宮城県 松島離宮
離宮庭園の岩壁を小型LEDフルカラー投光器「ダイナワン」、植栽の紅葉を「彩光色スポットライト」によりライトアップし
レツルタワー塔頂の金箔貼り相輪を「ダイナシューター」で際立たせている
松島観光の新拠点をフルカラーでダイナミック演出
被災したマリンピア松島水族館の跡地に整備された「宮城県松島離宮」は、飲食・物販店舗をはじめ、宮城県松島離宮博物館や多目的利用の離宮ホールを擁する松島観光の新拠点。背後には岩山を備えた離宮庭園が設けられ、紅葉(もみじ)や桜など、日本古来の樹木が植えられている。
宮城県が水族館跡地における誘客の仕組みを公募し、プロポーザルによって丸山株式会社のプランが採択された。同社の経営推進事業本部 本部長の新沼史智氏は「観光客が滞在できる場所だけでなく、地域住民の交流拠点として計画した。
ヤン・レツル氏の設計で1913(大正2)年に開業し、松島の人たちに親しまれていた『松島パークホテル』を意匠的に継承している。当時のホテル正面にそびえていた十角三重塔を、遺された設計図に基づいて職人による手仕事で忠実に再現し『レツルタワー』と名付けた」と語る。
夜には建物と豊かな植栽に覆われた庭園全体で季節に合わせたライトアップ演出が行われている。新沼氏は「松島の福浦橋のライトアップを見てパナソニックの器具に決定した。今後、松島エリア全体のライトアップが実現できれば、同一システムの方が演出の可能性も広がるのでは」と将来の松島の夜を展望する。
●2020年照明普及賞受賞
建築設計Report vol.39/2021年11月発行
※会社名、役職名などは取材時のものです。
グレアレスダウンライトと小型投光器により柱を際立たせているファサード
「ダイナワン」でダイナミックな演出が行われている離宮庭園の岩壁を屋上から望む
「宮城県松島離宮博物館」に設置されたスポットライト
ワークショップに利用される「離宮ホール」に設けられたシームレス建築化照明
料金所に設置されたデジタルサイネージ
物販店舗内のデジタルサイネージ。
表示データはネットワーク管理されている
宮城県 松島離宮
所在地/宮城県宮城郡松島町
事業主/丸山株式会社
設計/菅野宏史建築設計事務所
照明設計/ライティング ラボラトリー合同会社
竣工/2020年10月
主な設備
● ダイナワン ● ダイナシューター ● シームレス建築化照明 ● LEDダウンライト ● LEDスポットライト ● デジタルサイネージ