福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校
トップアスリート系列の活動を支える体育施設の一つ「アリーナ2」はバドミントン10面を備える
双葉郡・日本・世界の未来に貢献できるグローバルな人材育成を目指す
福島県双葉郡では、原発事故により8町村の5つの高等学校が休校となり、県内各地でサテライト校として授業が行われてきた。このような中、8町村は「福島県双葉郡教育復興ビジョン」を策定。中高一貫教育を実現する場を新設すると明記した。2015年4月、ふたば未来学園高等学校が開校。復興を果たすグローバルリーダーの育成構想が評価され、福島県内初のスーパーグローバルハイスクールに指定された。2019年3月には、多目的ホールやアリーナ、寄宿舎などが装備された中高一貫校が竣工した。ここには、アカデミック系列・トップアスリート系列・スペシャリスト系列という3系列の総合学科が設けられており、5校の伝統や強い想いが継承されている。「双葉郡は、地震・津波に加え、原子力災害という、今まで人類が経験したことのない災害に見舞われた。ここで急速に進んでいる少子高齢化や過疎化は、SDGs(持続可能な開発目標)の視点からすると世界が直面している課題。これを解決するには、自分を変え、地域を変え、社会を変える人材が必要になる。その資質として『自立』『協働』『創造』を掲げ、自主性を育む場を用意した。このような場を活用して将来のグローバルリーダーを育てたい」と同高等学校 教頭の山本 健弘氏は語る。
建築設計Report vol.32/2020年2月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。
ディスカッションなどで自主性を育むALS(アクティブ・ラーニング・スペース)
一体型LEDベースライト iDシリーズが採用された普通教室
上下階のアクセスにも利用される階段教室
地域協働スペース:caféふう(奥)では生徒がケーキやコーヒーを提供し、NPOカタリバが生徒の学習指導にあたる
ライン状の照明がシャープな印象を与える図書室
演劇をはじめとした講演やシンポジウムが行える多目的ホール「みらいシアター」
バスケットコートが3面取れる「アリーナ1」
一体型LEDベースライト iDシリーズが採用されたアリーナ棟の柔道・レスリング場
アリーナ棟の剣道場
学校配置図
福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校
所在地/福島県双葉郡広野町
事業主/福島県
設計/辺見・阿部設計共同体
施工/横山・陰山・清水建設共同企業体(体育施設棟)
田中・堀江 特定建設共同企業体(特別教室棟)
横山・亀谷 特定建設共同企業体(普通教室棟)
田中・常磐 特定建設共同企業体(寄宿舎)
電気工事/高柳電設工業株式会社(体育施設・特別教室・普通教室棟)
三浦電気工事株式会社(寄宿舎)
竣工/2019年3月
主な設備
● 一体型LEDベースライト iDシリーズ ● LED高天井用照明器具 ● LED照明器具 ● 照明制御システム ● 設備時計 ● スイッチングハブ ● 換気システム(寄宿舎)