大阪・関西万博 パナソニックグループパビリオン「ノモの国」
蝶の羽のように揺らぐファサードは、街演出クラウド「YOI-en」を軸に、
「コントローラAREAS」から照明、スピーカー、演出用ミストを連動させて五感に訴える演出を実施。
アップサイクルでパビリオンを作り
多様な次世代技術を組み込む
パナソニックグループが長年培ってきた「ひとの理解」研究に基づく技術などを活用し、子どもたちの感性を刺激することで想像する力を解き放つ体験型パビリオン。
非日常体験ができる「Unlock体験エリア」と、未来社会のアイデアを具現化した展示エリア「大地」で構成されている。パビリオンの主要部材に資源循環技術を活用し、柱や梁の約98%に家電リサイクル鉄を使用。工場で出る端材や廃材も照明器具のフードなどにアップサイクルされた。また、マイクロLEDやミストなどの次世代技術の導入により、光・音・風・振動などに包み込まれた、五感を解き放つイマーシブ空間を提供している。
外観は、子どもたちの心が「解き放たれる」ことを表現するため、三次元的に曲げたスチールパイプのバタフライモチーフを集積して構成。風で揺らぐ軽やかで自由な建築は、街演出クラウド「YOI-en」によって多彩な光で姿を変化させ、日中の暑さ対策として用いるシルキーファインミストを夜間演出にも活用している。
なお、NTTパビリオンで生成した水素を地中パイプラインで当施設の5kWの純水素型燃料電池に供給。発電した電気を夜間ライトアップに利用することでCO₂排出削減に貢献している。
建築設計Report vol.54/2025年8月発行
※会社名、役職名などは掲載時のものです。

ミャクミャクカラーに染まるファサード

生き物のように色と表情が変化するファサード

床面の光だまりが演出に合わせて明滅する「ノモの森」

セルロースファイバーやバイオライトなど多様な未来の技術が展示されているエリア「大地」

天井から内部にマイクロLEDの映像が投影される。菌糸パネルで覆われた「バイオセンサリードーム」

端材や廃材をアップサイクルして作られた各種照明器具

有機ELテレビの廃材でできた、VIPルームのプリズムシート光壁(右)とプリズムシートペンダントライト

ファサードのシルキーファインミスト。夜間にはライトアップされる

ライトアップ用投光器「ダイナワン」(左)と各種設備を制御する、「コントローラAREAS」(右)

集約された中央監視盤(左)自火報設備(中央)非常放送設備(右)

5kWの純水素型燃料電池。NTTパビリオンから地中パイプラインで供給される水素で発電する
大阪・関西万博 パナソニックグループパビリオン「ノモの国」

事業主/パナソニックホールディングス株式会社
総合プロデューサー/株式会社電通、株式会社電通ライブ
設計監理/株式会社大林組、有限会社永山祐子建築設計、株式会社構造計画研究所、アラップ
建築工事/株式会社大林組
展示設計・施工/株式会社乃村工藝社
運営/株式会社コングレ
規模/延床面積約1,700m²
主な設備
● LED調光調色スポットライト ● LED高天井用照明器具 ● LEDシューティングスポットライト ● LEDライトアップ投光器 ● フルカラー投光器「ダイナワン」 ● 街演出クラウド「YOI-en」 ● マイクロLED ● DMX照明制御システム「コントローラAREAS」 ● 自動火災報知設備 ● 純水素型燃料電池

