※動画内の社名・組織名は取材時のもので、最新情報とは異なる場合がございます
- 約1,000世帯がくらすスマートタウンの使命、ライフライン3日間確保。
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日本の電力網は停電しないということが常識のようになっていました。しかし、東日本大震災の経験から、太陽光発電システムと蓄電池の活用などを通じた安心・安全な街づくりが求められるようになりました。震災後に生まれるスマートタウンであり、約1,000世帯もの家族がくらす街として、Fujisawa SSTは、安心・安全目標CCP(コミュニティ・コンティニュイティ・プラン)として、ライフライン確保3日間を設定。これは、非常時に企業が事業を継続するための行動目標BCP(ビジネス・コンティニュイティ・プラン)の考え方を街づくりに取り入れたチャレンジングな試みです。
非常時のためのハードとソフトの備え
- 創蓄連携システムや住人の意識の醸成により
ライフライン確保を実現
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- <ハード面の取り組み>
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全住戸に太陽光発電システムとリチウムイオン蓄電池に加えて、エネファームも制御できる「創蓄連携システム」をあらかじめ導入しています。停電時も太陽光で電力を創り、余ったぶんは蓄電池に貯めておく。そして、夜間や雨天は蓄電池に貯めておいた分で必要な電力をまかなうことができます。さらに、停電時は、バックアップ回路に自動的に切り替わり、照明、冷蔵庫、通信機器などの必要最低限な設備機器に電力が分配されるように設定。エネファーム付きの住宅はお風呂や給湯も可能です。また、各住戸の蓄電池で門灯をバックアップすることで街中に明かりが灯り、街の安全性を保ちます。
- <ソフト面の取り組み>
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ハード面の備えを非常時も有効に活用するため、日々のくらしから住人の意識を醸成する取り組みを実施していきます。10〜20世帯ごとに共助グループをつくり、防災活動の組織化により非常時に備えます。また、タウンマネジメント株式会社や自治組織Fujisawa SSTコミッティが主催する防災イベントも年間行事として実施していきます。
コミュニティソーラー概念図
- 住人と周辺地域の非常用電源になる「コミュニティソーラー」
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街の南側に再生可能エネルギーシステム「コミュニティソーラー」を設置します。平常時は、電力系統に電力を供給し、地域全体の再生可能エネルギー採用率の向上に貢献します。非常時には、住人はもちろん周辺地域の人々の非常用コンセントとして開放。携帯電話やLEDランタンなど、非常時に必要となる機器の電力として使用できます。「コミュニティソーラー」を設置する場所は狭い場所ですが、発電量トップクラスを誇るパナソニックの太陽光発電システム「HIT」を使うことで最大限の発電を可能にしました。
事業スキーム
- 藤沢市としてはじめてとなる「PPP事業」の実現。
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コミュニティソーラーを設置する場所は、藤沢市の下水道用地で地上部分は植栽帯でした。パナソニックは、そこを地域のために活用することができると発想し、コミュニティソーラーを設置することにしました。計画当初は、藤沢市から公共用地を民間企業に貸すことは難しいとの回答でしたが、パナソニックでは、Fujisawa SSTのためだけではなく地域の人々の非常用電源として開放する旨を説明させていただくことで設置が実現。結果として、藤沢市としてはじめてとなる官民が協力して公共サービスを運営する「PPP事業」となり、地域防災対策と再生可能エネルギー普及の新しいモデルとして注目されています。
- デマンドサイドからサプライサイドへ、エネルギーの新しい流れ。
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「コミュニティソーラー」は稼動可能な置き基礎方式を採用。個別分散型ソーラー事業のモデルとして広域展開をめざしていきます。
これまでの電力の流れは、サプライサイドからデマンドサイド、つまり電力会社から各家庭へ一方的に供給していました。これからは家庭から電力会社に余剰電力を供給する時代に向かっていくと思われます。全住戸に太陽光発電や蓄電池、創蓄連携システムを装備し、災害時には住人はもちろん周辺地域の人々にまで電力を供給する。Fujisawa SSTは、日本のエネルギー環境の新しい姿を予感させ、その効果によってエネルギー環境の進化を促していく先進のスマートタウンになります。