雲仙普賢岳に連なる山裾に建設された、各棟が回廊で結ばれている太陽寮

子どもたちの健やかな成長を支え、災害時にも地域に貢献できる施設


1906(明治39)年、長崎市十人町に創立され、約115年にわたって社会福祉施設事業を展開してきた社会福祉法人みのり会。1948年に児童福祉法による児童養護施設として認可を受けた太陽寮が、2020年3月にテクノストラクチャー工法によって新たな施設として建設された。
ここでは社会養育として、5歳から18歳まで、6人の子どもを一つのグループとして生活ができるように計画され、生活棟8棟と管理棟など10棟が回廊で結ばれている。「地盤改良工事が不要な木造にしたいと思っていたが、地域のイベントにも利用できる多目的ホールや講堂を設けたかった。そこで、建築士さんから耐震性にも優れるテクノストラクチャー工法を紹介され、採用を決めた。また、建設直前の2016年に熊本地震があり、災害時に地域を支える役割の重要性を再確認した」と語るのは、太陽寮寮長の戸泉茂樹氏。「生活棟は明るく家庭のような環境で子どもたちが育ち、自立して巣立つ場として、個室や二人部屋を設けている。共用部は梁が露出していて、ワクワクするような空間となった。今後は、交流スペースを地域の方がふらっと遊びに来られるような場所にして、地域との交流を深めていきたい」と想いを語る。

建築設計Report vol.35/2020年11月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

木造で8.55mのスパンを実現する管理棟講堂のグランドテクノビーム木造で8.55mのスパンを実現する
管理棟講堂のグランドテクノビーム

竣工後の広々とした講堂(手前)と多目的ホール(奥)竣工後の広々とした講堂(手前)と多目的ホール(奥)

テクノビームの梁を現した生活棟共用部テクノビームの梁を現した生活棟共用部

配置図

建築意匠と一体化した雨とい
建築意匠と一体化した雨とい


社会福祉法人みのり会 太陽寮

所在地/長崎県島原市南崩山町
施主/社会福祉法人みのり会
設計/株式会社建友社設計
施工/株式会社森美工務店
竣工/22020年2月
建築工法/テクノストラクチャー工法

主な設備

● 雨とい(サーフェスケア FS-Ⅱ型+JIS管) 

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