大阪・関西万博 大屋根リング
大屋根リング屋上スカイウォークの内側に1.2m間隔で約1,600台のフルカラースポットライトを配置して時間や季節ごとの照明演出を実施。
世界最大の木造建築物を
人流や時刻、季節に合わせて照明演出
会場中心を全周約2kmで囲む「大屋根リング」は日本の伝統木造工法を進化させた「現代の貫(ぬき)接合」により実現した世界最大の木造建築物※。
大屋根リングでは、屋上のスカイウォークに約1,600台のフルカラースポットライト、1階のグランドウォークに約2,400台のスポットライトを設置。
さらに約700台の小型投光器により大屋根内外の端部をライトアップすることで、夜空に大屋根リングが美しく浮かび上がり、万博会場のシンボルとなる巨大な光の環が現れる。
照明の光は暖色系を基調とし、万博の照明ガイドラインに沿って、器具には光漏れ対策のルーバーなどが設置されている。スカイウォーク上のフルカラースポットライトは、「夏至」「立秋」など二十四節気に合わせたテーマカラーと動きにより季節ごとにリングの表情を変化。
また、9台のAIカメラでスカイウォーク上の人の混雑度を検知してエリアごとに調光制御を行うことで消費電力を抑え、持続可能な社会への提言となっている。
これらのフルカラースポットライトは街演出クラウド「YOI-en」によって制御されており、時刻や季節の変化、さらには人の流れに応じて照明環境を変えることで、スカイウォークを「新しい夜」を体現する場へと変貌させている。
- 2025年3月4日にギネス世界記録に認定
建築設計Report vol.54/2025年8月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

夕暮れ時にはリングのあかりと空の明るさが重なりあい、自然に溶け込むように計画されている

リング上の二段屋根もフルカラー投光器によりシンボリックにライトアップされ、その存在感を高めている。(ミャクミャクカラー)

大屋根リング屋上のスカイウォークの二十四節気に沿った照明演出

大屋根リング端部を小型投光器によりライトアップすることで、輪郭を浮かび上がらせている

1階グランドウォークを照射しているLEDスポットライト

(左)ルーバー付LED小型投光器 (右)LEDスポットライト

歩行者のまぶしさに配慮したフード付スポットライト

混雑度を検知するAIカメラ
大阪・関西万博 大屋根リング

事業主/公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
会場デザインプロデューサー/藤本壮介
ランドスケープデザインディレクター/忽那裕樹
照明デザインディレクター/東海林弘靖
基本設計/東畑・梓設計共同企業体
実施設計・工事監理/北東工区・全体総括:株式会社大林組大阪本店一級建築士事務所
南東工区:清水建設株式会社関西支店一級建築士事務所
西工区:株式会社竹中工務店大阪一級建築士事務所
施工/北東工区・全体総括:大林組・大鉄工業・TSUCHIYA共同企業体
南東工区:清水・東急・村本・青木あすなろ共同企業体
西工区:竹中工務店・南海辰村建設・竹中土木共同企業体
主な設備
● 「DMXスポットライト」 ● LEDスポットライト ● LEDライン照明 ● LED小型投光器(ルーバー付) ● フルカラー投光器「ダイナワン」 ● AIカメラ ● 人流検知システム ● 街演出クラウド「YOI-en」● DMX照明制御システム「コントローラAREAS」

