有人アバターによる非接触型チェックインが行われているフロント。
スペースプレーヤーがウエルカム映像を投映している

ホテル経営DXの実証実験を住空間形次世代ホテルで実施

次世代型スマートホテル「Minn 蒲田」で、フロントにおける遠隔コミュニケーションサービスと客室の電力計測・遠隔制御の実証実験が行われた。ホテルでは人件費が全体の支出の約40%を占めており、省人・省力化が課題となっている。
今回導入されたシステムは、遠隔地のフロントスタッフがディスプレイのアバターを介してゲストの問い合わせなどの接遇を行うもの。また、客室ごとにAiSEG2を設置して、各室の電力計測や電気機器の利用把握、空調・照明のスイッチ制御を行い、さらなるコスト削減にも取り組むという。
ホテルを運営する株式会社SQUEEZEの取締役 COO 山口 陽平氏は「当社は観光・ホテル業界のアップデートを図る、オペレーション×テック企業。自社でもクラウド型ホテル運営を行い、国内経営ホテルのフロント業務はほとんどカンボジアで行っている。今回、パナソニックと共同で行ったのは、エンターテインメント性をプラスした無人運営で、効果に期待している。また、客室・家電単位の電力使用量モニタは画期的で、泊数や人数ごとの利用が把握でき具体的な対策が取れる。結果として8月は機器コントロールにより約30%の削減効果があった。今後は分析をさらに進めて、適切なコントロールを図りたい」と語る。

    建築設計Report vol.39/2021年11月発行
    ※会社名、役職名などは取材時のものです。

    利用者のようすを確認しながら対話するオペレータ アバターはオペレータの動きと声・しぐさに連動する
    利用者のようすを確認しながら対話するオペレータ。
    アバターはオペレータの動きと声・しぐさに連動する

    各客室にキッチン、バス、洗面の設備があり、設備と家電が電力計測されている実験の結果、浴室乾燥機の電力使用量が高いことが確認された
    各客室にキッチン、バス、洗面の設備があり、設備と家電が電力計測されている。
    実験の結果、浴室乾燥機の電力使用量が高いことが確認された

    チェックイン・アウト時の各部屋の電力一括オン・オフが可能
    チェックイン・アウト時の
    各部屋の電力一括オン・オフが可能

    電力コントロールの詳細設定も可能
    電力コントロールの詳細設定も可能

    各部屋の電力使用量もスマートフォンで確認可能
    各部屋の電力使用量もスマートフォンで確認可能

Minn 蒲田

■ホテル経営DX実証実験
所在地/東京都大田区西蒲田5-18-18
事業主/株式会社SQUEEZE
システム設計・施工/パナソニック システムデザイン株式会社
実施期間/2021年4月〜10月

主な設備

[実証実験]
● AttendStation™ ● AiSEG2
[施設]
● スペースプレーヤー ● LED照明器具 ● システムキッチン ● システムバスルーム ● 全自動おそうじトイレ「アラウーノ」 ● エアコン ● 温湿度センサ

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