フルカラーのDMXスポットライトで演出された多様な形態の膜屋根。万博カラー・赤/青。

多数の照明器具をDMX制御することで
水が流れる大屋根をフルカラー演出


大阪府・大阪市が産学官民一体となって出展するパビリオン。“「人」は生まれ変われる”“新たな一歩を踏み出す”という意味の「REBORN」がテーマ。アトリウムを中心に、ミライのヘルスケアや都市などからなる「リボーン体験ルート」や「ミライの食と文化」、ミライのエンターテインメントが体験できる「XD HALL」などで構成されている。
鳥などの巣のような外観は透明な膜屋根に覆われ、表面に水が流れ、心地良い水音が響く。設計にあたった東畑建築事務所の平野尉仁氏は「全国から木材が運ばれ水都大阪が形成されたところから、水と木をテーマにした。また、夜10時まで開催しているので光を重視。昼には膜屋根を通して外光が降り注ぎ、夜には内部の光で反転して建物が浮かび上がるように計画した」と語る。
照明デザインを担当したLPAの池田俊一氏は「膜屋根は大きな曲面を持った多面体で構成されているが、一つとして同じ形がない。建築自体が光のオブジェとなるように、屋根頂部に光だまりを作り、そこから照度と色温度のグラデーションを創った。また、自然光が変化するように、光の動きを加え、約190台のDMXスポットライトと約240台のドット照明をDMX制御した。ライトアップだけでなく、室内の各種照明器具を一括して統合制御できたのが良かった」と語る。

建築設計Report vol.54/2025年8月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

通常は電球色のライトアップ
通常は電球色のライトアップ

パビリオンカラー・青/緑
パビリオンカラー・青/緑

ライトグリーンなどの演出パターンも用意されている
ライトグリーンなどの演出パターンも用意されている

大阪府内産材で構成されたアトリウムには、DNAを模した螺旋状の柱が3本設けられている。螺旋状の柱と屋根を照射することにより、昼と夜で天井の明暗が反転する演出をしている
大阪府内産材で構成されたアトリウムには、DNAを模した螺旋状の柱が3本設けられている。
螺旋状の柱と屋根を照射することにより、昼と夜で天井の明暗が反転する演出をしている

膜屋根のフレームに取り付けられたDMXスポットライト
膜屋根のフレームに取り付けられたDMXスポットライト

15分ごとに約1分間ランダムにドットが明滅するアクセント光タイプ「アーキルミナ」
15分ごとに約1分間ランダムにドットが明滅するアクセント光タイプ「アーキルミナ」

照明器具の配光や光色、照射方向を事前に3Dモデルで検証し、現場での調整時間を短縮
照明器具の配光や光色、照射方向を事前に3Dモデルで検証し、現場での調整時間を短縮

事前にモックアップを作成し、膜屋根を通した昼と夜の反転効果の確認を行った
事前にモックアップを作成し、膜屋根を通した昼と夜の反転効果の確認を行った

大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn

事業主/公益社団法人2025年日本国際博覧会 大阪パビリオン
所在地/大阪府大阪市此花区夢洲
設計/株式会社東畑建築事務所
施工/株式会社竹中工務店
照明デザイン/株式会社 ライティング プランナーズ アソシエーツ(LPA)
規模/延床面積約9,800㎡

主な設備

● 「DMXスポットライト」 ● 「アーキルミナ」● DMX照明制御システム「コントローラAREAS」● 特注グレアレスDL(アレンジ調色仕様)● 中央監視設備 ● 自火報設備

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