ベイシアは関東圏を中心に139店舗を展開する大型チェーンストアだ。「ベイシア 安中店」は、群馬県安中市にある総面積2234.5坪という大面積の「スーパーセンター」で、食品のほかに衣料品、生活雑貨、服飾雑貨、玩具と幅広いジャンルの商品が並ぶ。スーパーセンターのコンセプトは「ワンフロア、ワンストップですべてがそろう」ことで、この業態はベイシア全体で44店舗ある。
ベイシア 安中店は、4月にリニューアルオープンした。改装のポイントは食品フロアの強化で、130坪以上増床して813坪とした。さらに衣料品・雑貨と食品の間の通路を広くとって、食品ゾーンからよく見えるようにし、デイリーに食品を買いに来るお客様をほかのゾーンに導くように工夫している。
食品ゾーンは、入り口から右回りに青果、鮮魚、精肉、総菜と各コーナーが続いている。これらの生鮮食品群は同社が最も力を入れている部分であり、ここに彩光色が使われている。ポイントは赤を美しく見せることで、青果ならトマトやイチゴ、鮮魚ならマグロなど赤身の魚、精肉はすべてがその対象になる。
??果売場。トマトやパブリカの赤が鮮やか
ベイシアと彩光色の出会いは、安中店改装から数年前にさかのぼる。「スポットライトの照明をハロゲンからLEDに変えることにしたんです。ちょうど東日本大震災が起き、計画停電が行われていた時期でした。LEDへの転換は省エネの意味もあり、できるだけ電力も押さえたいと6ワットにしました。でも何年かたって状況が落ち着くと、社内から『うちの売場は暗い』という声が出てきました」(店舗建設本部レイアウトグループ 上山則行マネージャー)
「暗い」といったのは、鮮魚、ことに刺身の売場だった。「マグロのお寿司がおいしそうに見えない」というのである。そこで、4社8通り(使用器具は6種類)の照明の写真をとって比較してみた。パート社員にも感想を聞いて回った結果、そのなかから彩光色が選ばれた(この時期は前のモデル)。最終決定したのは鮮魚・精肉部門の商品部長。「赤身をおいしく見せられる」というのが理由だった。
「彩光色が、求めていた赤の色に近かったのです。ぱっと見ておいしそうと思ってもらえないと、手にとっていただけない。懸命に仕入れた商品を、最高の状態で売場に出したいのです」(店舗建設本部設備管理部 七五三木貴宏部長代理)
そこで、16年1月から順次導入を開始。すると、売場から「とても満足した」という声が聞こえてきた。
対面式になっている鮮魚売場。マグロの赤身が美しく見える
彩光色を選んだ
ベイシアとパナソニックの関わりは深い。13年から14年にかけて全店舗の基本照明をパナソニックのLEDに変えている。安中店でも、基本照明、空調、冷ケース、スポットライトにパナソニックの製品が使われており、スポットライトに採用されたのが彩光色なのである。
ベイシアでは、冷ケース導入後10年以上経過した店舗は、これを入れ替えて改装することにしており、安中店もその一環だ。今後オープンする新店、改装店舗には順次彩光色が導入されていく。直近では、10月に改装オープンする安達店、11月に改装オープンする今市モール店への導入が決まっている。現在、彩光色は約30店舗で採用されている。
「基本的に商品を扱っている人の意見を聞いて決める」のが店舗建設本部のスタンスであり、その意味で彩光色の採用は現場からの支持といっていい。