福島県環境創造センター 交流棟 コミュタン福島
「ふくしまの環境のいま」ゾーンでは、正面に震災から経過した時間を示す3.11クロックが置かれている
福島の環境回復・創造に向けた対話と共創の場
福島県環境創造センターは、福島県の環境を回復し、県民が将来にわたり安心して暮らせる環境を創造するための総合的な拠点として、2016年7月に開設された。
福島県のほか、国の研究機関が入った同センターは、「モニタリング」「調査研究」「情報収集・発信」「教育・研修・交流」などの機能を担う。その教育・研修・交流のために建設されたのが交流棟「コミュタン福島」。子供たちや県民とともに福島の未来を創造する、対話と共創の場として位置づけられている。
ここでは、展示体験を通して放射線に対する県民の不安や疑問に答え、環境問題を身近な視点から理解することができる。体験型の展示や360度の映像が体験できる全球型ドームの環境創造シアターが設けられている。
環境創造シアターの壁面には、福島を代表する四季をモチーフとしたプロジェクションマッピングが投映され、反対側の壁面には、この施設を訪れた人たちからの多数のメッセージが投映されている。
また、館内には170インチの大型スクリーンを備えた194席のホールもあり、講演会や研究発表会などが開催されている。
建築設計Report vol.20/2017年2月発行(改定:2020年2月)
※会社名、役職名などは掲載時のものです。
天井に間接照明が設けられた吹き抜けロビー
壁面には来館者のメッセージをスクロール表示している
「環境創造ラボ」では8台のスペースプレーヤーが緑のアイコンを投映
原子力災害との闘い、復興への歩みを映す「ふくしまの歩みシアター」
放射線について学習できる「放射線ラボ」
170インチの大型スクリーンを備え、国際会議にも対応できるホール
福島県環境創造センター 交流棟 コミュタン福島
所在地/福島県田村郡三春町深作10番2号
施主/福島県
設計/久米設計・阿部直人設計共同体
建設工事/オオバ・白鳳社・伊藤建設
特定建設工事共同企業体
電気工事/高柳電設工業株式会社
展示設計/株式会社トータルメディア開発研究所
オープン/2016年7月
主な設備
● LED照明器具 ● LEDスポットライト ● スペースプレーヤー ● DLP方式プロジェクター