パナソニック東京汐留ビル 執務フロア 22階
壁に市松状に吸音ボードが設置され、吸音性能の高いカーペットが採用された小部屋。
改修前後で4回にわたって残響時間が計測され、WELL認証の残響時間の項目を満足することが検証された
改修に伴う環境音の変化を数値化し
「環境音ソリューション」の提供に活かす
パナソニック東京汐留ビルでは、空間ソリューションの知見を活かして順次オフィスをリノベーションしている。営業部門が入る22階では、チームのメンバーが近い場所で仕事ができるグループアドレス制を採用。グループアドレスデスクの端には、短時間で軽く上司や同僚と確認したい時に活用する「ちょい打ち合わせスペース」を設置。吹き抜け部や、その他の執務エリアにある打ち合わせスペースでは、電源が無いエリアでも必要な時に必要な場所に電源供給できる「イーブロック」を配置した。また、同様な什器が連続することで空間が単調にならないように柱に装飾を加えるとともに、仕切りやパーティションに積極的に植栽を採用している。
特徴的なのは小部屋に設けた「環境音ソリューション」。改修に伴う環境音の変化を計測し、各工事フェーズでの吸音材の導入効果を数値化した。測定したのはWELL認証の加点項目ともなる残響時間で、0.6秒以内※に収まることが評価ポイントとなる。そこで、小部屋の改修前後に計4回測定。改修後の残響時間が0.6秒以内に収まる理想的な音環境が実証できた。今後は、音測定・シミュレーションを「音ソリューション」の一つとして提供することが計画されている。
- 280m³未満の場合
建築設計Report ワークスペース空間ソリューション事例集/2024年7月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。
デスクの端に設けられた「ちょい打ち合わせスペース」
通路脇に置かれれたシンボルツリーの横で腰かけてカジュアルに会話
空間が単調にならないように、柱を緑色のグラフィックで装飾し、植栽も各所に配置
通路とデスクを緩やかに仕切る植栽
打ち合わせ者を緩く目隠しする植栽を取り入れたパーティション
PC作業の合間に外を眺めて目を休められる窓側ソロワークスペース
撮影:Nacasa & Partners
残響時間測定結果
パナソニック東京汐留ビル 執務フロア 22階
■オフィス・リノベーション工事
所在地/東京都港区東新橋
事業主/パナソニック株式会社
内装工事/パナソニックEWエンジニアリング株式会社
竣工/2024年6月
主な設備
● 空間見える化ソリューション ● 環境音ソリューション ● SOLO BASE ● イーブロック ● イーブロックスタンド ● イーブロックステーション