コミュニティの醸成を図った「街カド広場」

ふれあい・交流の場を重視した重量鉄骨の災害公営住宅

東日本大震災で甚大な被害を受けた釜石市で、提案型買い取り方式による只越復興住宅3号棟・4号棟が竣工した。これは、民間業者の提案を受け、設計・建設された建物などを釜石市が買い取る制度。先導的に復興公営住宅を建設することで、市民に対して安心で豊かな生活が営めることを示すとともに、市の施策であるフロントプロジェクトや近隣の復興公営住宅を含む地域コミュニティの活性化を目的としている。
只越3号棟は6階、4号棟は7階建ての集合住宅。工業化住宅により工期短縮を図るとともに、耐力壁が不要という重量鉄骨ラーメン構造の特性を生かし、将来にわたって間取りを柔軟にレイアウト変更できることが評価された。
施設が行政・商業再生・水産業再生ゾーンの交点にあることから、地元住民へのヒアリングによって施設を“ふれあい・交流の場”とすることを計画。建物外部に近隣の賑わいを呼び起こす『街カド広場』を配置。万一の災害時のために、地域住民も利用できる防災倉庫も装備している。また、建物各階共用部には各住戸からアクセスできる『みんなの広場』を設け、住民相互が見守ることのできる空間が創り出されている。

建築設計Report vol.19/2016年11月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

コミュニティの醸成を図った「街カド広場」

「街カドテラス」

暖かい屋内空間の「みんなの広場」

「みんなの広場」に隣接した集会所

1階に設けられた防災倉庫

各戸に2方向通風と採光を供給する風のトンネル

LDK

システムバスルーム(左)と洗面ドレッシング(右)

主寝室(和室)

只越復興住宅「街カド広場」のゾーニング計画

*写真・図面はすべて3号棟


只越復興住宅

所在地/岩手県釜石市只越町
発注者/岩手県釜石市
事業主/パナホーム株式会社
設計・施工/パナホーム株式会社
竣工/2016年3月(3号棟)
2016年8月(4号棟)
構造/鉄骨造6階(3号棟:19戸)
鉄骨造7階(4号棟:27戸)

主な設備

● 重量鉄鋼造「ビューノ」 ● システムキッチン ● システムバスルーム ● 洗面ドレッシング ● LED照明器具 ● 住宅分電盤 ● 内装建材

東北復興ソリューション

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