• 千年、出会えなかった表情がある。 金沢城公園 玉泉院丸庭園
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施主:石川県 設計:石川県公園緑地課、営繕課 設備設計:株式会社五洋設備事務所 照明デザイン:株式会社近田玲子デザイン事務所 電気工事:東洋電建株式会社 株式会社柿本商会 東亜電機工業株式会社

金沢城玉泉院丸庭園。庭園全体を昼とは違う夜の景色として
愉しめるよう、変化に富んだ石垣をスクリーンに、
あかりが琴や笛の調べに呼応する演出を開発。
古都の夜に四季折々の庭園の姿を際立たせていった。

国宝の本質を引き出す光 動画

LIGHTING POINT 演出を最適化する光の色を探し出し音楽に呼応する演出プログラムも作成

庭園の石垣に
映える色を光で表現

庭園の南側に立ち上がる金沢城の石垣は、金沢産の戸室石を積んだもの。赤味がかった色から緑色系、灰黒色まで多彩な色合いの自然石をまだらに組み合わせている。夜の照明演出では、その石垣を四季折々の色で照らし出すことを目指した。石垣の色サンプルを用いた照射実験でRGBの比率を調整して7色のベースカラーを設定。現場でも投影テストを繰り返して、照明デザイナーが思い描いた色に浮かび上がる照明を実現した。

図:石垣の昼と夜

色味が異なる戸室石を積んだ金沢城の石垣(写真左)。石の色合いによらず、イメージした色の光を表現している

数カ所に分かれている石垣を、地上に設置した計186台の小型LED照明器具で演出する。あらかじめ設定した7色のベースカラーをもとに、「DMX制御」という手法を用いて、一台一台が発する光を微調整した。一台ずつ微妙に異なる光を専用コントローラーで一括制御し、石垣全体としてまとまりのある光の表現を実現している。

不安定な地面に取り付けた約150台のLED照明器具から石垣を照らす。一台ずつ異なる光を発する器具をコントローラーで一括して制御する

不安定な地面に取り付けた約186台のLED照明器具から石垣を照らす。一台ずつ異なる光を発する器具をコントローラーで一括して制御する

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和楽器の演奏に呼応する光

約7分間の光の演出のラストを飾る特別演出は、オリジナルの和楽器の演奏をバックに光が舞う。音と息の合った光を実現するために、独自のカラー演出シミュレーションソフト「カラーワークス」を用いたプログラムを、今回、新たに作成した。音のリズムや強弱などに呼応して、光の色が変化するスピードや明るさのアクセントを調整する。実際に光のプログラムを組む作業では、器具一台ずつで最適なRGBの配分や明るさの値を導き出し、最終的には現場での“リハーサル”で微調整した。

図:カラー演出シミュレーションソフトで石垣全体の光の明るさや動きを確認しながら検討を進めた

カラー演出シミュレーションソフトで石垣全体の光の明るさや動きを確認しながら検討を進めた

図:変化する光の演出

バックに流れる和楽器の演奏のリズムや強弱に合わせて変化する光の演出。

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演出テーマとタイムスケジュール

光の演出は、毎週金曜・土曜、祝前日などの日没から21時まで、約7分間のセットを繰り返す。ワンセットは五部構成。前半に60秒ずつの静的な演出が三部あり、季節ごとに変わる二部構成の動的な特別演出が続く。ラストの特別演出では、オリジナルの雅楽とぴたりと息の合った光の演出を見ることができる。

図:演出テーマとタイムスケジュール
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