業者個別相談会 等

合意形成が難しい、設置場所が限られているといった課題には、充電設備の設置に詳しい専門アドバイザーの派遣制度を用意。
制度と技術の両面で、導入から運用までを後押ししています。

2025年度 集合住宅への設置段階の補助金サポート

戸建て住宅向け補助制度

一方で、個人宅向けの支援も用意されています。
特徴は「設置後の申請が可能」な点。すでに工事を終えた人でも、令和7年度の場合は、令和6年4月1日以降に設置したものについて助成対象となります。

  • 対象者充電設備の所有者
  • 対象設備国の認定を受けたEV充電器
  • 補助条件通信機能なしの場合は太陽光発電システムや再エネ100%の電力契約が必要

要件を満たす通信機能付きの充電器を選べば、補助金の上限が変わります。
将来的な電力制御や遠隔管理を考慮すると、初期投資以上のメリットが得られるかもしれません。

申請前に知っておくべき
ポイント
失敗を防ぐ3つの注意点

補助金申請では、見落としがちな“落とし穴”もあります。
特に多いのが「申請前に工事を開始してしまう」ケースです。
集合住宅では、交付決定前に着手した工事は助成対象外となるため、必ず手続きを先に行うことが必要です。
申請の基本フローは以下の通りです。

  1. 1.集合住宅:事前申請 → 審査 → 工事 → 実績報告 → 補助金交付
  2. 2.戸建て住宅:工事完了 → 事後申請 → 審査 → 補助金交付

また、集合住宅では「電気代負担のルール化」「駐車区画の選定」など、運用設計も欠かせません。
東京都は、こうした合意形成を支援するために「マンション管理アドバイザー」を派遣し、導入検討段階において専門家が助言を行い、スムーズな合意形成をサポートしています。
申請書類には、設計図面や見積書、設置写真など複数の資料が必要です。
「少しでも迷ったら、補助金申請窓口の“クール・ネット東京”や、専門家の相談等を利用して確認することが大切です。」と環境局担当者は話します。

通信機能付きEVコンセントの
メリット
再エネと連携する未来へ

東京都の補助金制度では、通信機能付き充電器も対象となっています。
これは単なる技術的なオプションではなく、次世代エネルギー社会を支える基盤でもあります。
通信機能を備えた充電器は、再生可能エネルギーと連携して電力を最適化できます。
例えば太陽光で発電した電力を使って自動充電する、電気料金の安い時間帯に充電するといった制御が可能です。
また、スマートフォンから遠隔で充電の開始・停止を操作できるため、盗電防止や節電管理にも効果的。
夜間に自動で充電する「スマート充電」機能を備えた製品も増えています。
「IoT EVコンセント(パナソニック)」は、東京都の補助金対象にもなっており、家庭の電力契約や再エネ利用に合わせて充電スケジュールを調整できる設計。
こうした製品の導入が進めば、「エネルギーを使う」から「エネルギーを管理する」暮らしへと変わっていくでしょう。

EVコンセント+IoT 制御モジュール

EV補助金を活用して
“損しない”導入を
実現するために

EV充電設備の補助金制度を正しく理解し、計画的に申請することで、導入コストを抑えることができます。
東京都 環境局の補助金利用(集合住宅の場合)では、通常次のようなステップで手続きが進められます。

  1. 1.補助対象設備の確認(国の補助対象製品か、通信機能付きか等の補助条件確認)
  2. 2.制度相談・見積もり依頼(分譲マンションの場合は管理組合内で合意形成)
  3. 3.申請書類の準備と申請手続き
  4. 4.設置工事・実績報告・補助金受領

「東京都マンションEV充電器情報ポータル」では、補助金情報だけでなく、導入事例や充電サービス事業者のリストも公開されています。
また、環境局では定期的にオンラインセミナーが実施され、最新制度や事例の説明等が行われています。
補助金は予算枠が限られており、申請の早い順に受付が進む傾向にあります。
早めの情報収集と準備が重要になってきます。

まとめ:EV充電は
「未来への投資」

本日のポイント

東京都のEV充電設備補助制度は、単なる費用支援ではなく、都市のエネルギー基盤を変える政策となっています。
自宅でEVを充電することは、東京の脱炭素化、そして日本全体のゼロエミッション社会の実現につながります。
自宅に1つの充電器を設置すること。それが、これからの都市インフラの整備に向けた一歩となります。
東京都の補助金制度を活用し、あなたの暮らしから「ゼロエミッション東京」を始めてみましょう。

安達 紀子

東京都EV充電設備
補助金の専門家
安達 紀子
東京都 環境局 総務部
広報担当課長

東京都庁入庁後、廃棄物や下水の分析・研究、都全体の環境政策分野の計画策定、国際会議の開催等を担当。環境局では、排出量取引制度や集合住宅の省エネ・再エネ、EV充電設備の設置等も担当。

小澤 瞳

おうちEVチャンネル MC 小澤 瞳
静岡県出身のフリーアナウンサー。

every.しずおかのキャスターなどを経て、おうちEVチャンネルのMCに就任。
趣味:ドライブ / 読書 / クラシック鑑賞 / 1人ディズニー
資格:普通自動車免許 / 茶道表千家習事

神谷 崇

おうちEVチャンネル編集長
神谷 崇
パナソニック株式会社
エレクトリックワークス社 新規ソリューションセンター

パナソニック株式会社にて、国内外のマーケティングコミュニケーション企画・制作の経験を経て、新規事業部門を兼務。

お役立ち情報一覧に戻る

パナソニックの電気設備のSNSアカウント