TO-REI 成長支援センター
人で混雑する施設入口の受付に設置された「エアリーソリューション(シーリングタイプ)」
人で混雑する研修施設の受付に
空気環境を改善する設備を導入
空調設備の設計・施工・メンテナンスなどを行う東京冷機工業株式会社は、社員研修施設を2022年7月に移転した。5階建てのビルは、ルーバーや庇により日射を遮蔽するなどのパッシブ技術に、LED照明や高効率空調などのアクティブ技術を加え、太陽光発電や蓄電システムにより再生可能エネルギーを活用することでZEB Readyを取得。社内外研修者が空調設備の一次診断ができるスキルを獲得できるように計画された、設備に触れて施工が学べる体験型の研修施設である。
ここでは、空気の重要性を訴求するため、温湿度やCO₂濃度が混雑度によってどのように変化するかを体感し、可視化する「空間見える化ソリューション」が導入された。5階建てビルの各部屋に温湿度やCO₂センサを設置し、デジタルサイネージに空気環境をリアルタイムに表示。環境設定値より高くなると画面が変化し、担当者にメールが届く。また、入場時に多くの人が待機する施設入口の受付には、混雑時の空気環境配慮として「エアリーソリューション」が導入された。天井が高い空間を生かすため、ルーバーを片側天井吊りとして適切な高さを確保するとともに、前面扉メンテナンス方式によりHEPAフィルターの交換も容易に。木質インテリアとも調和させている。
建築設計Report vol.44/2023年2月発行(改訂:2023年7月)
※会社名、役職名などは取材時のものです。
「エアリーソリューション」の効果を説明するタブレットに電力を供給している可搬型バッテリー「イーブロック」
「エアリーソリューション」の効果を説明するタブレットに電力を供給している可搬型バッテリー「イーブロック」
一体型LEDベースライト「iDシリーズ」が採用された4階 研修室(4)
一体型LEDベースライト直付型「スクエアシリーズ」が採用された3階 展示エリア
(上)1~5階の環境を一目で確認できる「空間見える化ソリューション」のサイネージ
(下)1階の環境を表示するサイネージ。混雑するとゾーンの色が変化する
温湿度センサやCO₂センサの無線データを収集するスキャナ
人の混雑度を測るAI機能搭載ネットワークカメラ
屋上に設置された太陽電池モジュール
ピークシフトに利用するリチウムイオン蓄電池
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■エアリーソリューション・空間見える化ソリューション工事
所在地/東京都北区上中里
施主/東京冷機工業株式会社
設計・施工/パナソニックEWエンジニアリング株式会社
設備竣工/2022年9月
主な設備
● エアリーソリューション ● 空間見える化ソリューション ● 太陽光発電システム ● 蓄電システム ● イーブロック ● イーブロックスタンド ● LED照明器具